HPEの“ProLiant史上最小”サーバー、TM200はどんな可能性を開くのか 第2回
これまでにない新機軸サーバーが実現するソリューション、そのアイデアをブレストするの巻
超小型サーバー「HPE TM200」をどう使う? アスキー編集部が考えてみた
2017年05月23日 09時00分更新
小規模なVDIやアプリ仮想化、そして複数アプリの統合ボックスまで
大谷:それに近いアイデアだけど、TM200で少人数オフィス向けのVDI(仮想デスクトップ環境)システムができるよね。今のVDIって、最低でも100人くらいの規模がないと構築できないでしょ。TM200ならば、4~5人のスモールオフィスでもローカルのVDI環境が実現できるはず。
――なるほど。アプリ仮想化のサーバーにも使えますね。最近、自治体なんかでWebブラウザだけを仮想環境に隔離して動かす「インターネット分離」の取り組みが進んでますが、小規模な拠点ならばTM200くらいがちょうどいいのでは。
大谷:あとIoTっぽいアイデアで言うと、監視カメラのソリューションなんかはどうかな。しかも、カメラ画像をすべてTM200のローカルディスクに保存しつつ、そこから必要な動画だけを切り出して、リモートの監視センターに送信するような。
今の監視カメラって、すごく解像度が高くなってるでしょ。高解像度の動画データを全部送るのはネットワーク的にキツいけど、TM200上のアプリで解析して、たとえば侵入者が現れたときにだけ、アラートと共に切り出した動画を送る。
鈴木:このマシンなら動画解析のアプリも載せられるでしょうから、監視カメラの可能性も広がりますよね。動体検出や顔認識の技術と組み合わせると、いろんなことができそう。単純なところでは、来店客数をカウントするような店舗向けのソリューション。
――マシンの処理性能が高いので、監視カメラ映像も防犯用に録画するだけじゃもったいないですよね。たとえば小売店舗なら、顔認識でお得意さんが来店したらすぐ店員を呼ぶとか、レジの行列が長くなってきたら自動的に応援を呼ぶとか、カメラ映像をほかの用途でも生かせる。
鈴木:設置場所に合わせて複数のソリューションをまとめて、ワンボックスで提供するというのもアリですよね。たとえば小売店舗だったら、オーダー、レジ周り、タイムカード、監視カメラなど、現場で必要な複数のシステムを全部この1台に収めてしまう。仮想マシンが幾つも動くなら、そういうコンパクトな統合ソリューションもできるでしょう。
南田:たしかにこれくらいの性能があれば、ふつうに全部こなせそう。
大谷:昔はCPUパワー的に1台でこなすのは無理だったけど、TM200ならマルチコアで仮想化にも対応しているし、そういう統合パッケージも現実的になると思う。古いシステムが統合できたら、邪魔になってた設置スペースも大幅に減らせるだろうし。
――複数ベンダーのソリューションが、仮想マシン単位で1台のTM200に“相乗り”するのは面白そうですね。メンテナンスは仮想マシンごとに、リモートからでもできますから。
南田:仮想マシンイメージを丸ごとクラウドにバックアップしておけば、本体が故障しても、マシンを交換して電源とネットワークをつないでもらうだけで復旧できそうですね。管理者がリモートから操作して仮想マシンイメージをダウンロードし、3時間くらいあれば復旧できる、みたいな。
欲しいオプションはGPU拡張ボックスと「全国セミナー行脚用トランク」?
