アスクル(株)は25日、東日本に向けたLOHACOの基幹物流センター「ASKUL Logi PARK首都圏」(ALP首都圏)の火災を受け、新たな物流拠点「ASKUL Value Center 日高」(AVC日高)を新設し、20日から出荷を開始したと発表した。
「AVC日高」は進化型のLOHACO専用物流センター
AVC日高は、アスクルで初となるLOHACO専用の物流センターで、東日本エリアをカバーする。ALP首都圏と同じ機能を再現するのではなく、LOHACO専用センターとして、頻発する商品入れ替え、18時以降に集中する注文への対応などを追求し、進化した物流センターを目指す。ALP首都圏のスタッフ740人(直接雇用280人、派遣スタッフ460人)のうち420人が、AVC日高と近隣代替センターの「所沢センター」で勤務する。
AVC日高は、先進的な物流施設の開発・運営などを手がけるグローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株)(GLP)の新築物件「GLP狭山日高Ⅱ」の1階から3階部分。GLP狭山日高Ⅱは、免震構造物流施設で液状化リスクが低い強固な地盤に立地し、防災センターでのバックアップ電源や井水設備の採用など、BCP(事業継続計画)にも配慮された物流センターとなっている。庫内の防災は、飯能日高消防署の指導のもと防火体制を構築している。賃借面積は約4万6200平方メートル。
「AVC日高」ではリアルマーケティングを実施
同センターでは、メーカーのサンプル品やチラシ・リーフレットの同梱発送などの「リアル」マーケティングを実施。ユーザーとメーカーとの接点を強化するプラットフォームとして機能する。アスクルは「LOHACO ECマーケティングラボ」の活動を通じて、メーカーと共にECならではの「デジタル」マーケティングに取り組んできたが、同センターのでは「リアル」マーケティングにも取り組む。一つの箱の中に、さまざまな価値を詰めて届ける想いを込めた~one box multi valua~という発想から、同センターを「ASKUL Value Center」と名付けた。
同センターでは、ハンディピッキング方式による商品出荷を20日に開始。6月末には簡易マテリアルハンドリングシステムと自動梱包機を導入し、9月末にはコンベアラインを設置する。2018年初頭にはシャトルシステムの設置とコンベアラインを増設し、段階的に物流センターの高度化・自動化を進める。ALP首都圏に設営していた精米センター「アスクルライスセンター」の早期開設と、冷蔵設備の導入も視野に入れ、取扱商材も拡大する。
AVC日高は、LOHACO専用センターとして、24時間365日フル稼働する。アスクルがこれまで培った物流センターの設計・運営ノウハウを活かし、生産性を徹底的に追求する。