中国トップはOppo、その強さの秘密は?
トップ10中にAppleが4機種、Samsungが5機種。ならば残る1機種がなにか気になるところだが、これは実はシェア3位のHuaweiの端末ではない。中国のOppoがリリースした「Oppo A53」だ。2015年末に発売され、中国はもちろん、インドなどの市場でも販売された。
5.5型IPS液晶(解像度は720×1280ドット)、CPUはオクタコアのSnapdragon 616を搭載している。メモリーは2GB、ストレージは16GBでLTEにも対応する。カメラは13メガ(イン5メガ)、サイズは153×77×7.4mm。価格は1700人民元(約2万7300円)だ。
そのOppoも先週、「Oppo F3」を発表した。Fシリーズはセルフィーを特徴とするラインで、F3はフロントに16メガピクセルのカメラと8メガピクセルの120度広角カメラを備える。HUAWEI P10と似たアプローチで、セルフィーのほかにグループセルフィーにも対応するとうたう。
Oppoは2016年に大躍進し、中国ではトップとなった。2016年第4四半期のシェアは18.1%、出荷台数は前年同期比109%増となった。2位はHuawei(16.9%)で3位にVivoが16%のシェアをとってランクインしている。4位Apple(11%)、5位はXiaomi(7.4%)、Samsungは上位5に入っていない(IDC調べ)。
OppoとVivoを創業したDuan Yongping氏はBloombergのインタビューで、「Appleは中国市場で我々に勝てない」と豪語。「OSなど素晴らしい技術をたくさん持つが、我々の方が優れているものもある」と述べた。自信の根拠は、中国市場が望む高スペックで安価なスマートフォンをAppleは作っていないことにある。だが、このあたりはXiaomiと同じ戦略。Xiaomiとの違いとしてあげられるのが小売での展開だろうか。だが、Xiaomiの二の舞にならないという保証はない。
Oppoといえば、マーケティングを積極的に行ない始めたこともあげておきたい。同社はMWCで緑を基調としたブースを構えたが、MWCが開催されたバルセロナのサッカースタジアム、カンプノウでもOppoのグリーンを見ることができた。ピッチを囲む電光広告で、OppoのロゴがカミソリのGillette、アパレルのReplayなどに混じって表示されていたのだ。
もっともOppoが欧州で普及しているかというとまだまだ。Oppoは欧州、北米など中国外の消費者向けに一部機種を購入できる「OppoStyle」というサイトを開設している段階だ(http://oppostyle.com/)。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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