東芝のCore i7-6500U搭載「dynabook AZ55/A」を試す
10万円台のi7搭載15.6型ノートのソフトをいじってパフォーマンス向上を目指す
2016年12月05日 18時00分更新
第6世代インテルCoreプロセッサー、Skylake世代の低電力版で「i7-6500U」を搭載する「dynabook AZ55/A」。最新のハイスペックマシンに比べると消費電力が低い分、パフォーマンスは若干落ちてしまう。
どの辺で感じるかというと、マシンの起動時間がややかかるのと、アプリの起動やエクスプローラの操作でマウスクリックに対して反応が遅れる場合がある。特に起動した直後には顕著だ。これは最近のノートマシンの多くはSSDを採用していることがおおく、1TBと大容量とはいえ、HDDの「dynabook AZ55/A」は不利でもある。搭載メモリーは16GBでスペック的に不満は無いが、Windows 10を始めとして最近のソフトはメモリーの要求量が多く、できればもう少し欲しい所だ。
しかし残念なことに「dynabook AZ55/A」では購入時のカスタマイズはできず、基本スペックからの変更はできない。自分で開けてHDDをSSDに換装することも可能だろうが、難易度はかなり高く、専用ソフトやドライバーの問題もあって入れ替える前と同じように動くとは限らない。また保証も効かなくなるので手を出さないほうが無難だろう。
となるとパフォーマンスを上昇するにはハード面ではなく、ソフト面ですることになる。
ソフト面でパフォーマンスを上昇させるのに一番簡単なのは動作の根本にあるWindows 10を軽くすることだろう。今回はWindows 10の設定で軽くできるかどうかを試してみることにした。
Windows 10は華やかなインターフェイスで見た目が良い感じなのだが、当然ながらその分パワーを消費している。ならば必要無い機能や見た目で便利でも無くても構わない機能を止めることで動作を軽くすることができるのではないだろうか。Windos 10に標準で搭載されている機能で、ある程度のカスタマイズはできるので試してみた。
これで全ての視覚効果がオフになった。念のため一度ログオフか、再起動しておいたほうが安心ではある。視覚効果が全てなくなるとどうなるかというとこうなる。
ほかにもマウスオーバーでのヒント表示がなくなると困る場合もあったり、表示フォントがギザギザになったりと見た目的にちょっとな点も出てくる。
が、しかし、これが意外に効果がある。ベンチマークで測定しても数値での差はでないので数値で示せないのがもどかしいが、実際の操作ではいままでよりも反応が確実によくなっているのは体感できる。Windows10の視覚効果はかなり重い処理を行っているのだろう。
マシンを起動した直後にデスクトップが表示されても、準備万端になるわけではなく、その後も見えない部分で色々な処理をしていることが多く、今まではある程度アイドリングの時間が必要だった部分が短縮され、フォルダを開くときなどの操作が早くなったのは確実に感じられた。「AZ55」で一番気になっていたのは反応にワンテンポ遅れる部分で、アプリが起動さえしてしまえば動作にはそれほど問題は無かったのでこの辺の操作系の部分で軽さを感じされるようになったのは大きい。
もう少し何か無いかと考えていたら思い出したのが「仮想メモリ」だ。昔のCで高速化する定番的な存在だったが、最近の十分なメモリを搭載していてSSDを採用しているマシンなら仮想メモリもSSD上に置かれるのでそれほど気にしないでもいいのかもしれないが、HDD搭載のdynabook AZ55/Aでもしかしたら重荷になっているのかもしれない。搭載メモリーが16GBと多少の不安はあるが試しに仮想メモリもオフにしてみた。
仮想メモリをオフにするには先程の「パフォーマンスオプション」の「詳細設定」タブで行なう。
これはかなり的中、仮想メモリオフもかなり効果が出た。あくまでも体感でしかなく、数値で出せないのだが、操作時のもたつき感はかなり改善されている。以前まで3Dのゲームをしているときに若干ひっかかるようなラグを感じることもあったがかなり改善されている。仮想メモリオフでの一番の懸念だったフォトショップも問題なく動作したので、個人的には一安心だ。
仮想メモリの機能に関してはオフでの動作が保証されるものではないので、使っているソフトによっては動かなくなったり不安定になる可能性があるので、もしこれを読んで試して、なにかしらの不具合があったらすぐに戻そう。
「視覚効果」と「仮想メモリ」の2つで操作面でのストレスはかなり減少した。CPUそのものが低消費電力であるためしかたない面もあるが、OSが足枷になっているのもわかった。CPUのクロック数、動作速度は年々早くなってはいるが、OSやアプリの要求するスペックがそれを上回っているのだろう。可能ならWindows7あたりを載せたらもっと快適になるのかもしれない。
ちなみに、「視覚効果」全部オフの状態ではさすがに使いにくい面があって、結局は「ドラッグ中にウインドウの内容を表示する」「プレビューを有効にする」「スクリーンフォントの縁を滑らかにする」の3つにはチェックを入れた。それでも動作速度にストレスが加わった印象は無いので満足して使っている。
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dynabook AZ55/Aの東芝ダイレクト価格(直販価格)は、オフィスなしでは税別17万6000円、オフィス付きモデルは税別19万5000円(2016年12月5日現在)となっている。オフィスの有無以外に差はないので必要な場合には付属モデルを選ぶといいだろう。
また、Room1048会員/東芝ID(無料)に登録していると、なんとオフィスなしモデルで税別9万6000円(2016年12月5日現在)、オフィス有りモデルで税別11万4000円(2016年12月5日現在)になるので、かなりお買い得だ。気になる方は、まずRoom1048会員/東芝IDに登録しておくといい。
主なスペック | ||
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製品名 | dynabook AZ55/A 2016秋 Webモデル | |
価格(税別) | 直販価格17万6000円から(Room1048会員/東芝ID価格9万6000円から、2016年12月5日現在) | |
CPU | Intel Core i7-6500U(2.5GHz) | |
メインメモリー(最大) | 16GB(16GB) PC3L-12800(DDR3L-1600) | |
ディスプレー(最大解像度) | 15.6型 フルHD(1920×1080ドット)、バックライト | |
グラフィックス機能 | NVIDIA GeForce GTX 930M(2GB) | |
ストレージ | 1TB HDD(5400回転、SATA) | |
光学式ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | |
LAN機能 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、有線LAN(1000BASE-T) | |
インターフェース | USB 3.0端子×2、USB 2.0端子×2、HDMI端子、アナログRGB端子、Bluetooth 4.0 | |
カメラ | 92万画素Webカメラ | |
メモリーカードスロット | SD/SDHC/SDXC対応 | |
キーボード | 106キー(テンキー付き)、キーピッチ:19mm、キーストローク:1.5mm | |
サウンド機能 | ステレオスピーカー、マイク・ヘッドホン兼用端子、デュアルマイク | |
セキュリティ | 指紋センサー、TPMセキュリティチップ(TCG Ver2.0準拠)など | |
本体サイズ | 約幅379×奥行き257.9×高さ16.9(最厚部23.9)mm | |
重量 | 約2.4kg | |
バッテリー駆動時間 | 約7時間(JEITA 2.0) | |
OS | Windows 10 Home(64bit) | |
オフィス | なし/Microsoft Office Home & Business Premium プラス Office 365 サービス |