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グーグル、アップルはトランプ政権に反旗、IBM、シスコは沈黙

2017年02月07日 02時53分更新

文●Michael Reilly

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トランプ政権によるイスラム系7カ国出身者の入国禁止令の即時停止を命じる仮処分に対して、グーグル、アップル等が移民労働者の必要を訴える意見書を裁判所に提出した。ただし、IBMやシスコ等、意見を表明したかった企業もある。

移民禁止令に対して連邦地方裁判所が即時停止を命じる仮処分の決定を出したことで、テック企業はトランプ政権の政策に声を上げることにした。

2月5日のニュースによると、イスラム圏7カ国からの入国の90日間禁止と、全ての難民の入国の120日間禁止を求める大統領令に対し、テック業界が大多数を占める97社が、意見書を提出した。20ページに及ぶ意見書が提出される前、3日にはシアトルの連邦地方裁判所が入国禁止令の一時差し止めを命じ、第9巡回区連邦高等裁判所が司法省による上訴に対し一時差し止めの維持を決定していた。

意見書に署名したのは、グーグルやマイクロソフト、ネットフリックス、エア・ビー・アンド・ビー、ウーバー、ペイパル等で、入国禁止令は憲法違反なだけではなく、ビジネスにも悪影響だと意見を述べた。

我が国で数々の偉大な発見を手がけるのは移民であり、また最も革新的で象徴的ともいえる企業の何社かは移民によって設立された。我が国で一流の起業家や政治家、芸術家、慈善家には移民もいる。米国にやって来て自分自身や我が子のためにより良い生活を探し求め、「アメリカン・ドリーム」を追い求める人々がもたらす体験やエネルギーは、我が国の社会や政治、経済のしくみ全体に張り巡らされている。

さらに意見書は、入国禁止令によって「米国企業が優れた人材を引き寄せる能力が妨げ」られており「国際市場での競争をより難しくしている」ことを主な理由として、入国禁止令に対して「米国企業に重大な影響を与えている」と述べている(意見書に加わった企業の一覧)。

意見書の提出に参加しなかったことで注目されたのは、IBMやシスコ、パランティアだ。パランティアはピーター・ティール(シリコンバレーでは最も有名なトランプサポーターのひとり)が共同創業者を務めるソフトウェア企業。テスラはイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ大統領の特別諮問委員会に参加しており、意見書には署名しなかった。

テスラが意見書に署名しなかったことは、マスクCEOがトランプに取り入ろうとしている、と大きな批判を招き、マスクCEOの所有するスペースXとテスラの2社は政府の発注や税控除に大きく依存しているからではないか、と話題になった。ただしマスクCEO個人は入国禁止令に対して異議を表明しており、世界から化石燃料エネルギーをなくす目標達成には、トランプ政権と引き続き対話を続けるのが最善の方法だとしている。

司法省は入国禁止令の執行に対する根拠を6日の夜までに提出することになっており、上訴に対する判決は今週末までに控訴裁判所の3人の裁判官によって下される。どんな判決になっても、この裁判は連邦最高裁判所まで続く可能性がある。

(関連記事:Bloomberg, Quartz, Reuters


転載元(MIT Technology Review)の記事へ

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