今回は猫のあくびを撮る話をしよう。
前々回の、舌ペロリは狙って撮るのが難しいけどなぜか撮れてる瞬間の代表例。猫って意外に頻繁に舌で鼻を舐めてるんだけど、予告なく一瞬でペロっとやるので、狙うより狙わない方がいい瞬間を撮れたりするのである。
あくびはある程度狙って撮れる。あくびには前兆があるから。
人間だってあくびする前って「あ、こいつあくびする」ってわかるじゃないですか。あれと同じで、口を閉じてちょっと動きがとまって、おもむろにふわーーっと大口をあけるのだ。
そうすると、あくびのピーク(つまり一番口を開いた状態)を狙ってシャッターを切りたくなるのが人情ってもんだ。
特には歯が抜けてたりして、意外な側面が見えたりする。
完璧なタイミングでシャッターを切ろうと思ったら、まずフォーカスを合わせ、そこでタイミングを待つ。
シャッターを半押しにするとAFだけ駆動するので、その時点で手を止める。
で、口が一番開いた瞬間にシャッターを押しきって撮影!
なんだが、2つのタイムラグが邪魔するのである。ひとつめはカメラのタイムラグ。シャッターを押しきってから実際に撮影されるまでのほんのちょっとタイムラグがある。昔のデジカメに比べると短くなったのであくび程度ならあまり気にしなくていいんだが、そのほんのちょっとが大事なのだ。
画面を見て撮ってたら間に合わないこともあるので、カメラを固定したら肉眼で猫を見ながら撮るってのも手。
もうひとつは人間のタイムラグ。要するに目で見て「いまだ!」と思ってから指が実際に動くまでのタイムラグ。これはもう千差万別で速い人も遅い人もいるので自分のタイミングを自分で知るしかないわけである。
で、お勧めは連写。
あくびって、大口を開けた瞬間のみならず、そこへの過程が楽しいからだ。
ハンパに口を開いたちょっと間抜けな顔だったり、牙が向き出たちょっと恐い顔だったり。
猫のアクビは、口を開けきるまでの過程が面白い、のである。
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