このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない- 第62回

第二次世界大戦のころの米軍マニュアルを眺めてみました

2017年02月05日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

第二次世界大戦やベトナム戦争時のマニュアル

 というわけでまず最初は、昔乗っていたM151A2の操作マニュアル。2冊持っていたのですが1冊は手放してしまいました。

ケネディージープことM151のマニュアル。2色刷りです

 M151のオペレーティングマニュアルの名称はTM 9-2320-218-10。TMはテクニカルマニュアルの略です。枝番の-10は操作マニュアルを指し、M151の場合、-20はメンテナンスマニュアル、-20Pはメンテナンス用のリペアパーツ&特殊ツールのリスト、-34はクランクシャフト交換など支援部隊がするようなヘビーな整備マニュアル、-34Pはそのパーツリストとなっています。

 ウチにあるのは1983年版。M151からハンヴィーに切り替わる2年前なので、M151のマニュアルとしては新しめで、もしかしたら最後の版かもしれません。もっと前の版はモノクロでしたが、これは黒と赤の2色刷りになっています。

 中身はメーターの見方や各部の説明のほか、故障時にレッカーで運ぶときの手順や、ウォッシャーやバッテリーなど日々の簡単な点検方法など。イラストが多用されているし簡単な英語で書かれているので、英語が苦手なワタシでも辞書なしで読めます。

 大きさは約240×165ミリ。日本だとB5よりひと回り小さい感じで、アメリカでも該当するサイズがないんだけど、これってなんのサイズなんだろ? 

操作方法のほか日常点検の方法なども掲載

 次はM151のマニュアルシリーズのひとつ、LO 9-2320-218-12。LOはLUBRICATION ORDERの略で、注油の規定を載せたマニュアルです。マニュアルといっても4ページしかないペラペラなものですが、グリスアップの位置や各部のオイル交換の手順・間隔などが簡潔に書かれています。ツルツルとしたコーティングがされた紙で、油が付いても拭き取れるようになってるのかも。

注油規定のマニュアル

図入りでわかりやすいです

 マニュアルにはバインダーも用意されています。縦横のサイズはM151のマニュアルにピッタリなんですが、マニュアルの厚さが6~7ミリなのに対し、これは40ミリもあってスカスカなのが残念。でもいかにもミリタリーな無骨さはお気に入り。重さが1.1kgもあります。

OPERATOR'S MANUALの文字が入ったバインダー

縦横サイズはM151のマニュアルにピッタリ。M151のマニュアルなら6冊ぐらい入ります

 もうひとつM151関連で、これはマニュアルじゃなくて関連資料的な感じですが、エンジンがスタートしないときのトラブルシューティングガイドです。バッテリーのチェックから始まって、ケーブルやターミナル、スイッチのテストまで10段階のテスト方法が記載されています。内容は汎用的なことなので、覚えておけばほかのクルマでも応用できそうです。冊子では軍の回路テスターを使用していますが、普通のテスターでも代用できると思います。

スタート時のトラブルシューティングガイド

10段階のテスト方法が書かれています

 次は持っている中で一番古いマニュアル。1941年11月21日の日付が入っているので、第二次世界大戦のころのものです。タイトルはSHEET METAL WORK, BODY, FENDER AND RADIATOR REPAIRS。そう、鈑金とラジエーターの修理マニュアルです。しかもパネルをカットして交換するとかラジエーター交換とかじゃありません。熱してハンマーで叩いて平らにしたり、穴をハンダで塞いだりっていう、いわゆる鈑金作業です。「鈑金は重整備では重要な職務」のようなことが書かれてるんですが、いまでもこういうのってやってるのかなぁ。いまは叩いたりしないでパネルごと交換かな。

 これを買ったのはM151A2に乗っていたころで、自分で鈑金と塗装をするための参考にしました。軍の直し方は特別なのかなとも思ったんですが、そうでもないみたいです。

鈑金のマニュアル。TMのナンバーも10-450と短くて、いかにも古そうです

ハンマーと当て金の使い方。図解入り

溶接のやり方も。イラストが昔っぽいですね

 ベトナム戦争のころの個人装備マニュアルは、15×11センチほどの小さめな冊子。クルマ用と違い、個人が持ち歩くのが前提みたいです。タイトルはALL-PURPOSE LIGHTWEIGHT INDIVIDUAL CARRYING EQUIPMENT。略してALICE。直訳すると多用途軽量個人運搬用具っていうところでしょうか。日本ではALICE装備と呼ばれたりします。

ALICE装備のマニュアル

左は戦闘中の荷物、右はフル装備

ベルトやポーチなど個人装備の解説

ポーチ類の取り付け方やベルトの調整方法など

すべての荷物を運ぶ時のバックパック、通称アリスパックの説明

 今回はここまで。次回はナイトビジョンや無線機、ハンヴィーなど、割と最近の機材のマニュアルをご紹介します。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