6月5日(米国時間)にアップルが「WWDC 2017」で発表したwatchOS 4。文字盤にはSiriが登場し、「アクティビティ」アプリはコーチング機能が追加されるなど、多くの新機能が実装される予定だ。
今回、watchOS 4を実際に目にする機会があり、新たに入った情報もあったため、改めて機能をおさらいしてみよう。
文字盤にSiriが登場、Digital Crownを利用した機能多数追加
文字盤として新たにPixarのトイ・ストーリー、静的なイメージをパターン変化させる万華鏡、人工知能Siriが登場した。
トイ・ストーリーの文字盤には、ウッディ、ジェシー、バズ・ライトイヤーが登場する。現在Apple Watchに収録されているミッキーマウスとミニーマウスと違い動きが多く、ユーザーを楽しませてくれそうだ。
注目したいのはSiriの文字盤。Digital Crown長押しで呼び出すSiriと違い、時刻と毎日の日課に基づいてパーソナライズされた情報を文字盤に表示してくれる。
Digital Crownを回して画面をスクロールでき、カレンダーはもちろん、アクティビティー、アラーム、呼吸などのデータや、位置情報から以前同じ場所で撮影した写真をディスプレーで確認できる。
さらに、音楽を再生しているときはコントローラーを表示したり、空港では航空券を表示してくれたりする。データはサーバーへ行かずにデバイス上で処理されるためセキュリティー面も安心。
なお、文字盤にSiriを設定している場合、過去や未来の予定や天気予報を確認できるタイムトラベルは使えない。
さらに、サイドボタンで表示されるDock画面は横スクロールから縦スクロールに変更。アプリの一覧画面もリスト表示を選択できるようになった。どちらもDigital Crownでアプリを選択し起動できる。
パーソナライズされたアクティビティーで運動継続をサポート
今回、有酸素運動器具とシームレスにデータを同期できる「GymKit」が追加され、トレッドミル、エリプティカル、インドアバイクやステッパーなどで計測された消費カロリーやペースなどを素早くApple Watchに送信できるようになった。
また、計測されたデータは瞬時に運動器具から削除されるため、ほかの利用者に情報が漏れることはないという。今後、各所のジムでGymKitに対応したマシンの導入が期待される。
ワークアウトは複数の運動をまとめて処理できるようになった。例えばテニスをしに自転車で移動した場合、現在はサイクリングとテニスを分けて記録するが、一連のワークアウトとして記録できるようになる。
スイミングに関しては、運動と休憩を自動で検出するのはもちろん、泳法までも分けて記録してくれるという。
アクティビティーアプリは1日の目標をより達成しやすいように改良され、前日のアクティビティーの結果を受け、朝にアドバイスをくれるデイリーコーチングが追加された。
また、1日の後半になってもアクティビティーが達成されていない場合は、あとどのくらい歩けば目標を達成できるかを通知してくれる。
さらに、ユーザーの運動量に合わせ目標設定される「月間チャレンジ」を追加。「感謝祭(サンクスギビングデー)チャレンジ」や、日本限定だった「謹賀新年チャレンジ」、4月22日限定の「アースデイ・チャレンジ」などと同様に達成すると、特別なバッジがもらえる。
そのほか、コントロールセンターにApple Watchのディスプレーの明るさを生かした「フラッシュライト」を追加。画面が白くなり辺りを照らしてくれる。腕をあげると眩しくならないように画面の明るさが下がり、腕を下げると明るくなる。
今回、普段から運動する、もしくは運動を始めようと思っているユーザーにとってうれしい運動領域のアップデートが目立ったという印象だ。
筆者は、ランニングするとしたら夜なので、ワークアウトとも併用できるフラッシュライトは重宝することだろう。また、バッジがもらえる地域・期間限定のチャレンジ企画は大好評だったらしく、月間チャレンジはそういった反響もあっての実装だという。
Siriの文字盤で個々に適した情報へのアクセスも容易になり、Apple Watchはよりパーソナライズされたデバイスにアップデートされることとなる。