速度は遅いがちょっと安い!? IIJmioのauネットワーク版をZenFone 3で試す
2016年12月01日 12時00分更新
格安SIMといえばドコモのネットワークのものが大半で、auネットワークのものは少数派。その少数派に新たに強力な仲間が加わった。
IIJmioにauネットワークのタイプが登場したのだ。そこで今回、IIJmioのタイプAに実際に加入して使い心地を試してみた。
もう終了か!? と思われたauネットワークの格安SIM
auのネットワークを使った格安SIMは、2014年にmineoが初めて個人向けに展開したものの、価格競争真っ最中だったドコモネットワークの格安SIMとくらべて微妙に高い料金、データ専用のタイプでも短期解約は違約金が設定されるなど(その後撤廃)、単純比較では微妙なところからスタートした。
それでも、当時はLTEのエリアの充実度などからauネットワークの有利さがあったほか、再三この連載でも語っているように、auの中古端末の相場の安さ、格安SIMでもテザリングができることなどのメリットがあり、筆者をはじめ支持している人はいた。
その後、いろいろ便利になるようサービスは変化したが、反対に不便な点が出てきた。auのVoLTE対応端末では、auネットワークの格安SIMであってもSIMロック解除をしなくては使えなくなった。
auネットワークだけだったmineoもドコモネットワークのプランを用意するなど、もはやauネットワークの格安SIMはこれまでか? という状況になった今、逆にauネットワークを使うプランで登場したのが格安SIM界の2大キャリア、IIJmioだ。
IIJmioは以前からauネットワークで格安SIMを使うための設定などを研究発表していたので、もしかしたら……と思っていたところ、いよいよの登場となった。
パッケージですぐ買えて、すぐ使える!
ということで前置きが長くなったが、auネットワークを使用するIIJmioのタイプAに加入するにあたり、カメラ量販店で販売されるパッケージを購入してきた。
パッケージは音声かデータ専用の2種類。auネットワークの格安SIMの特徴として、データ専用タイプでもSMSが標準機能で、月間3GBの容量なら900円で利用できる。パッケージはピンク色で、ひと目でドコモネットワークのものとは区別できる。
SIMのサイズは共用タイプで、切り取り方で3種類のSIMサイズいずれにも対応する。ただし、microSIMや標準SIM(miniSIM)として使いたい場合は、台紙からSIMをはがすときに間違ってnanoSIMとして切り離してしまわないように注意が必要だ。
クレジットカードがあればすぐ契約できるほか、すでにIIJmioの回線があり、mioIDがあれば、mioIDのIDとパスワードがあれば購入したSIMの番号とコードを登録するだけですぐに利用開始となる。
使える機種は結構制限される
さて、IIJmioの対応表でもau機はVoLTE対応機種のみが書いてあり、いずれもSIMロック解除が必要とされている。VoLTE対応よりも前の機種ならそのまま使えたmineoとは少し事情が異なる。
したがって、使える機種は(auネットワークに対応した)一部のSIMロックフリー機、SIMロック解除したau機、SIMロック解除したドコモ、ソフトバンクのiPhoneということになる。
使える機種としては非常に限られたものになるという印象だ。試しにVoLTE対応よりも前の「Xperia Z3」(SOL26)にIIJmioのSIMを挿入してみたが、SIMロックと同様の挙動を示した。mineoのauネットワークのSIMは使えたのだが、マルチサイズのSIMを採用したIIJmioのほうはSIMの種類が違うようで、使えない。
ということで、対応機種には注意してもらいたい。auのスマートフォンを持っていてもそのままでは使えない。特にSIMロック解除に非対応の機種は、どうやっても使えないことになる。
一方のSIMフリー機だが、au対応をうたっている機種がいいだろう。auの800MHz帯は「バンド18」。これに対応する機種は少なく、最近の注目機種ではASUSの「ZenFone 3」シリーズ(とiPhone)くらいしかない。やはり限られた機種向けのSIMと考えたほうがよいだろう。

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