Facebookの利用者は莫大な数にのぼります。国家でたとえれば人口11億3000万人、中国、インドに次いで3番目に人口の多い国になり、Facebookは現代生活にほぼ欠かせない存在になっています。インターネットユーザーの71%がアカウントをもち、消費者の72%がソーシャルメディアでブランドをチェックしています。おそらく一番見逃せない点は、ミレニアム世代のほとんどがビジネスをしているのであればFacebookページがあるのが当然だと考えていることです。
ということはつまり、もしFacebookページを持たずにビジネスをしているのなら、始めるべきだということです。
しかしFacebookを最大限に活用できているかはどのように確認すればよいでしょうか。Facebookインサイトを使って、リーチとエンゲージメントの動向を把握する必要があります。本記事ではFacebookインサイトとはなにか、その使い方、重要用語も合わせて解説し、ビジネスにおけるメリットと、おそらく多くの人が知らないとっておきの機能をいくつか紹介していきます。
重要用語
はじめに、あとで混乱しないようにFacebookインサイトの用語をおえておきます。
リーチとインプレッション
- 合計リーチ:自分の投稿を閲覧した人の合計人数。ニュースフィードや、「いいね!」、コメント、シェア経由でページを訪問して投稿を閲覧した人を含む
- インプレッション:自分の投稿が誰かの画面に表示された回数。1人が複数回投稿を閲覧できる点でリーチと異なる
- ファン:自分のページに「いいね!」をしている人
- ページビュー:自分のページが閲覧された回数。ページを閲覧した合計人数ではなく、インプレッションのように1人が複数回ページを閲覧してもカウント
- ソース:自分のページに来たユーザーはどこから来たのか
エンゲージメント
- 「つながり」を持とうとした人(Post Engagements):投稿に「いいね!」、クリック、コメント、またはシェアしたユニークユーザー数
- 投稿クリック数:投稿がクリックされた合計回数
- ページへの「いいね!」:指定期間にページについた「いいね!」の回数
- ページでのアクション:基本データやCTA(Call To Action)ボタンがクリックされた合計回数
- 非表示:ニュースフィードで投稿を非表示にした人数
- スパムの報告:投稿がFacebookユーザーからスパムとして報告された回数
- 「いいね!」の取り消し:以前「いいね!」をした人が取り消した回数
備考:Facebookは広告とオーガニック検索からのトラフィックがあり、双方の指標で出所が広告かオーガニックかの内訳がわかります。その識別について話すと長くなるのでここでは割愛します。
使ってみよう
最初にすべきことは、ビジネスアカウントを作成したあと30人から「いいね!」を獲得することです。これより少ないとFacebookインサイトは利用できません。この出発点は知り合いに自分のページに「いいね!」を押してもらえるよう頼めば到達可能なレベルです。もし頼むのが難しければFacebook上のプロモーションを購入します。「いいね!」が30人に達したら、ビジネスアカウントの上にある「インサイト」タブをクリックして、ダッシュボードにアクセスします。
中央に最近7日間のエンゲージメントの概要が表示されます(当日や前日、先週、先月など表示期間を変えられます)。ページでの合計アクション数、ページビュー、ページへの「いいね!」、リーチした人の数、投稿のエンゲージメント、動画の合計再生数(ここでは少なくとも3秒再生した場合にカウント)を示すグラフがあります。用語の意味が分からなくても心配いりません。あとで解説します。
以下のアウトラインは直近の5投稿のデータの一部から得られるものです。オーディエンス全体のエンゲージメントに関しては、とてもよく活用できるとは言えませんが、キャンペーンの真っ最中なら、このデータは参考になります。
- 公開日時
- タイプ(動画、リンク、画像)
- ターゲット設定
- リーチ
- 合計エンゲージメント(クリック、「いいね!」、シェアなど)
Twitterのダッシュボードのように、有益なデータを読み取るには少し掘り下げる必要があります。
いいね!
