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グラフィックデザインに学ぶ、古くて新しいタイポグラフィ表現7つのアイデア

2016年11月15日 23時00分更新

文●workerbee

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既存フォントをIllustratorで加工するのも楽しいけれど、ときにはグラフィックデザインの楽しさを思い出してみませんか?

優れたタイポグラフィを作ろうとすると大変な作業になりますが、デザイナーはその中でも楽しむことを忘れてはいけません。細かいフォントやタイポグラフィの文字を作っていると、あまりにも緻密な作業で肩がこってくることもありますが、この記事をきっかけに、より表現力豊かで遊び心のあるタイポグラフィを作る喜びを見つけてもらいたいと思います。

もちろんこのアプローチは子供向けのデザインプロジェクトにも最適ですが、制限しすぎないようにしましょう。コーヒーショップやアイスクリーム屋、すべてのロゴに必ずしも高級感は必要はないのですから。さっそく、タイポグラフィの作成方法に入ります。少し羽目を外してみましょう!

この記事では、遊び心のある楽しいタイポグラフィの例にスポットライトをあてて、どのような仕事をしていて、楽しむかを紹介します。

1.手書きのタイポグラフィ

最近ではデザイン作業のほとんどにコンピューターを使っています。デザインは大抵「完全」で、小さな欠陥でもなくなるまで慎重に熟考されたものです。しかし、コンピューターがなかった時代のことを忘れていませんか?

そうです。昔のグラフィックデザイナーは手作業をためらわないどころか、ワークフローは100%アナログでした。そのため、多くのデザイナーがすばらしい手作りの技術を身につけていました。

史上もっとも有名なグラフィックデザイナー、Paul Rand(ポール・ランド)のWebサイトを見てください。写真はRandが玩具会社Colorformsの依頼で作成した完全に手作りのデザインです。斜めの「C」が明るいピンクボックスでくり抜かれ、心温まる手書きの筆記体が続く「Colorforms」のロゴは、すべてに手作り感にあふれた不揃いなものです。このデザインは全部、はさみと紙で作られたんですよ!

コンピューターでは遊び心をうまく表現できないと思うのは早合点です。しかしPaul Randのように、手作りで表現するのに比べると、コンピューターではやりにくいのは確かです。このことに心に留めておいて、次の例では、手作りの要素をデジタルワークフローに取り入れる方法を考えてみます。

2. 具象的なタイポグラフィ

representational playful typography

タイポグラフィの文字はフォントファイルにあるものだけではありません。今日の異彩を放つたくさんのデザインが、描画や、走り書き、落書きで表現されたタイポグラフィックの文字で登場しています。

ラインを面白いコンセプトで操る達人といえば福田繁雄。上の例ではシンプルに表現された太陽の後ろから電気コードが伸びてきて、曲がりくねった陽気なイメージで「The Sun」と描かれています。

イラストやドローイングでこんな陽気なタイポグラフィが作れるなんてすごいですね! 野菜のイラストを使ってたとえば「health」と描くアイデアはどうですか。あるいは、溶けはじめている氷のイラストの外で「summer」などの言葉を表現してみてください。

遊びの感覚が大事ですよ!

3. 概念で遊ぶ

なにか楽しいものを作りたいなら、ときには作成段階に、特別楽しいことを取り入れてみましょう。コンピューターから離れて、実際に手を汚してみましょう。

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働くんじゃなくて遊ぼう(出典:Liam Thinks

この2つの例は、ドイツを拠点とするデザイナー、Max KuwertzとYanik Balzerの作品です。

左の作品は、たくさんの色鉛筆が天井に向かって投げられているように見えます。仕事をさぼっているときする典型的なことですね。鉛筆で、フォントではないスタイルで「We Don’t Work We Play」とユーモラスにつづっています。

右の例も同様に、何百本ものマッチ棒をおいて、そのうちの一部を燃やしています。火遊びは楽しいですよね! 上のどちらのイメージも、陽気で楽しいタイポグラフィの好例です。

