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オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない-第63回

米軍の無線機マニュアルにおもしろ擬人化イラスト発見

2017年02月12日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

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おとぼけ顔の擬人化イラストが入った無線機マニュアル

 前回に引き続き、米軍のマニュアルのお話です。前回はケネディージープことM151の操作マニュアルやトラブルシューティングガイド、第二次世界大戦時の鈑金マニュアル、ベトナム戦争のころの個人装備マニュアルなどをご紹介しました。今回はAN/PRC-68という無線機のマニュアルから見ていきたいと思います。

 PRC-68は1970年代後半ぐらいから使われはじめた小型の無線機で、FMの比較的低い周波数である30~79.95MHzに対応しています。同シリーズには、周波数をより細かく設定でき、使用時間が長くなった改良型のPRC-68Aや、液晶表示が付くなどさらに改良されたPRC-68Bもありますが、ウチにあるマニュアルは初期のPRC-68のやつです。

米軍の携行無線機PRC-68のマニュアル

 マニュアルのナンバーはTM 11-5820-882-10なんですが、これまでの物と違い、その下にTM 06827A-10/1という番号も書かれています。じっくり見たことがなかったのでいままで気付いてなかったんですが、このマニュアルはMARINE CORPS(海兵隊)でも使われてるんですね。そして陸軍と海兵隊で管理番号が異なっている。統一すればいいのにとも思うけど、いろいろ事情があるんだろうなぁ。ちなみに日付は1980年7月です。

 操作マニュアルなので、中身は使用方法の解説です。最初は各部の説明なんですけど、ビックリなのがスピーカーやコネクター、ツマミなどをひとつ説明するのに1ページ使ってるところ。なんと贅沢なページ割! これだけで8ページも使っていて、しかも8点中5点が同じイラストです。見やすいのは確かだけど、民間のマニュアルとはこういうところも違うなって気がします。

各部の説明。1項目1ページという贅沢なレイアウトです

 このマニュアルはおもしろいところがあって、お固いマニュアルなのになぜかとぼけたイラストが使われているんですよ。通常とは異なる状況での使用についての項目なんですけど、ここで急に無線機を擬人化した挿絵が入っているっていう。このイラストはちょっとお気に入りです。

極端な環境下での使用について。おとぼけ顔のイラスト入り
水深3フィートまでは防水みたいです

 もうひとつ無線機のマニュアルがあります。型番はAN/PRC-127。PRC-68と同じくFM方式の無線機ですが、周波数が136~160MHzと高くなっていて、米軍だけでなくNATO軍との交信にも使えます。マニュアルのナンバーはTM 11-5820-1048-10。11-5820までは同じなので、これが無線機のコードなのかもしれません。

米軍の携行無線機PRC-127のマニュアル

 こちらは残念ながらイラスト的なお遊びは一切なし。やけにリアルタッチな絵が描かれています。あれはないだろう! と怒られて変わったんですかねー。それとも、たんに担当者が違うからかな。あれを見たあとだと、ちょっと味気ないなぁ。

実用一辺倒な感じのイラスト

ナイトビジョンゴーグルのマニュアルは2冊

 次はナイトビジョンゴーグルのマニュアルです。ナイトビジョンは真っ暗な場所でも見えるようになるアレですね。AN/PVS-5という型番で、1980年代のかなり古いタイプになります。ナンバーはTM 11-5855-238-10

 同じようにゴーグルタイプで有名なのは、真ん中に1個だけ対物レンズのあるPVS-7。5より7の方が格段に性能が上がっているのですが、5の方が優れているのが対象物の立体感。7はひとつのレンズで捉えた光を増幅したあと、プリズムで左右に分けています。つまり両目で見てるけど映像は左右とも同じ物なので、立体感がありません。5は右目左目のそれぞれに増幅管があるので、自然に見ることができるのです。そのため7が出たあとも、車両や航空機の操縦時に使われていたみたいです。

古いナイトビジョンゴーグルPVS-5のマニュアル

 内容は各部の説明と使い方など。光学機器は手入れが大事なので、レンズのクリーニングなど日々のメンテナンス方法も書かれています。

 ちなみに、昔の映画「ゴーストバスターズ」に出てきた幽霊を見ることができるエクトゴーグルというアイテムが、このPVS-5を元にして作られています。いかにも光学機器ですっていうデザインが好まれたのかもしれませんね。

