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自分で学び、ロンドン地下鉄の最短経路を探り、家系図の質問に答え、パズルも解ける

グーグルDeepMind、次世代人工知能技術「ディファレンシャブル・ニューラル・コンピューター」を発表

2016年10月14日 18時43分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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ディファレンシャブル・ニューラル・コンピューターのイメージ

 ディープマインド(DeepMind)は10月12日、次世代の人工知能技術として「ディファレンシャブル・ニューラル・コンピューター(Differentiable Neural Computers:DNC)」を発表した。

 ディープマインドは人工知能AlphaGoによって囲碁世界チャンピオンを打ち負かしたことが記憶に新しいグーグルのAI研究チーム。近年ではコンピューター・ゲームのルールを自分で学びクリアする「DQN(Deep Q-Network)」を発表している。新AI技術のDNC(機械式計算機として名高いバベッジのディファレンシャル・エンジンを連想させる名前)は、DQNの技術を更に進化させたアーキテクチャを採用し、既存ディープラーニングよりも学習精度や汎用性が高いAI技術のようだ。

DNCの模式図。ニューラルネット外部にメモリーを配置し、メモリー内のデータはダイナミックに入れ替えられる 

 ニューラルネットは、知識(データ)階層の上に結びつきを示すニューラルネット階層を構築し、繰り返し学習によってネットの接続を強化する。DNCではニューラルネットに加えて、ニューラルネット外部に置かれるメモリーのデータをダイナミックに並び変えるハイブリッドなしくみを採用。データとニューラルネットが密接に結びついた従来の構造に比べて複雑なデータを柔軟に扱えるため汎用性が高く、学習による精度向上も大きいという。

London Underground(ロンドンの地下鉄)の路線マップから最短または最小乗り換え経路を探索する 

 DNCでは、ロンドンの地下鉄路線マップからA駅からB駅の最短経路や最小乗り換え経路を導き出すこともできれば、家系図から「誰が誰の母方の叔父か?」といった質問も答えられ、パズルを解くこともできる(いずれも繰り返して学習することで精度を高める)。DNCではそれぞれのタスクに対するプログラムをあらかじめ組むことなしに、自ら課題から解を見つけ出し、従来型ニューラルネットよりも同じ学習回数で得られる精度も高いという(データの集まりから自分で課題の解を発見する手法はDQNで試みられたゲームのルールを見つけ出す手法と同種と考えられる)。

「誰と誰は夫婦」、「誰は誰の子ども」といった情報から家系図を自分で構築して叔父/姪といった質問に答えることができる 

 商用ベースでの展開は現在とくにアナウンスされていないが、プログラムなしで様々な課題に適応する汎用性のあるAI技術は今後重要となることは間違いないと思われる。さらにディープマインドでは、DNCの技術は従来のニューラルネット技術以上に人の脳が格納した情報を元にさまざまな判断を下す情報処理に近いものであり、今後の認知科学分野にも新たな知見をもたらすとしている。

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