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セキュリティ機能の独自性をうたう、日本HPの新ビジネスPC

2017年04月24日 09時00分更新

文● 小林 編集●ASCII

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ワークスタイルの変化によってPCセキュリティーの重要度が増す

 最も重要なアップデートはIDに関わる(認証データを守る)機能だ。

 今回から、HP Client Security Suiteの中に「多要素認証」の機能が加わった。上述のように侵入の63%がパスワードの漏えいからはじまっている。追加費用なしで、その対策をするという考え方だ。パスワードと指紋など、いろいろな多要素認証を端末の機能だけで実現できるようにしている。このポリシーをセンターから管理者がコントロールすることで、強制力を持たせられるというのもポイントだ。日本HPとしては、さまざまな組み合わせが想定できる多要素認証のうち、特に指紋とFeliCa(生体認証+物理認証)の組み合わせが、有効だとしている。

多要素認証に対応したログイン画面

ハードウェアが標準的にNFCやBluetooth認証などを利用できる環境を用意している

設定画面、ここでは指紋とカードによる認証を指定している

 特にパスワードをキーで入力する必要がない点がポイントだ。パスワードは本人以外でもわかっていれば利用でき、最近では入力画面が仮に隠されていても、スマホなどを使って録画したデータから、簡単にパスワードを類推できるという。

SureView対応のEliteBook x360 1030G2。

上の写真と同じ画面を表示しているが斜めから見ると、何も見えない

 合わせて紹介されたのは「HP Sure View」という、正面から見れば普通に画面が見えるが、斜め(水平方向で35度以上)になると、画面が白濁して見えなくなる。ハードウェア的な画面フィルターがある。IPSパネルの中にHEPAフィルターを入れている。

仮想環境でウェブブラウザーを実行し、標的型メールからPCを守る

 また「HP Sure Click」という、ウェブブラウジング時のセキュリティーを高めるソフトも入れている。これはウェブブラウザーを仮想マシン上で切り分けて動作させ、仮に標的型メールをクリックしてしまった場合でも、パソコンを守れるというものだ。

Sure Clickの概念

悪意のあるウェブサイトを検知したところ、このまま実行しても隔離されているので問題ない

ログ画面

 なお、HP Sure ViewとHP Sure Click、SureStartは、一部の製品向けに提供されるので注意が必要だ。

機種別の各ソリューション対応表

 最後に紹介されたのが、HP WorkWiseだ。HPでは単なるセキュリティー機能ではなく、スマートオフィスを実現するためのプラットフォームにしようとしている。

WorkWiseはセキュリティだけでなく、PCヘルスなども監視できる

 機能のひとつが、パソコンとBluetooth機器(スマホ)の距離が離れた際に、デバイス(Windows)をロックするものだが、これ以外にもパソコンが内蔵しているセンサーと連動して、離席時に物理的なモノが動いたり、電源に触れたといった状況が分かる。

 また安心・安全性を確保するという面で、パソコンの動作状況もリモート(スマホ画面)から知る機能も持たせている。例えば過負荷で発熱していないかとか、バッテリーの充電が進んでいるかなどを確認できるわけだ。WorkWiseでは、パソコンのセンサーをフル活用して、その動きでユーザーにとって利便性の高いサービスを提供していこうとしている。

 管理性という意味では、HP MIK(Manageability Integration Kit)を介して、MS SCCM(System Center Configuration Manager)と連携できる。これは上述したBIOSやSure Start、Client Securityなどのセキュリティーポリシーに加え、TMPのバージョンアップやDeviceGuardの設定、最新ドライバーの配布、および最新OSイメージの作成が可能になるというものだ。

HP MIKの解説

MSのSCCMと組み合わせることで管理性が上がる

HP MIKとMS SCCMの組み合わせでできること

 また、多要素認証、デバイスアクセス管理(ユーザー単位で使える物理端子を管理)、パスワードマネージャー(ウェブサイトやアプリに記憶させるパスワードの管理)、スペアキー(パスワード紛失時の質問でのログイン)、ワンステップログオン(電源投入時に1回パスワードを入力するだけで、Windowsログオンが可能)といったユーザーの利便性が高い機能を集中管理しながら、利用させられる。

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