メモリーは枚数によって速度が変わる
次がメモリー。Ryzenは、最大でDDR4-2667をサポートするが、実際にはSingle RankかDual Rankかでサポートされる速度が変わってくることになる。
DIMM2枚差し(つまりチャンネルあたり1枚)ではDDR4-2666だが、DIMM4枚差し(つまりチャンネルあたり2枚)では最高速がDDR4-2133に制限されるとある。
ただ下に注意書きで「Dependingo on system & Module Design」とあるように、実際はマザーボードとDIMM自身によってこのあたりの制限速度は変わってくると思われる。
実際筆者自身、「Ryzen 7 1800X」にCorsairの「CMK16GX4M2A2666C16」を4枚差した状態でDDR4-2667駆動で全テストを行なっている。この数字は動く動かないではなく、AMDが保証するのはこの速度、という話と考えておくべきだろう。
また林先生が取り組まれていたオーバークロック制御用ツールの「Ryzen Master」も、すでに正式版のダウンロードが始まっている。
静音化した新クーラー
下の画像が新しいWraithクーラーである。Wraithクーラーそのものは昨年2月からAMDが発売しているものだが、Ryzenにあわせて3種類が発表になった。Ryzen 7 1700やRyze 5には中央のWraith Spireが同梱される予定だ。
価格は不明だが、海外の通販サイトを見ていると、Wraith Spireの有無での価格差は20ドル程度になっており、かなり安価である。またWraith MAXのみは従来のSocket AM3と同じ爪での取り付けだが、Wraith Stealth/SpireはAM4のベースプレートにネジ留めする方式に取り付けが変わっている。
騒音はStealthで28dBA、Spireで32dBA、MAXですら38dBAなのでかなり騒音は小さくなっている。あとは好きにカスタマイズして使ってくれ、ということらしい。

この連載の記事
- 第667回 HPですら実現できなかったメモリスタをあっさり実用化したベンチャー企業TetraMem AIプロセッサーの昨今
- 第666回 CPU黒歴史 思い付きで投入したものの市場を引っ掻き回すだけで終わったQuark
- 第665回 Windowsの顔認証などで利用されているインテルの推論向けコプロセッサー「GNA」 AIプロセッサーの昨今
- 第664回 Zen 3+で性能/消費電力比を向上させたRyzen Pro 6000 Mobileシリーズを投入 AMD CPUロードマップ
- 第663回 Hopper GH100 GPUは第4世代NVLinkを18本搭載 NVIDIA GPUロードマップ
- 第662回 グラボの電源コネクターが変わる? 大電力に対応する新規格「12VHPWR」
- 第661回 HopperはHBM3を6つ搭載するお化けチップ NVIDIA GPUロードマップ
- 第660回 第3世代EPYCは3次キャッシュを積層してもさほど原価率は上がらない AMD CPUロードマップ
- 第659回 ISSCC 2022で明らかになったZen 3コアと3D V-Cacheの詳細 AMD CPUロードマップ
- 第658回 人間の脳を超える能力のシステム構築を本気で目指すGood computer AIプロセッサーの昨今
- 第657回 2024年にArrow LakeとLunar Lakeを投入 インテル CPUロードマップ
- この連載の一覧へ