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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第49回

最新プラモのスペック スターウォーズ編

2017年08月08日 17時00分更新

文● 前田知洋

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 いつものように動画配信サイトでゲーム中継を見ていたら、途中で流れたCMで、最新のプラモデルがスゴイことになっていることを知りました。そのCM動画では、BANDAIの技術者のコメントなども登場し、なんかAPPLEの新製品を熱く語るジョナサン・アイブみたいな演出。けっこうクールなつくりです。

 じつは子供の頃、筆者はプラモ少年でした。地元では、街の販売店のコンテストに入賞したこともあったほどの熱中ぶり。ただ、専門誌なども愛読していましたから、実力が全国レベルじゃないことくらいはわかっていました。ヤスリがけや塗装など、本格的に作ろうとすると、指先が結構痛む。そんなことから、もう四半世紀以上もプラモは作っていませんでした。

 しかーし!最新のプラモは、金型の精度も劇的に向上して、接着剤やヤスリも不要で作れるらしい。そんなわけで、今回は、最新プラモ事情をレポート。はたして、ブランクがある筆者でも手軽に楽しめるのでしょうか…。

筆者が偶然観たプラモのCM。ディテールやサイズはもちろん、価格にもビビりました

まずはリサーチ!

 早速、ネットショッピングで購入…、というのは面白くないので、まずはリサーチから。動画配信サイトにも、ゲーム中継さながら、プラモ製作動画があって便利です。どうやら、僕が注目しているBANDAIのスターウォーズシリーズは初心者向けのよう。なので、数十年のブランクがある筆者にはピッタリです。

 じつは、4年前に友人から美術館のおみやげとして「MG 1/100 ガンダム 超・大河原邦男展Ver.」をプレゼントされたことがあります。しかし、箱の大きさと中身の部品数(たぶん、300~500くらい)を見て降参しました…(汗)。

 というわけで、今回は販売店に行き、箱の中身を見せてもらい、部品数と部品の大きさをチェックしてから挑戦…、が計画です。

 しかし、筆者が子供の頃のように、街には模型店がありません。軽くググってみたら、筆者の近郊では、量販店(ヨドバシとかヤマダ電機、トイザらスなど)の玩具コーナーで取り扱っている様子。

2体のロボット、C3POとR2-D2を探す旅

 スターウォーズといえば、作品のほぼすべてに登場する2体のロボット、C3POとR2-D2。ところが、このロボットたちは、販売されてから日数がたっているせいか、なかなか見つかりません。さらに販売戦略が絶妙というか、2体のロボットは漫才のようにコンビなのに、それぞれが別パッケージで販売されています。

スタートはR2-D2とC3POの有名コンビから

 半日かけて量販店を何件か回り、2体のロボットをそれぞれ別の店で見つけました。あわせて、プラモデル専用のニッパーと専用ピンセットも購入。接着剤(プロは「セメント」と呼びます)や塗料は、今回は必要ありません。

 店員さんにお願いして、箱の中身も確認。部品数も少なめで安心です。ピンセットで取り扱うような極小の部品もありますが、まぁ大丈夫そう。さすが、最先端プラモらしく、部品のメッキ具合や色合いもよくできています。ただし、本当に接着剤なしでできるか少し不安ですが…。

 気になったのは、筆者が行った量販店のプラモデルコーナーは、どこもガラガラだったこと。昨今の少年少女はプラモを作らないのかなぁ…、なんて思いながら帰宅しました。

さすが最先端の技術

 帰宅してすぐに作り始めましたが、筆者が子供の頃のプラモデルとは全然違います。「部品を切り出し、説明書にそって組み立てる」という基本は同じなのですが、部品の精度がスゴイ。接着剤もいらずにパチンとはまり、完成後の塗装もほとんど必要ありません。とくに「アンダーゲート」と呼ばれる、プラモデルの表面に余分な傷跡を残さない新技術には驚きました。

部品の精度も高く、組み立て説明書も丁寧

 筆者が少年時代のプラモデルは、部品が合わない、歪んでいるなんていうのは日常茶飯事。パテで盛ったりヤスリで整形するのが基本でした。それでも、当時から日本製プラモは海外での評価が高く、海外の愛好家が買い出しに来ていたほど。

 余談ですが、静岡の久能山東照宮に行ったとき、境内に機動戦士ガンダムのプラモデル(通称、ガンプラ)が奉納されていました。その理由を神社の人にたずねると、昔、東照宮を建てるときに、全国から優秀な木工職人が徳川家康により集められ、時代の変異とともに、その職人技が後にプラモデルの原型の木型に受け継がれたそう。たしかに、日本のプラモデル工場は静岡に多くあります。日本のプラモデルのルーツが徳川家康にあったとは、なんとも夢のある話です。

製作時間は1~2時間 気軽に組み立てられる

 選ぶモデルにもよりますが、筆者がチョイスしたロボットは、ブランクがあったとはいえ1~2時間ほどで組みあがりました。筆者は、ピカピカの完成品が好きなことや、シンナーで指先が荒れてしまうと仕事に障ることもあり、塗装しなかったことも、短時間で気軽に組み立てられた理由のひとつです。組み立ての説明書もとてもわかりやすい。完成すれば、映画でつかわれたロボットにプロポーションが近いのもプラモデルの魅力です。調子に乗って、後日3つほど買い足しました。

追加購入した3箱。ダースベーダーだけは手付かず

横浜ヨドバシはフロアも広く、プロっぽい人が多め

 それ以来、いろいろと量販店やプラモデルファクトリー(工具などが揃った、アトリアスペース)を散策しました。特に横浜のヨドバシのプラモデルコーナーは、フロアも広く、いろいろなジャンルのプラモデルが揃っています。とくに航空機や船舶のコーナーは、通り抜けるのも気をつかうほど人気ぶり。年齢層は30代~60代という感じで結構高めです。

 考えてみれば、そうした上級者向けのモデルは価格もそれなりにしますので、少年少女には少しハードルが高いかも。ちなみに冒頭で紹介した「1/72 ミレニアムファルコン号」は4万3千200円ですので、大人でもかなりの気合が必要です。

 筆者もいつかはそんなモデルに挑戦してみたいとも思いますが、とりあえず友人からのプレゼントしてもらったガンプラを完成させなくては…(汗)。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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