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実ビジネスでの仮想通貨普及を狙う

BCCC、対円為替レートを安定化した仮想通貨「Zen」の社会実験を開始

2017年04月12日 13時30分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)は、対日本円為替レートが安定して推移することを企図した仮想通貨「Zen」の社会実験を5月15日から開始する。

 ビットコインなどの仮想通貨は、各国の法定通貨に対する為替変動が激しく、これが企業活動における仮想通貨の普及を妨げる要因になっていた。今回BCCCは、日本円に対する為替レートが安定的に推移する仮想通貨を作り出すことを目的に、Zenの社会実験プロジェクトを開始する。

 Zenは、複数のブロックチェーンに実装可能なデジタルトークンであり、従来の仮想通貨と同様にインターネット上で取引ができる。実験では、BCCC事務局のインフォテリアがZenの発行者、BCCC会員企業のうち仮想通貨取引所を運営する企業(テックビューロ、カレンシーポートなど)がZen取扱取引所の役割を担う。

 日本円との交換レートが安定的に推移させるために、BCCCがZenの発行手取金(受領過疎通貨を発行時点の市場価格で円転したもの)を原資として、取扱取引所ごとに発行数と同数のZenを1Zen=1円で購入する注文を提示する。この仕組みによって「実質的にZenの対日本円為替レートが安定化する」という仮説を検証するのが同実験の狙いだ。

「Zen」の運用イメージ

 実験では、Zen発行者が時価1円に相当する仮想通貨(ビットコインなど)に対して1Zenを発行。仮想通貨を発行時の市場価格で日本円に交換して銀行口座に保管する。Zen発行時には、Zen取扱取引所に対して1Zen=1円の買注文を提示する。これらの取引にはスマートコントラクトを導入し、Zenの運営の信頼性をブロックチェーン技術で担保する。

 第1フェーズ(4月から9月までの半年間)は、Zenをプライベートブロックチェーン上に実装し、BCCC会員企業のみに対してZenを発行する。第2フェーズでは、それまでの実験結果を踏まえて必要な改善を行った上で、対象企業をBCCC会員以外にも拡大する計画だ。

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