プロの要求にオールラウンドで応える、高い性能
一般に、法人向けワークステーションの用途は多岐に渡り、「HP Z2 Mini G3 Workstation」もオールラウンドに"使える"仕様を備えている。またPhotoshopおよびLightroomの場合、NVIDIA Quadro M620によってOpenGLに関するハードウェア支援がのぞめることから、プロカメラマンをはじめ、写真を趣味とするハイアマチュアの要求にも応える十分なスペックといえ、コンパクトな環境を考えているのであれば検討に値する。
日本HPが用意した試用機の構成は以下の通りで、Xeon E3-1225 v5、NVIDIA Quadro M620(2GB)、16GBメモリー(8GB×2 DDR4-2400)、256GB M.2 NVMe SSD(Samsung MZVPV256)、1TB HDD(HGST HTS721010A9E630、7200rpm、32MB)となっている。大半のデータはネットワーク上のストレージにためておき、HDDは作業用の一時的なデータ置き場として考えるという構成イメージだろうか。
以下、CPUの計算性能を見る「CINEBENCH R15」、PC全体の処理性能などをテストする「PCMARK 8」、ディスク性能を計測する「Crystal DiskMark 5.2.1」によるベンチマーク結果を掲載しておこう。
以上のように、ワークステーションのベンチマーク結果としては十分な数値だ。OpenGLに関してGPU支援を要するアプリケーションの場合は、NVIDIA Quadro M620により処理が快適になるだろう。映像(動画)方面でいくと、フルHDベースであれば良好な動作を期待できる。
写真用途に関するテストでは、PhotoshopとLightroom、DxO、RAW現像ソフト「Capture One」と画像処理で多用されるツールを使ってひと通りの作業をしてみた。PhotoshopとLightroom、Capture Oneについてはストレスを感じることはなく、特に、PSBファイル(最大30万×30万ピクセルおよび2GBを超えるファルを扱える)を使ったフィニッシュワークが多い方には、「HP Z2 Mini G3 Workstation」はチェックすべき製品といえるほどの好印象を持った。
DxOについては、パラメータ変更時の応答性は良好。ファイル出力は速いとはいえないものの、これはDxOがCPUコア数を重視する仕様となっているためで、しかたのない部分だ。