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薄さ15.4mm、17時間駆動、30分で7時間使える急速充電

これはきっと日本だからできた「ウスカル」ノート、新dynabook Vは東芝の技術がてんこ盛りだ!!

2016年12月02日 23時23分更新

文● ASCII編集部

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開発担当の柏木和彦取締役とクライアント設計部の島本肇部長にお話を聞いた

週アス宮野編集長が聞く、最新dynabook Vの魅力

── 製品の計画はいつごろ始めましたか?

柏木 そうですね。話が出たのは……

島本 大体去年の冬、ちょうど1年前ですね。TCS(東芝クライアントソリューション)が発足する以前から、2in1は今後伸びるし、やっていこうという意気込みがありました。デタッチャブルはあっても、コンバーチブルタイプの製品はいままでなかったですから。

柏木 一方でコンセプトを決めるための議論はありました。

島本 画面サイズを含めて、様々な選択がとれますからね。

柏木 最初にこだわったのはコンバーチブルタイプでもきちんとキーボード入力ができるようにするという点です。フルサイズのキーを入れるとなると、キーピッチは19mm、ストロークも1.5mmを確保したい。となると12.5型以上になるはずです。12.5型か13型かという議論があって、モビリティーを優先して12.5型だろうという選択になりました。

編注 今回の製品は、KIRAではなくVシリーズとしてリリースされた。KIRAはディスプレーの画質への高いこだわりがあったが、今回は性能や携帯性に特化し、ヒンジも異なる。しかしながら、今回の製品もKIRAと同じVシリーズの一角を占めている。ハイスペックかつモビリティーの面でも気合が入っている点は間違いがない。

1㎏は切りたかった、しかしそれで犠牲になるものがあるなら意味がない

── 薄さや軽さのターゲットは?

島本 マジックナンバーはやはり1㎏を切ること。そこへのチャレンジはありましたが、タッチパネルを付けたり機能をリッチにすれば難しくなります。とはいえ薄さは1番に追求したいという面があり、なおかつ性能が高いUプロセッサーを入れたかった。PCとして幅広く使おうと思うと、Yプロセッサーでは心もとないと感じたためです。Uプロセッサーで、12.5型のコンバーチブルを作る。これが最初に決まり、それをとにかく薄く、軽くするチャレンジが始まりました。

柏木 島本がいうように1㎏はマジックナンバーです。しかし1㎏を切ろうとすると何かが犠牲になる。今回は17時間のバッテリー寿命を確保しましたが、バッテリー容量を削ってまで軽くすべきかどうかは議論しました。

島本 それだとすぐできちゃうんです。バッテリーを削ったり、マグネシウム合金を薄くしようとかね。しかしこれでは、製品の品位が下がってしまいます。

── 隙間があるならバッテリーを埋めようということですね(笑)

柏木 野球に例えるなら、ホームランだけ70本目指すあり方もあれば、4割の打率を目指す選手もいるでしょう。しかし今回の製品は3割、30本、30盗塁みたいな価値を追求した製品です。打率、ホームラン、盗塁を高い次元で融合させることが狙いでした、薄くするだけならもっとできたし、軽くすることもできた。

島本 できるだけ薄くを狙ったというのもありますが、グローバルで戦っていくことを考えると、Uプロセッサーでどれだけ薄くできるかのチャレンジだと思いました。Uプロセッサーで15.4mmの薄さなら競争力があるという会話を海外のマーケティング担当としました。要望としては16mmをとにかく切ってくれというものでしたが、結果として15.4mmという薄さを実現しました。

── バッテリー寿命に関しても目標はありましたか?

島本 商品企画部からは12時間という数字が提案されました。しかし製品として完成度を詰めていく過程で、より高い水準が実現できた形ですね。いい意味でわれわれの見積もりからはずれました。JEITA 2.0で17時間ですからヘビーに使えば、8時間、9時間となるかもしれません。しかし1日使っても安心な数字が確保できたと思います。今回は基板を小さくして、空いたスペースにとにかくバッテリーを入れてやろうという作戦です。基板を小さくすれば空いたスペースで何かができる。

── 44Whのバッテリーは最初はもっと小さかった?

島本 もともとは40Wh以下を想定していました。基板グループのがんばりの結果ですね。XYのサイズは画面とキーボードでだいたい決まりますから、内部は基板をどれだけ小さくするかがポイントになる。バッテリーはリチウムポリマーとすることでフレキシブルにスペースを使えます。

柏木 基板面積が14%小型化したことがバッテリー寿命にきいてきます。

島本 一方でType-Cコネクターのワンワイヤーにも取り組みました。時期尚早という意見もあったのですが、フラットなデザインを実現するという意味も含めてミニマムな端子に絞り込みました。

── いまどきのノートでType-Cがないと古臭く感じるので正解です。一方でType-Aの端子も備えているから最低限の拡張性は確保できています。

島本 アダプターは全世界共通ですから、メーカーを問わず、どの地域でも利用できるというメリットがあります。

柏木 モバイル系デバイスのひとつの方向感です。

── 一方で取材する際にはSDメモリーカードスロットが欲しいとも思ってしまうのですが。

島本 あの面積がレガシーなんですよね。一方でmicroSDカードでは不要と言われてしまう。Type-Cアダプターであれば何でもさせますのでサードパーティーの周辺機器の増加に期待したいですね。

── 全面マグネシウムでアンテナ部分だけ樹脂ですが、全然わからないですよね。

島本 アンテナの感度を考えると上に置きたい。そこだけ樹脂にして塗装しています。

── 剛性感も大事な要素だと思います。

島本 今回キーボードのフィーリングを高めるために、数十本のネジを使用しています。組み立てでは嫌がられそうですが、そこまでやってでもしっかりとしたフィーリングにはこだわりたかったのです。ふわふわと上下に動く、トランポリンをいかにしてなくすかです。今回0.2mmのへこみやバックライトもあり、キーボード自体は厚めなのですが、チャレンジしています。

柏木 ストロークを確保し、キートップにも配慮して、さらにこの薄さを目指すという苦労がありました。

── 30分で7時間という急速充電もビックリですね。

柏木 電流の供給量を通常の120%に増加させて時間を短縮しています。

島本 バッテリーメーカーと一緒でないとできない部分です。バッテリーがすぐへたらないように、バッテリーの特性を加味して調整する地道な作業が必要です。

── 充電器は東芝製でなくても大丈夫ですか?

島本 はい。本体内部の電源回路側で、電流をコントロールしているのでクイックチャージ自体は一定のワット数が確保できていれば、他社のACアダプターでも問題なく利用できます。

柏木 急速充電でも従来と同じサイクル寿命を保証していますが、グラフで見ると急激に電流を流して最後の最後でくっと量を絞るのが大事なのです。最後を優しくすることでバッテリーのサイクル寿命を長くできます。

── 大型のごついパソコンでしか利用できないと思っていたWindows Helloの顔認識にも対応するなど、魅力はまだまだありますね。ありがとうございました。

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