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強力な遺伝子編集手法「クリスパー(CRISPR)」の特許論争で裁定

2017年02月16日 00時41分更新

文●Antonio Regalado

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強力な遺伝子編集手法の発明をめぐる、カリフォルニア大学バークレー校とブロード研究所(ハーバード大学・MITの共同組織)の論争は、ブロード側の勝利と裁定が下された。

強力な遺伝子編集手法「クリスパー(CRISPR)」に関する重大な特許論争の勝敗が決したかもしれない。勝者はブロード研究所(マサチューセッツ州ケンブリッジ)だ。

2月15日、米国特許商標庁の審査会は、クリスパー(CRISPR)の特許権を巡る論争に裁定をくだした。論争は、カリフォルニア大学バークレー校が、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の系列組織であるブロード研究所の保有する何十件もの特許に異議を唱えたことで起きた。

短い裁定文で、特許商標庁の審査会は「事実への干渉は起きていない」と判断した。難しい法律用語を噛み砕いていえば、2つの組織の発見は、実際には重複しておらず、したがって争いは終わり、ということだ。今のところは。

この裁定はブロード研究所の勝利だ。ブロード研究所はこれまで、干渉が起きていないことの認定を求めてきた。今後、自分たちの価値ある特許を保持し続けられるだろう。

ただし、法的論争は終わりそうにない。カリフォルニア大学バークレー校は、控訴、またはブロード研究所の特許に別の形で対抗してくる可能性がある。また、ロックフェラー研究所や韓国の発明家も特許制度を通じて対抗しており、論争は継続するだろう。


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

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