4. タイポグラフィで体現する

シンプルで、かわいらしく、楽しくて、突飛な表現で、想像できるすべてを体現することが、長年にわたってロゴのトレンドになっています。動物や自然を題材にしたものはよく見かけますが、別の陽気で楽しい体現方法がタイポグラフィにあります!

playful typography for a logo

Ji Leeのイメージで捉えたワード

Ji Leeの作品例では、「X」は「I」で描くドアを通って走っている人をイメージしています。このタイポグラフィの文字の「足」は、楽しい気持ちを演出して、単純で曲がっていますね。「X」はまるでなにかから逃げているようで漫画的です。笑ってしまいますね!

5. 迷ったらイラストを使う

活字は楽しさを演出するには十分でないこともあります。そんなときは手書きのイラストの出番です。多くの場合、タイポグラフィのコンセプトが強すぎるときに、イラストを少し加えます。

ちょっと物足りないタイポグラフィがイラストを取り入れると、どのように楽しいものに変わるか見てみましょう。

illustrated playful typography

Ello Mate! と Steven Wright ( 出典:Behance)

上の2つの例は太字で強気な活字が特徴的です。活字だけをみると怒っている感じ、あるいはただ退屈な感じを受けますが、イラストがあることで、面白みのある作品になっています。

左の作品は自転車に乗っている小さな女の子が「どこに行くか見て!」と叫んでいると思うと楽しいですよね。同様に右の作品は、おんどりが「自業自得だ!」と声を張り上げているというアイデアで、本当に遊び心があります。

この例で学べることは、活字を陽気で楽しくするにはイラストが使える!ということです。

6. 完璧すぎるとつまらない

正直なところ、多くの人は完璧すぎるものに共感しません。人間は完璧ではないからです。とっても気まぐれで、ときにはもがき苦しみ、好みもバラバラなのが人間なのです。ねじれていたり、ゆがんでいたり、風変わりなタイポグラフィに人びとは共感できるのです! 目新しい不完全なタイポグラフィで自分を表現することに怖気づかないでください。

不完全なタイポグラフィの好例はTower Block Booksの作品です。The Big Letter Huntのカバーは楽しく遊び心あふれる不完全なカスタムタイポグラフィが特徴的です。対称的であったり、平行、一直線な部分は一切ありません。それぞれの文字は曲がりくねっていて個性的です。まるで私たちが独自性にあふれているようですね。

7. 遊びには引力がある

遊ぶと地球に引力があるのを感じます。動いたり、ジャンプしたり、回転したりすると引力の影響を受けるということです。これを頭に入れて意図的に「引力の感覚」をデザインにすると、元気で楽しい直感を表現できます。

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出典:Paul Rand

突き詰めていくと、遊びの達人Paul Randに行きつきます。上の例では、引力を使った遊び心を見事に引き出しています。

左の作品は、「紙吹雪」を見立てた四角のピースが上から落ちてくることで、引力を感じられます。タイポグラフィではまったく遊んでいませんが、自然の自由な紙吹雪をひきたてていて、美的にバランスがとれています。

一方右の例では、タイポグラフィは引力によって回転しているオブジェクトの上で「がらがら音を立てて」いるように感じます。デザインにある「spin(回転)」という単語にも合っています!

全般的に、例の引力の感覚は楽しさを感じられるものになっています。

最後に

遊び心あるタイポグラフィを使った表現方法には、手書きのデザイン、描画を使う、漫画的なコンセプトを考える、楽しいイラストを重ねる、はたまた引力を取り込むなど、さまざまな方法がたくさんあります。こうしたアイデアを参考に、今後の仕事で、陽気で楽しいタイポグラフィが作れるようぜひ試してみてくださいね!

(原文:How to Create More Fun, Playful Typography

[翻訳:和田麻紀子/編集:Livit

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