大容量バッテリーと省エネで、1キロなのに17時間駆動
モバイルPCを軽く作るのにイチバン簡単なのはバッテリー容量を減らすことだ。実際、軽量をうたうマシンでは、バッテリー駆動時間が数時間程度のものも多い。んがしかし、dynabook Vのバッテリー駆動時間はなんとJEITA 2.0測定基準で17時間もある。ちなみに、スペックとして公開はしていないが、発表会で実物を見たところ、3セルのリチウムポリマーバッテリーの総容量は3760mAhとけっこう大きい。
設計者によると、部品実装間隔を0.2ミリにまで高密度化したことや、10層のHDI基板の採用により、メイン基板を小型化できたおかげで、バッテリーを予定より多く積むことができたという。
もちろん17時間の実現は、デバイス単位での省電力の実現によるもので、いつも編集部で実施しているBBenchによるテストでも、通常モードで液晶の明るさを最大にしても6時間30分継続動作した。液晶を50%にしたら8時間20分で、当然1日中仕事できるのである。
うっかりさんも安心の急速充電、15分充電で3.5時間駆動
大切な会議やプレゼンに出かける時に、モバイルノートの電源ケーブルが抜けていて、冷や汗をかいたこと、みなさんありますよね? スマホなら、即モバイルバッテリーを接続してそのままカバンに放り込んで出かければいいのだが、PCではそうはいかない。
dynabook Vのバッテリー機能で、長時間駆動とともにありがたいのが急速充電だ。これも、東芝がバッテリーメーカーと協力して独自開発したメソッドで、バッテリーの容量が低い間は、大きな電流を流して急速に充電するのだが、満充電に近づくに従って、電流値を下げてやることで、バッテリー寿命に悪影響を与えないというもの。
PCが電源OFFまたはスリープ状態であれば、15分で3.5時間分、30分で7時間分、60分で11時間分、そして3時間で満タンの17時間分の充電が行われる。ランチを食べている間に11時間分たまれば、午後のお仕事も楽ですよね。
Windows Helloと最新Core iで気持ちよく
dynabook Vはインテルの最新CPUである第7世代Core i(Keby Lake)を搭載している。最上位のV82ではCPUがCore i7-7500Uで、おなじみのベンチマークテストを走らせたところ、CineBench R15のCPUで338、3DMarkのFire Strikeで928、Cloud Gateで6552と、先代のCore i7-6500Uに比べて10~20%上回り、ノート用の通常電圧版として最高のスピードが出た。
薄型モバイルノートにCore i(メインストリームノート用のUプロセッサー)を搭載する場合にうまく設計しないと過熱して速度が出ないという問題が起きる。dynabook Vは従来の底面吸気、背面排気に加えて、本体の右背面からも吸気を行う「W吸気」を実現している。ベンチマークテストのような重いプログラムを走らせると、ファンが回って冷却が始まるのだが、本体が高温になることはなかった。
最上位モデルのV82では、液晶の上部には顔認識のためのカメラユニットが搭載されている。これもオリジナルデバイスを開発したものだ。Windows Helloの認証に適合したユニットとしては、小さくて非常に薄い。照明用のLED2つと、顔認証用の赤外線カメラ、ウェブカメラとマイク2つを内蔵している。
実際に顔を登録して利用してみたが、LEDが赤く点滅するのがなんだかサイバーでカッコイイのである。Surface Bookでも愛用しているが、液晶を開けると同時に認証が開始され、ノータッチでWindowsが開錠されるのはキモチいい。
指紋センサーは全モデルで内蔵しているので、顔登録がキライな人はこちらもログインに使えるが、自分としては顔がオススメである。