今回は、最近、アドテクの配信の中で利用されつつある、PMP(プライベートマーケットプレイス)について説明します。
PMPとは―OpenRTBとの違い
PMP(プライベートマーケットプレイス)とは、参加できるメディアと広告主が限定される広告配信の仕組みです。PMPは広告を掲載するメディア・枠位置が分かり、かつ、在庫予約や固定単価での購入ができます。
OpenRTB(Real Time Bidding)の場合、広告主はSSPに接続している媒体であれば自由に入札できますが、どこの媒体/枠に配信されているかは分からずに取引されます。一方、PMPは出稿できる広告主は限定されますが、SSPを介して特定の媒体/枠に配信できます。
PMP取引が登場した背景
SSPやアドネットワークは、当初、純広告の余り在庫や純広告として販売できにくい広告枠が中心だったことで、ブランドイメージが低下しかねないサイトに掲載される可能性もあり、媒体情報が開示できないことも多くあります。そのため、ブランディング広告を活用する大手企業にとっては出稿しにくいものでした。
また、ビューアビリティ(広告枠の可視性)の低さによって、CPM課金での出稿がしづらいなどの課題がありました。
一方、媒体社にとっても、RTBでの買い付け価格が他の媒体に引っ張られるため、大手メディアの場合は「安く売ってしまっている状況」が発生していました。
上のような大手広告主の出稿の受け入れと大手メディアの媒体収益を改善するため、PMPが誕生しました。
RTB(Open)とPMPの取引の種類
PMPの取引の種類をRTBと比較したのが下の表です。
PMPの取引の種類は、大きく分けて以下の3つになります。いずれもクローズでの配信です。
- 入札制
- 固定単価
- imp保証
PMPに寄せられる期待と今後の見通しについて
2016年は動画広告の配信が活発になりました。動画の広告配信やリッチクリエイティブの配信が増加していくことや、ビューアビリティ(広告枠の可視性)をより重視した広告配信を広告主から求められるようになるのは明白です。そのため、PMPの需要は拡大していく方向になると考えられます。
一時期、広告はデータによって「枠から人へ」といった方向で進んでいましたが、今後は、「枠と人」の価値で広告が取引される機会が多くなるのではないでしょうか。
(記事提供:D2Cスマイル)