みさんこんにちは。ブループリントの山口です。
いよいよプレイステーションが発表している、家庭用VR※「PlayStation VR」の発売まで1か月を切りました。これまで、『VR元年に注目したい4つのプラットフォーム、3つのイベント』、『アツすぎるVR市場 いまから狙うならどのゲームプラットホームがいい? 』の2回に渡ってVRに注目した記事を書いきましたが、「PlayStation VR」の発売に合わせた期待と盛り上がりはゲーム業界以外でも見られます。
※「VR」とは「Virtual Reality(バーチャル・リアリティ)」の略式名称。 現実ではないが現実のように感じられる世界(仮想現実)を作り出す技術の総称
VRにもさまざまな種類がありますが、その中でもスマートフォンを専用ゴーグルに装着してバーチャル体験をするものは、家庭用VRとしてライトユーザーへの普及に期待が寄せられています。そこで、今回はVRと切っても切れない関係である、スマートフォンにフォーカスし、通信キャリア別のVR業界への参入動向をまとめてみます。
スマートフォンを使用するVR機器は新作も登場!
Gear VR
初の一般向けVRとして2015年12月18日に発売されたサムスンのスマートフォンGalaxy S6を装着してVRが楽しめるGear VR。サムスンとOculusが共同で開発をしたもので、唯一スマホ向けVRアプリの公式ストア「Oculus Home」があります。以前の記事で紹介したVR専用端末との一番の違いは、PCやゲーム機と接続しなくてもスマートフォンを装着するだけで手軽にVR体験できるところです。
使い方もシンプルで、側面に設置されたタッチパッドで音量調節と操作をします。価格も1万4900円とかなりお手頃で、難しい設置などの必要もないので、制度の高いVRの中では一番手に入れやすいかもしれません。
Google cardboard
Amazonで1000円ほどで購入できてしまうGoogle cardboardは、簡易スコープにスマートフォンを設置するだけという簡易VRです。Google Cardboard公式アプリで4種類の体験ができます。
こんな簡単な造りでも、自分の向いた方向に追従する、360度立体映像の体験ができるので、手軽にVR体験したい方にとってもお勧めです。Googleから設計図も公開されているので、子供たちが長期休みの自由研究で作るのもいい経験になるかもしれません。
MilboxTouch
MilboxTouchはタッチユーザーインターフェース搭載のダンボール製VRゴーグルです。ゴーグル内のスマートフォンを、タップやスクロール、スワイプといったさまざまな入力操作ができます。
ブループリントも、MilboxTouchに対応した3Dシューティングゲーム『Motivator(モチベーター)』を7月14日から配信していますので、ぜひ体験してみてください(App Store / Google Playストア)。
コンテンツ拡充から企業買収まで―通信キャリア3社の動向
スマートフォンと簡単な装備があれば、気軽にVR体験ができる時代になっています。ではさっそく、各キャリアがどのようにVRと向き合っているのか動向を紹介しましょう。
NTTドコモ
NTTドコモ(以下ドコモ)は2016年5月に印象的なキャンペーンを打ち出して話題となりました。その内容はGalaxyS7edgeSC-02Hを予約購入すると、GearVRがもらえるというキャンペーンです。GearVRはサムスンとOculusが共同開発したVRヘッドセットなので、サムスンのギャラクシーシリーズを主力商品として販売しているドコモならではキャンペーンだったのではないでしょうか。
さらにドコモでは、VRのエンターテインメント領域にも参入しています。2016年7月29日の発表で、ドコモが運営している動画配信サービス「dTV」にてエイベックス通信放送とタッグを組み、オリジナルVR映像などの360度映像を視聴できる「dTV VR」という専用アプリをリリースしています(dTVからVR視聴専用アプリ「dTV VR」リリース オリジナルVRコンテンツ多数 | ASCII.jp)。
既にオリジナルVR映像を3つ公開しており、DJ KOOとCYBERJAPAN DANCERSが登場する「VR ANTHEM」、まこみな出演の「VR ANTHEM(Puri ver.)」、リーマンマイク×CYBERJAPAN DANCERSによる「渋谷合コンの歌~#すっごいよっ-体感~」が注目を浴びています。さらに、2016年8月27~28日に開催した「a-nation stadium fes. powered by dTV」も360度映像としてライブVR配信をしていて、エンターテイメント分野におけるVRを活用した取り組みへの本気度がうかがえます。
Softbank
Softbankは2016年7月に、米国のVR映像のライブストリーミング配信に特化した技術を持つ企業NextVR, Inc.へ8000万ドルという巨額の出資をしたと発表しています。その他にも2016年6月には社内に「VR事業推進室」を新設するなど、VR業界には大きな期待を寄せているようすです(プレスリリース)。
さらに、福岡県の一部ソフトバンク取扱店では、「Xperia X Performance」「AQUOS Xx3」「DIGNO F」3機種の発売キャンペーンとして、ソフトバンクホークス選手の練習風景、試合後の勝利の花火などをVR映像で楽しめるイベントを8月31日まで開催するなどVRを使った話題作りにも力を入れています。
KDDI
KDDIは国内のキャリアでは最も早く、VRに積極的な展開を進めると発表した企業です。新宿のauショップでは2016年6月に期間限定でHTC Viveを使ったデモの体験会を実施。各地での体験会も随時開催していくようすです。
また、通信キャリアとしてVR業界が「顧客体験価値を向上させる次世代コミュニケーション」を提供する必要コンテンツと考えていることを正式発表。さらに、2016年5月には同社のベンチャーキャピタル「KDDI Open Innovation Fund」から、ハコスコへ出資したことも発表しています。
このように、3社ともVR業界への期待値が高く、今後の動きには非常に期待できそうです。VRと言っても、ゲーム、エンターテイメント、医療、教育などなど様々な分野での活用が見込まれる中で、通信キャリアという業界がどのようにVRを使ったコミュニケーションを開発し、提供していくのかとても楽しみです。
(記事提供:D2Cスマイル)