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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第130回

iPhone 7 Plusでバークレーをフォトウォーク

2016年09月13日 19時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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ジェットブラックのiPhone 7とブラックのiPhone 7 Plusを一足先にレビューしています

 先週の7日に、AppleはiPhone 7、iPhone 7 Plus、Apple Watch Series 2といった主要製品ラインアップを刷新し、またイヤホンマイク端子がなくなったiPhone 7シリーズのために、新たなワイヤレスヘッドフォン、AirPodsをリリースしました。

 先行して各製品をレビューさせていただいていますが、AirPodsの快適さは、もう手放せなくなる、イチオシのアクセサリです。ケースを開けばすぐにペアリングされ、iPhoneでペアリングすればiPadやApple Watchにはすでにその情報が共有され、耳につけっぱなしで接続先を変えられます。いまも含めて、つけっぱなしです、つけっぱなし。

AirPodsはすでに手放せない状態です

 本稿のタイトルに反して、軽く2000文字くらい、その良さを語りたくなってしまいそうですので、このあたりでやめておきますが、いままでBluetoothヘッドフォンに接続や充電のわずらわしさを感じていたとすれば、AirPodsは「Bluetoothは面倒」という概念が存在していたことすら忘れさせてくれるでしょう。

 さて、本題に入る前に、Appleイベントの振り返りをもう少し。

 ステージは非常に聴衆を楽しませるものでした。冒頭のCarpool Karaokeは、7月にApple Musicが放映権を取得した米国で人気のコーナー。ミッシェル・オバマ夫人を初めとする名だたるセレブがクルマの中で熱唱し、そのアーティストや曲の再生回数がうなぎ登りになる、まさにApple Musicとの相性ばっちりの番組です。

 また、iPhone/iPad向けのマリオアナウンスから、任天堂での宮本茂さんが登場したときが、今回のイベントのクライマックスでした。米国では「マリオ、ゼルダ、ドンキーコングの父」として、ゲーム界のジョブズとまで尊敬を集める人物で、Appleの役員もサインを求めたそうです。

 そして日本の人にとっては、Apple Pay導入が理想通りの形でもたらされたことも、印象深かったはずです。日本で発売されるiPhone 7/iPhone 7 Plus、Apple Watch Series 2にFeliCaを搭載し、Suicaが利用できるようになる点は、iPhoneが人気の日本市場の期待にこたえる、Appleの日本市場への更なる期待の表れでしょう。

デザイン的に最も惹かれるのは
7 Plusではなく、iPhone 7のジェットブラック

 筆者はiPhone 6シリーズ以来、5.5インチモデルを使ってきました。そのため今回も、iPhone 7 Plus以外の選択肢を想定していませんでした。

iPhone 7 PlusでジェットブラックのiPhone 7を撮りました

 実物に触れ、レビューしても、その考えは変わりませんが、1点、ぐらりと揺れたのは、ジェットブラックのiPhone 7のデザインが放つとてつもない魅力に触れたからでした。

 iPhone 7 Plusには後に述べるとおり、カメラが2つ搭載され、2倍の望遠にワンタップで切り替えられます。一方iPhone 7は、35mm換算で28mm相当/F値1.8の光学式手ぶれ補正付きレンズを搭載します。

 iPhone 6sに比べて開口部がより大きくなりましたが、そのレンズ部分は真円のままです。iPhone 7 Plusはデュアルレンズであるため、カメラ部分が横に伸びた楕円になっているのです。

デュアルレンズによりカメラ部分は楕円です

 この2つのカメラ部分を見比べると、やはりiPhone 7の方が、均整の取れた美しさを感じることができます。もちろんiPhone 7 Plusにもジェットブラックは用意されていますが、同じジェットブラックでも、iPhone 7のほうが美しいと感じました。

 それでもデュアルカメラの楽しさが勝るので、iPhone 7 Plusを選択しますが、カメラの魅力が弱ければ、サイズダウンしてでも、ジェットブラックのiPhone 7を選んでいたでしょう。

ホームボタンも変更されています

 確かに驚くほどの美しい表面は傷つきやすそうで、ケースを使うと生で触れるチャンスは減ってしまうでしょうが……。

ミラーレス一眼に、明るい単焦点レンズを2つつけた感覚

 さて、iPhone 7 Plusのカメラの話。

 前述の通り広角カメラは28mm相当/F値1.8というプロファイルです。これの2倍となるため、望遠レンズは56mm相当/F値2.8のレンズ、ということになります。いずれのレンズにも1200万画素手ぶれ補正付きのレンズが組み合わせられます。

 カメラアプリでは、プレビュー画面を指でピンチするとズームを変えられる仕組みでした。iPhone 7でも同様です。しかしiPhone 7 Plusでは、シャッターボタンのすぐ上にズームボタンがあり、「1x」のボタンを押すと「2x」、つまり望遠に切り替わったプレビューとなります。

撮影画面の下部にある「1x」をタップすると、すぐに2倍ズームに切り替わります

そのままスライドするとデジタルズームに

 またこのズームボタンをスライドさせることで、1xから静止画で10x、LivePhotosで6.7x、ビデオ撮影で6xまで、ズームを操作することができます。片手でズーム操作が可能で、ビデオ撮影中も操作でき、iPhoneのカメラの使い勝手が一段と良くなった印象です。

 望遠レンズは、広角よりも明るさでは劣りますが、F値2.8ならば十分明るい部類です。望遠はポートレートに最適で、マクロとまでは言いませんが、より被写体に近づいて大きく映し出す効果もあります。

 iPhone 7 Plusのカメラは、いわば、広角と中望遠の単焦点レンズを、ボタン1つで付け替えられるような感覚。というと、少しでも一眼レフやミラーレスを触ったことがある人なら、その楽しさがわかるかもしれません。ワンタップでまったく違った世界の切り取り方ができるのです。

 もちろんアプリやフィルターなどはスマホらしい作品作りに欠かせません。iPhone 7 Plusの2つのレンズにAPIからアクセスすることで、写真系アプリの飛躍的な進歩も近い将来起きるでしょう。

 しかし、iPhone 7 Plusのカメラは、より写真を撮る楽しみの原体験に近いと思います。これまでのスマートフォンのカメラの中で、写真体験としては、最もクリエイティビティを刺激する、といっても過言ではありません。

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