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GMOインターネットのネットワークエンジニア中里氏に聞いた、OpenStack採用の裏話

OpenStackベースの「Z.com Cloud」はわずか4カ月でできた?

2017年01月18日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

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 「Z.com Cloudは『“できない”をなくすクラウド』というコンセプトで開発しました」。GMOインターネットのネットワークエンジニアである中里昌弘氏は、新しいZ.com Cloudのサービスコンセプトをこう語る。

GMOインターネット システム本部 クラウドサービス開発部 ネットワークプロダクトチーム マネージャーの中里昌弘氏

 Z.com Cloud(ゼットコム クラウド)は、GMOインターネットが昨年(2016年)8月にサービス開始した法人向けのIaaSである。企業のオンプレミスシステムがクラウドに移行する際の“受け皿”として、企業システムが必要とする多様な機能を備え、それらを柔軟に組み合わせて利用できるクラウド基盤を目標としている。これが、「“できない”をなくす」という言葉の意味だ。

Z.com CloudではIaaSを中心に、顧客企業のビジネスニーズに合わせたクラウドソリューションを提案していく(画像はWebサイトより)

 OpenStackベースで構築されたZ.com Cloudだが、その開発期間は「およそ4カ月」と非常に短期間だったという。その背景には、同社がこれまで他のクラウドサービス開発で蓄積してきたOpenStackに関する技術力やノウハウがあるようだ。今回は、ネットワークエンジニアとしてZ.com Cloudのサービス開発に携わった中里氏に、OpenStackの採用背景やクラウドサービス開発時の苦労、Z.com Cloudの狙いなどを聞いた。(インタビュー実施日:2016年11月6日)

ネットワークエンジニアとしてパブリッククラウド開発に参加

 中里氏が所属するネットワークプロダクトチームは、その名のとおり「プロダクト(商用サービス)として」ユーザーに提供されるネットワークサービスの開発をミッションとしている。競争の激しいIaaS市場で他社との差別化を図るためには、価格面だけでなく、豊富なサービスラインアップも重要な訴求ポイントになる。ネットワークサービスもその例外ではない。

 もともと中里氏は、ネットワークエンジニアとしてGMOインターネットに入社後、およそ7年間にわたってデータセンターネットワークやバックボーンなどの設計/運用に従事していた。しかし、やがて同じ業務を続けることに閉塞感を感じるようになり、エンジニアとして新たなチャレンジになることを模索していた。

 ちょうどそのころGMOインターネットでは、OpenStackを基盤に採用したクラウドサービスの開発が本格的にスタートしていた。2013年にリリースされた個人ユーザー向けVPS「ConoHa(コノハ)」や、2014年にOpenStackベースでリニューアルしたゲームアプリ事業者向けサービス「GMOアプリクラウド」などだ。

GMOインターネットでは、早期からパブリッククラウドサービスの開発でOpenStackを採用してきた(中里氏の講演資料より)。当時、ConoHaはOpenStack Grizzlyで、アプリクラウドはOpenStack Havanaを採用していた

 ただし、当時のOpenStackはまだ未成熟であり、特にネットワーク周りのコンポーネントを商用サービスに使うためには、かなり手を加える必要があったという。そこで、ネットワークエンジニアの中里氏も、OpenStackがネットワーク機器を操作する“橋渡し”の部分の開発に協力することになる。

 「これが最初のきっかけでした。ネットワークエンジニアからすると、OpenStackはまったく別世界で、輝いて見えましたね(笑)」

 新しいクラウドサービス開発への協力を通じて、中里氏のキャリアは、徐々にネットワークからクラウドサービス開発へと近づいていく。

 2014年後半、OpenStackのJunoリリースを採用してConoHaのサービスリニューアルを図るタイミングで、中里氏も正式にクラウドサービスの開発部門に加わった。新しい所属先では、各リージョンの物理ネットワーク設計/構築に加え、OpenStackのネットワーク機能(Neutron)周りのサービス設計/開発も手がけることになった。

 「技術統括の役員からも、慣れた(ネットワークの)分野だけでなく、新しいことをやったほうがいいだろうと勧められました。自分の中では、『ネットワークを作る仕事』から『クラウドを作る仕事』へのジョブチェンジでした」

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