大谷:あ、これ、本体を縦置きにするとちょっとゲーム機っぽい。ゲーム開発用のサーバーとかどうだろう。開発環境をサーバールームに置くんじゃなくて、開発者の手元に置く。
――ただ、サーバーなのでグラフィックス性能がちょっと弱点なんですよ。PCIeスロットがないのでグラボ(グラフィックスボード)が刺さらない。
南田:あのーこれ「ストレージ拡張ボックス」がドッキングできるようになってるじゃないですか。本体裏にあるドッキング用のコネクターは、きっとPCIeだよね。それならば、ストレージ拡張ボックスと同じように“グラフィックス拡張ボックス”も出来るはず。HPEにはそれを出してほしい!(※注:あくまでもアスキー編集部としての願望であり、今のところ発売予定はありません)
大谷:あー、GPUオプションは欲しいですねえ。それができたら、ゲーム開発とかの用途にすごくいいと思う。
――オプションでさらに用途を拡張する、ってことですね。そのほかに、こんなものが欲しい!というオプションはありますか。
南田:さっき言ってたモバイルサーバーの可能性を広げるために、持ち運び用のトランクを出してほしいですね。運搬中の衝撃にも耐えられるようにクッションが入っていて、ACアダプターやLANケーブルなんかの付属品も収納できるケース。
――「全国セミナー行脚用トランク」みたいなケースですね。モバイルサーバーを実現するならば必要そう。
大谷:ついでにキャスター付きでどこでもゴロゴロ引っ張っていけるようにして、大容量バッテリも内蔵しとく?(笑)
ついでに家庭向けのサーバーソリューションも考えてみた
――ここまで企業向け、業務向けの話をしてきましたが、一般家庭にTM200を導入するようなアイデアはどうでしょう。さすがにTM200のパワーは必要ないですかねえ。
大谷:すでに押し入れの奥に自宅サーバーを設置してるような人には、省スペースになっていいかもしれない。……あまり一般的な家庭とは言えないけど(笑)。
南田:規模感としては「マンションサーバー」くらいかなあ。マンション内の共有サーバー、管理サーバーとか……そういえばうちのマンション、回覧板を回すのが大変なんですよ。留守の家が多くてなかなか回らない。
鈴木:何をいきなり(笑)。
南田:だから、回覧板の代わりに何かお知らせがあれば掲載する電子掲示板とか、ついでに住人にプッシュ通知してくれるサーバーとかあればいいなと。あと、宅配ボックスにある荷物をセンサーで検知して、いつまでも引き取らない住人がいたら「荷物届いてますよ!」とプッシュ通知し続けるサーバー。これもリアルに困ってるからね(笑)。
大谷:マンションには大抵監視カメラが入ってるから、そういうのも組み合わせて。さっきの話にもつながるけど、防犯用の録画だけじゃなく画像解析までして、自転車置き場じゃないところに自転車が停まってたら管理人宛てにアラートが上がる、というのはどうか(笑)。
鈴木:顔認識で「ゴミ回収日じゃないのにゴミを出したのは誰だ!」と調べられるソリューションとか(笑)。
南田:まあ監視カメラは高額だけど、IoTが普及してきたらセンサーで「4階の廊下の蛍光灯が切れてる」といったことも検知できるようになるでしょう。管理人が常駐してないマンション向けに、マンション管理をサポートするソリューションは出来そう。
鈴木:たしかに不動産屋さんもアップセルしていかないといけない時代ですからね。一軒家向けでも、IoT家電とアプリ、TM200のソリューションをパッケージングしてしまって、「50万円セット」で不動産屋さんから売るとか、そういうのも出来るでしょうね。
――なんだか、話がどんどん家庭向けに脱線して盛り上がってきましたが……。
南田:だってこれ、黙ってても企業向けには売れるでしょ?
――あ、そのコメント、話のオチにいただきます(笑)。
* * *
というわけで今回は、アスキー編集部がTM200によるソリューションのアイデアを考えてみた。超コンパクトな本格サーバーが実現する新しい可能性を多少は実感いただけただろうか。
第1回記事で紹介したとおり、HPEでは「TM200ソリューションコミュニティ」を立ち上げ、幅広いソフトウェアベンダーやシステムインテグレーターの業務ソリューションアイデアを形にすべく支援している。次回は、そんなソリューションパートナーとHPEの対談で、TM200の魅力やソリューション構築の裏側を見ていこう。
(提供:日本ヒューレット・パッカード)
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