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Blu-rayプレーヤーのHDMI伝送に由来する技術を搭載

パイオニア新ネットワークプレーヤーは非同期伝送がポイント

2017年06月13日 20時10分更新

文● 天野透/ASCII

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パイオニアのネットワークプレーヤーがブラッシュアップ。「N-70AE」(画像左)と「N-50AE」(画像右)

 オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパンは6月13日、パイオニアブランドからネットワークオーディオプレーヤー「N-70AE」「N-50AE」を発表した。発売は7月上旬で、価格はN-70AEが20万3040円、N-50AEが12万4200円。

フルバランス回路やBlu-rayプレーヤー由来の
デジタル伝送技術などを新規開発

 現行モデルからメイン基板をはじめとした回路を新規設計。D/A変換から信号出力までのアナログ段はフルバランス回路で構成し、パターン設計時にグラウンドを根本から見直して、外乱ノイズの影響を排除したという。バランス出力に対応したアンプとの接続では、伝送系の共通インピーダンスを極限まで抑え、チャンネルセパレーションを一層高めたとしている。また、N-70AEが搭載するヘッドフォンアンプへの入力もフルバランス入力とすることで、ノイズを抑えている。

 デジタル信号にも音質改善の新システムを搭載。従来機はUSB以外のデジタル入力がシンクロナス(同期)伝送となっており、クロックに起因するジッターが音質に影響を及ぼしていたという。同社はBlu-rayプレーヤーに搭載されるHDMIのアシンクロナス(非同期)伝送技術「PQLS」を応用し、プレーヤー内蔵の高精度クロックですべてのデジタル入力をアシンクロナス伝送する「PQFA(Precision Quartz for File Audio)」システムを新開発。これにより伝送系統を選ばずに、低ジッターのデジタル音源再生が可能になったとしている。

 DACは引き続き「ESS SABRE32 ULTRA DAC」ブランドの8ch DAC「ES9016S」を採用。上位機種のN-70AEはL・R各チャンネルに独立搭載し、各チャンネルそれぞれを8chパラレルで駆動する。N-50AEもES9016S×1基に変更され、各チャンネルを4chパラレルで駆動する。

 そのほかデジタル・アナログそれぞれに専用の電源トランスを使った完全分離構造や、上位機種の「3分割シャーシ構造」、2重構造シャーシ「リジッドアンダーベース」による低重心化などの設計を、引き続き採用している。

メイン基板などは新規設計で、下位機種のN-50AEにもES9016Sが採用された

ジッターを大幅に低減する「PQFA」技術。同社のBlu-rayプレーヤーに搭載される「PQLS」を応用し、全デジタル入力のアシンクロナス伝送を実現

DSD 11.2MHzやChromecastなどのストリーミングにも対応

 DSD音源は有線ネットワークとUSBで11.2MHzまでの対応となり、従来機から拡張。PCM系はUSBによる384kHz/32bit音源のストリームに対応する。音源再生は192KHz/24bitまで。

 ネットワーク機能は新たに802.11 a/b/g/nのデュアルバンドWi-Fiに対応したほか、「e-onkyo ダウンローダー」を搭載し、USBで接続しているストレージへPCレスでハイレゾ音源を直接ダウンロードできる。接続したストレージとPC間での、ネットワーク経由のハイレゾファイル移動・保存も新たに対応した。

 さらに「Spotify」や「radiko.jp」「Tuneln」といったストリームサービスに対応したほか、スマホなどからのストリーミング再生は従来の「AirPlay」に加えて、新たに「Chromecast」に対応。「Google Home」からの音声コントロールにも対応するという。

 主な仕様は、デジタル入力が光デジタル×1、同軸デジタル×1、USB B×1(リア・USB DAC 機能用)、USB A×2(フロント/リア)。デジタル出力が光デジタル×1、同軸デジタル×1。有線LAN×1(DLNA1.5 準拠)。コントロールアウト端子×2。サイズはN-70AEが幅435×奥行き364×高さ121mm、N-50AEが幅435×奥行き340×高さ99mm。重量はN-70AEが12.3kg、N-50AEが7.4kg。

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