検索連動広告担当の目線から、検索関連のデータを中心に「面白くて、ちょっと役に立つ」情報を皆さんにお伝えします。今日は「検索」と「時間帯」に関するお話です。
突然ですが、みなさんはどのような時にスマートフォンで検索エンジンを使いますか? 通勤電車の中、ランチ中、テレビを見ながら…。生活の必需品として溶け込んでいるスマホなので、あらゆるシーンでの利用が考えられます。あまりに使用頻度が高くて具体的に利用シーンが思い浮かばない人もいるかもしれません。
そこで、いちユーザーとしては意識することが少ない「検索」と「時間帯」の関係性について、NTTドコモ「dメニュー」での検索データから、以下の切り口で考えてみます。
- 検索のピークタイムはいつ?
- 曜日によって検索傾向って変わるの?
- キーワードによって検索される時間帯って変わるの?
検索のピークタイムっていつ? 曜日ごとの違いは?
下のグラフ1は、2月のとある1週間での曜日×時間帯別の検索数推移を表現したものです。
検索のピークタイムは、曜日を問わず20時~22時台にあることが一目で分かります。20時~22時といえば曜日を問わず、自由な時間を過ごしている時間であり、検索数が増加しやすいことは納得しやすいのではないでしょうか。
またこの時間帯はいわゆる「ゴールデンタイム」であり、テレビを見ながらの検索が増えやすいことも想定されます。テレビと検索行動の親和性については、各所で語られているので知っている人も多いと思われますが、dメニュー検索においても例外ではありません(参考:翻弄する?される?TVと検索の関係 – Google先生が見たニッポンの2015年1月)。
また、平日と土日で顕著な違いが出るのが昼間の検索傾向です。
平日は仕事の合間の昼休みにあたる12時台のみ検索数が突出するのと比較して、土日は時間帯に関係なく、ピークタイムの夜間に向けてゆるやかに上昇していることがわかります。普段仕事中にスマホに触れることがないユーザーも土日には昼間から利用している、というようなことが想像できます。
あのキーワードが最も検索されている時間帯
全体的な曜日別・時間帯別の検索傾向がわかったところで、キーワード単位に粒度を落として特徴的な傾向を確かめてみます。
最初は「ニュース」を含むキーワード検索からです。
平日や土曜日は昼休みにあたる時間での検索数が全体平均よりも際立っており、夜のピークタイムに次ぐボリュームとなっています。スキマ時間に利用されるコンテンツの特性をよく表しています。また土曜日も平日と同様に推移していることも、後述の他キーワードと比較して特徴的です。
続いて「レシピ」を含むキーワード検索と、食生活に関するところで「マクドナルド」の検索傾向も調べてみました。
「レシピ」を含むキーワード検索のグラフを見ると、夕食前の時間にかけてピークに近づいていく推移は、前述の全体傾向とは異なる動きながらキーワードの特性上納得のいく推移でしょう。
一方、「マクドナルド」のグラフは、平日はランチ・ディナーの時間帯の検索数が増える傾向を示すだけでなく、土日のランチ時間帯は平日の約2~4倍の検索数を記録しています。土日のマクドナルドが家族連れでにぎわっているイメージは持ちやすいですが、検索傾向もそのイメージ通りに推移しています。
あの注目ドラマは?テレビと検索の深い関係
前項でテレビと検索の親和性について言及しましたが、ここでは今期の(半ば個人的な)注目ドラマである「東京タラレバ娘」(日本テレビ系、水曜22時~)に関するキーワード検索動向を実際にのぞいてみましょう。登場人物に金髪イケメンのKEY君もいますしね!
グラフ4から、ドラマが放送される水曜22時台で検索数が約6倍に急増し、放送終了後の23時台にピークを迎えていること、また当日の勢いには及ばないものの、放送後の余韻を示すように翌日木曜日の検索数が他の曜日より伸びていることが見て取れます。「放送前よりも放送後」に検索が伸びるという点から、放送終了回のあらすじや感想などを振り返るニーズが想定されます。今回は「タラレバ娘」を例に挙げましたが、話題性の高いドラマやバラエティ番組の放送前後はこのような検索動向になる傾向があります。
「日曜の午後」は「ネットで検討」の時間?
最後に、検索連動広告とも親和性の高い、ネット上での購入・申込・資料請求などのコンバージョンに直結するキーワードの代表として「通販」「旅行」「マンション」の3ワードの傾向です。
いずれのワードにも共通しているのは、全体の傾向と比較して日曜の午後での検索数が多いことです。このことから、ネット上での購入やアクションを伴う商材を検索経由で検討する、という行動は日曜日(しかも午後)に起きやすい、と言えるかもしれません。
『検索』と『時間帯』の関係を広告出稿にいかしてみる
上のワード群はあくまで一例ですが、大きな全体傾向の中にも、キーワードの示す特性によって、多く検索される時間帯は異なってくるのだということが分かりました。また一方で、検索数の大小が示すデータは、「レシピを調べるのは夕食前で、ニュースは昼休みに見るもの」といった一般的な生活時間のイメージとさほどかけ離れたものではないことも気付きました。こういった特徴を知ることは、リスティング広告の出稿にも応用できます。
●時間帯別/曜日別の配信指定や入札調整機能などを用いて
「関連キーワードの検索数が多くなるタイミングを確実に刈り取りにいく」
「需要の少ないタイミングは出稿を抑える」などのメリハリをつける
●検索数が多い時間帯に予算切れを起こさないようキャンペーン上限予算を設定をする
このように、配信プラットフォーム側の機能を上手に活用しながら、「時間帯」の概念と上手に付き合っていくことで、広告機会の機会損失を防ぎ広告効果の改善に貢献できるのではないでしょうか。
以上、「検索」と「時間帯」にまつわるお話でした(検索データ提供:NTTドコモ)。
(記事提供:D2Cスマイル)