業務用途向けに性能を重視したワークステーションというと、基本的に"巨大"でゴツいというイメージが先行してしまうはず。しかし、今回チェックする日本HPの「HP Z2 Mini G3 Workstation」は、高いスペックながらサイズ幅216×奥行き216×高さ58mmと、Mac miniや小型PCフォームファクターNUC(Next Unit of Computing)などを彷彿とさせるほど小さい。デザインもひときわ優れており、日本HPが個人向けPCで得意としている"ラグジュアリー"というキーワードをも連想させる。
しかも、直販価格が15万3500円(税別)からとワークステーションとしてはお手頃価格となっており、「普段の作業環境を現場に持ち込めるサイズの製品が欲しい」「前段処理用に小さくてジャマにならず、パワーのあるヤツが欲しい」という方なら注目に値するプロダクトとなっている。ハイアマチュアの方など、コンパクトかつ高性能なPCがノドから手が出るほど欲しいといった法人以外の用途にも"刺さりそう"な製品だ。
※2016年10月3日時点において年間100万台以上出荷している、ISV認定取得、プロフェッショナルグラフィックス、Intel Xeonクワッドコアプロセッサー、ECCメモリ搭載の他社製品含めて。HP調べ
驚くほど小さくても、中身は「Xeon」という凄まじさ
まずは「HP Z2 Mini G3 Workstation」のサイズからだ。先に触れたように幅216×奥行き216×高さ58mmとなっており、世界初のミニワークステーションをうたうだけあって、一見すると法人向けとは思えないほど際立ってコンパクトで、デザイン性もすこぶる高い。
日本HPの直販サイト「HP Directplus」で用意されている「HP Z2 Mini G3 Workstation」の基本構成は、Intel Xeon E3-1225 v5、NVIDIA Quadro M620(2GB)、8GBメモリー(ECC、最大32GB)。ストレージは1TB HDD(SATA SFF 7200rpm NCQ)。当然ながらBTOに対応しており、Intel Xeon E3-1245 v5をはじめより高いスペックでも構成できる。OSについては、基本構成ではWindows 7 Professional(Windows 10 Proからのダウングレード)かFreeDOSになっており、Windwos 10の選択も可能。
FreeDOSが採用されている理由は、OSレスでハードウェアのみを安価に入手したい層を想定しているためだろう。そういったハードウェアに、Linuxなど自分の環境に合わせて導入したいというわけだ。サポートするディストリビューションとしてはUbuntuがあり、認証およびサポートではRed Hat Enterprise Linx、SUSE Linux Enterprise Desktopがある。ただし、FreeDOSやLinuxディストリビューションに関してハードウェアとの相性などを日本HPが責任を持つわけではないので、その点は覚えておくべきだろう。Linux環境を構築したい方は、「HP Z2 Mini G3 Workstationメンテナンス&サービスガイド」、「ユーザーガイド」(それぞれPDF)などが参考になるはずだ。