もうBluetoothでもいいじゃん
特にイヤフォンの有線接続にはこだわらない、しかし給電は必要という場合は、Bluetoothイヤフォンを使って、空いたLightning端子にモバイルバッテリーをつなぐのがスタンダードになるのでしょう。
これも少し前までなら「音声の遅延があるBluetoothはゲームや動画には向かない」と、決まり文句のように書いてきたものですが、iPhone 7登場を意識して発売された1MOREのBluetoothイヤホン「iBFree」は、その遅延がほとんど気になりませんでした。
iPhoneに商品性がある限り、こうやってサードパーティーが解決策を出して穴を埋めてくるわけです。遅延に関しては他社もキャッチアップしてくるでしょうから、徐々にBluetoothイヤフォンの選択肢も広がってくるでしょう。
ついでに言えば先月末に、USBインプリメンターズ・フォーラムが「USB Audio over USB Type-C」の標準化を発表しています。USB-Cでオーディオを扱うならこれに準拠しろということですが、これを契機にモバイル機器のオーディオ接続はUSB-Cで、という動きになってくるかもしれません。つまりiPhone 7でLightningイヤフォンが登場したように、USB-Cイヤフォンも当たり前になるという可能性です。
かねてからEUではモバイル機器の充電にUSB-Cを使えというお達しがあり、Lightningが規格としていつまで続くのか、そちらも気にしなければならない状況です。ああもう、有線接続はいろいろあって面倒くさい。お金もかけたくない。ならば、ここはとりあえずBluetoothで簡単に済ませておくという選択はアリかもしれません。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