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ウィキペディアの創設者、ねつ造ニュース対策に乗り出す

2017年04月25日 21時59分更新

文●Jamie Condliffe

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プロのジャーナリストの原稿がボランティアに編集され、クラウド・ファンディングで報酬を支払われれば、ねつ造ニュースは防げるのだろうか?

ウィキペディアの共同創設者ジミー・ウェールズは、異例ともいえる計画を立てて現在のインターネット上の禍いであるねつ造ニュースを一掃しようとしている。自らが創設して世界を変えたオンライン百科事典からヒントを得て、ウェールズはニュースが作られる工程を再構築しようと考えている。

ウェールズが夢想するのは、市民精神あふれるボランティアのコミュニティが手を貸しながら、記者が隠れられない形でニュースが作られる未来だ。その結果できあがったニュースは、ウィキトリビューンという完全無料のオンライン・ニュースとして提供され、数多くの情報源やデータのリンクが貼られ、多くの献身的なボランティアが公明正大なふるいにかけ、正確さが検証され続ける。

その目的を果たすため、ウェールズは少数のプロのジャーナリストを雇い、その報酬をクラウド・ファンディングによる支援者からの寄付で賄う計画を立てている。寄付をする人々には扱ってほしいニュースを主張する権利があり、ジャーナリストは透明性を確保するために取材の全記録や録音を提供する義務が生じる。最終的な記事は、ボランティア・コミュニティが内容をチェックして校正する。

ガーディアン紙の取材でウェールズは、自身の構想を「人民による人民のためのニュース」と呼んだ。読者がお金を払って読んでくれるニュースかどうかがまず問題だ。また、どんな話題をウィキトリビューンは扱うのか、スタッフとしてジャーナリストとの共同作業をするに足る能力のある大勢のボランティアを集め、協力を仰げるのかも問題だ。

ウィキペディアの黄金時代が去ったとはいえ、多くの人々が社会の利益のために、時間を割いてまで事実を正すことに関心を払うことを立証する役目を果たした。同じ論理がジャーナリズムに適用されないはずがない。

まだ詳細な部分についてはいくらか問題があるものの、ウィキトリビューンは少なくともねつ造ニュース問題に率先して取り組もうとしている。虚構と真実をふるい分けるのはあくまでも読み手の責任であるとしたフェイスブックやグーグルの対応に続く、建設的な一歩であるのは疑いようもない。

(関連記事:Wikitribune, The Guardian, “グーグルとフェイスブック、ねつ造ニュース対策をユーザーに丸投げ,” “落ち目のウィキペディア”)


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

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