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末娘と片づけられない高音質

JH Audioの「Michelle」はマッチョから繊細な音へ

2017年05月03日 13時00分更新

文● 編集●ASCII

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本体は拍子抜けするほど軽いが、そこにメリットがある

 まず上位機との主な違いは「シェル」だ。

 THE SIREN Seriesの最新世代では“FULL METAL JACKET”と称し、すべて金属筐体を採用しているが、Michelleはおそらく3Dプリンターで作ったと思われる樹脂製になっている。また着脱式ケーブルを接続するためのコネクターも異なっていて、カスタムIEMでよく見かける2ピンタイプとなっている。上位はがっちりと専用のネジで固定するタイプだ。

 スペック面では、高/中/低域用にそれぞれ1基のBAドライバーを使用する“3ウェイ3ドライバー”構成となる。一つ上の機種となるRosie(実売8万5000円程度)は各帯域2基ずつの“3ウェイ6ドライバー”構成なのでその半分となる。JH AudioのノウハウのひとつであるFreqPhaseテクノロジー(帯域ごとに独立した、導管で振動を伝え、位相を揃える仕組み)を備えているが、導管(ウェーブガード)の数は2つとなる(上位は3つ)。

 こういう書き方をすると、制限した仕様の廉価版に思えるかもしれないが、そんなことはない。テクノロジー的には上位機と同じものを利用し、製造に関しても米国のハンドメイド生産だという。

 見るからに重厚なお姉さま方と比較して、本体は驚くほど軽い。サイズもコンパクトで、ケーブルも細みだ。

 しかし実際に装着し、サウンドを確かめてみると思いのほかいいできで感心する点は強調しておこう。金属筐体は確かに質感が高いが、長時間装着すると重さが気になる。ドライバーの数の少なさも、コンパクトな本体を実現できると考えればメリットになるだろう。従来モデルは少々大きすぎて、筆者の耳にフィットしにくく、遮音性を確保するの難しく感じる面もあった。

 ほかにも音が出るノズルに傾斜があったり、耳にフィットしやすい形状になっていたりと、手を抜かずに考えられている感じがある。欧米人ではなく、日本人にとってはむしろしっくりくる製品ではないだろう?

付属のケース。黒のレーザー製で赤のステッチをあしらっている。

 ちなみにBA3ユニットと聞いて、「Tri.Fi」(トライファイ)をイメージする人が多いそうだ。価格帯や形状が似ているが、ただしTri.Fiは2ウェイで、Michellは3ウェイとなる。メーカー担当者の説明では、サウンド傾向などもかなり異なるそうだ。

ステージパフォーマンスを意識した上級機よりはリスニング指向?

 JH Audioのサウンドというと、分厚い低域が印象的だ。ライブハウスでロックを聴く際に感じるような混とんとした感じがある一方で、個々の音はしっかりと分離して、十分に見通せるリアルさも両立している。

 そんな刷り込みの上で、Michelleを聴くと、またちょっと違う印象があった。まず感じるのは、高域の抜けの良さだ。高感度で緻密な情報量に驚く。もちろん低域の量感も十分だ。JH Audioのトップエンドモデルは12ドライバー内蔵のLaylaだが、ライブ用のイヤーモニターが発祥ということもあり、ブランドの傾向として少々過多と思えるぐらい低域の量感があり、しかも見通しがいいという点がある。

 MichelleはLayla、Angieのように低域調整機能がない。JH Audioの上級機は元々太い低域をさらに増強できる機能があるのだが、最も少ない標準状態でも低域が足りないと感じることはない。一般的なリスニング用途であれば、それほどこだわるべき機能ではないかもしれない。

 リケーブルに関してはすでに書いたが、2ピンの端子になっている。ここも上位モデルとの違いだ。Layla、Angieはネジ式となっている。このあたりもライブ利用を想定しているのだろう。激しい動きでケーブルが引っ掛かってもしっかりホールドできるという点を重視しているのだ。

 ただリスニング用途に限定するなら、リケーブルで音の変化を楽しむというのもまた一興なので、交換ケーブルの選択肢がある2pinタイプも悪くないと思う。

 付属ケーブル自体は細身で少々頼りなさもあるのだが、銀メッキのOFC銅線ということで質は高い。細さはデメリットばかりでなく、取り回しがしやすいという利点もあるので、こちらも入門向けのIEMという意味では悪くないと思う。

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