各部の解説のほか、装着方法も丁寧に説明されています
クリーニングについても掲載。お手入れは大事です

 PVS-5はメンテナンスマニュアルももっています。ナンバーはTM 11-5855-238-24P。無線機もPVS-5も操作マニュアルは縦14.6×横10.2センチとハンディーサイズでしたが、これはおよそ27.6×21.8cmとA4に近いサイズです。

 中身はパーツのイラストとパーツ番号のリスト。構造がわかるほか、ケースや付属品も乗っていたりして、なかなかよい資料になります。

PVS-5のメンテナンスマニュアル。ちょっと大きめ
ケースからラベルやネジ1本まで、すべてパーツとして番号が振ってあります。当たり前ですけどなんかスゴイ

400ページもあるハンヴィーの操作マニュアル

 最後はハンヴィーの操作マニュアル。400ページ近くあるので読み応え抜群です。ナンバーはTM 9-2320-280-10。日付は1996年1月。空軍と海兵隊でも使われているので、それぞれのナンバーも併記されています。

 もうすっかり乗りなれたのでいまさらマニュアルでもないですし、PDFの形で配布されているんで不要なんですが、そのPDFを見ていたら車載の備品一覧にマニュアルがあったので、印刷されたものを買った次第です。

ハンヴィーの操作マニュアル。表紙にビッシリ書かれているのはハンヴィーの型番です
マニュアルに載っているハンヴィーの備品一覧。このマニュアル自体が一番最初にリストアップされています

 ハンヴィーは型番がいろいろあります。このマニュアルは一番ベーシックなタイプである幌車のM998から、ハードドアやスラントバックが付いたM1025、その装甲強化型であるM1044、1996年当時最新だったM1123、救急車のM1035など、細かく分けると全部で35ものモデルが載っています。

 ウチのハンヴィーはハードドアとスラントバックが付いたM1025にウインチを搭載したM1026という型番になります。このドアは別名Xドアと呼ばれていて、剛性を上げるためのX型モールドがあるのが特徴。昔見た自衛隊のトラックのドアがこんな感じで、いかにも軍用車っぽくてお気に入りです。最近のドアは鉄板が貼られていて平らになってしまっているので、あえて古いままにしています。

ウチのハンヴィーは一番下のM1026。グレネードランチャーは付いてませんけど
救急車はハードトップのM997とソフトトップのM1035があります

 内容はほかの操作マニュアルと同じく、各部の説明と使い方がメイン。そのほか、日々の点検、ウィークリーやマンスリーの点検といった日常のメンテナンス方法、標準的な荷物の積み方、M151では別マニュアルになっていた注油説明などが載っています。

 荷物をマニュアルどおり積みたいところですが、そのためには固定用のブラケットを床に設置する必要があり、これが寝袋を広げるときに超邪魔。いざってときは車中泊がしたいので、ブラケット設置は断念しました。

メーター類の説明。ほとんどは普通のクルマと変わりませんメンテナンスのガイド。見やすくまとまってます
重機関銃ブローニングM2を搭載するときの荷物の置き方。満載ですね注油の指示。これぐらいは自分でできるようになりたいです

 備品一覧にマニュアルを入れるバッグも書かれていたので購入してみました。ビニール製の物もあったのですが、マニュアルにはcotton duck、つまり綿帆布と書かれていたので、古い物をゲットしました。

ジャストサイズのバッグ。あんまり綺麗じゃないですが、それも味ってことで

 米軍のマニュアルには、よく間違いがあったら教えてちょうだいというフォームが付いています。みんな似てるなとは思っていたのですが、よく見てみたら似てるどころかまったく同じ。DA FORM 2028-2の文字と1 JUL 79という日付が書かれていたので、ちょっと調べてみました。

左は1983年版のM151のマニュアルのフォーム、右は1996年版のハンヴィーのマニュアル。左上のお姉さんの唇が白くなった以外は同じ。なんで白くなったんだろう

 DAはDepartment of the Armyで、アメリカ合衆国陸軍省のこと。陸軍省が規定した書式ってとこですかね。APD(ARMY PUBLISHING DIRECTORATE:軍出版総局)のウェブサイトにフォームの一覧が掲載されていて、DA FORMは2300以上ありました。2028はそのひとつで、1979年7月1日に作られたようです。最新版は2015年9月1日付けなんですが、ダウンロードしてみたらお姉さんのイラストがなくなってて、たんなる書類になってました。なんか残念だわー。

 それにしてもハンヴィーの備品一覧を見ていたら持っていない物がまだまだたくさんあって、あれもこれも欲しくなってしまいました。楽しみがまた増えたというか、マズいというか〜。

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