ページへの「いいね!」の増減の推移とその出所を見るには、「いいね!」ページを確認します。ここにあるグラフはとても利用価値の高いツールです。インタラクティブなので表示したい時間帯をハイライトでき、「いいね!」の出所の内訳もわかります。
「いいね!」の出所は自分のページと投稿、運用している有料広告、Facebookの検索結果、FacebookとそのAPIがユーザーに勧めたページです。「いいね!の出所」から「いいね!取り消しの場所」に表示を切り替えられます。
リーチ
「リーチ」では、ユーザーがどのようにして投稿にたどり着いたか分かります。上部の「投稿のリーチ」のグラフはオーガニックキャンペーンと平行してPPCキャンペーンを展開している場合は役立ちます。広告とオーガニック投稿のどちらのリーチが高いですか。オーガニックリーチに比べ、有料キャンペーンでのリーチが圧倒的に高くなっていない場合は再考すべきです。グラフをクリックかドラッグして、時間帯による投稿のリーチの推移を見ます。リンク投稿、画像、動画で、よりたくさんのユーザーがリーチしているでしょうか。
リアクションのグラフも同様に活用します。クリックかドラッグして、ある1日、または2日間に公開された投稿を見ます。どちらのエンゲージメントが高いでしょうか。エンゲージメントとリーチは正のフィードバック・ループになります。つまりエンゲージメントは投稿のリーチを拡大し、それにより交流できるユーザーがさらに多くなります。目標とするリーチ数に届かない場合は、オーディエンスのリーチに結び付くように、有料の「ブースト」を使うかどうかを検討します。
ページでのアクション
ユーザーはどのようにFacebookページで交流しているのでしょうか。道順表示のクリック、電話番号のクリック、Webサイトのクリック、CTAのクリックなど、どのアクションが実行されているのかを把握します。さらにアクションをしたユーザーの年齢、性別、位置情報、使用デバイスもそれぞれ確認できます。
投稿
先ほどのリーチの説明で、どの投稿タイプがもっともエンゲージメントが高く、どれがもっとも幅広くリーチしているか分析する方法について簡単に触れましたが、「投稿」ではさらにずっと簡単に把握できます。「投稿」にはFacebookインサイトで分かる一般的にもっとも有益な情報が詰まっています。
グラフの「ファンがオンラインの時間帯」は見てのとおりで、新しいリンク、画像、動画を投稿するのに一番よい時間帯や曜日が分かります。ファンのリーチが最大限になるようにピークの時間を選びます。データは現地時間が基準なので、ほかのタイムゾーンの場合を心配する必要はありません。
「投稿タイプ」タブでは実際にどこで評価されているかが分かります。写真、リンク、ステータスや動画の投稿タイプごとの平均リーチや平均交流度が表示されています。
Facebookの競合相手の動向はすでにフォローしていると思いますが、もしまだならいまから始めます。「競合ページの人気投稿」のタブを使えばちょっとした競合相手のリサーチができます。もっともエンゲージメントが高いのは競合相手のどのような投稿でしょうか。自分よりもずっとエンゲージメントが高い場合は、競合相手の投稿の優れた要素を取り入れてみましょう。
あまり知られていないとっておきの機能
ここまで解説してきた機能はFacebookページを最適化し、リーチとオーディエンスのエンゲージメントを高めるのに大いに役立つはずです。しかし、あとちょっとだけ待ってください。ソーシャルメディアに詳しい人でも知らない、あまり知られていないFacebook機能があるのです。
1つ目はインサイトの一部ではありませんが、ちょっとした貴重なスキルでとても使えます。Facebookページと連携していて、ページへの「いいね!」をしてもらうために、招待メールを送付できます。ビジネスページの「…」ボタンの下の「友達を招待」をクリックして、メールのプラットホームを選び、連絡先を統合します。5000人に達するまですべて無料でできます。
残念ながら、この機能はすべてのFacebookページで利用可能なわけではないことが分かっており、また誰が使えて誰が使えないかについての説明もありません。
大多数のファンと同じタイムゾーンに住んでいない、またはファンが通常の営業時間外にFacebookにアクセスしている場合は、リーチ率とエンゲージメント率を最大化するのはかなり難しいです。それでも最大限に活用するために、マーケティング担当者の多くはサードパーティーのプラットホームを使って、Facebook投稿を予約しています。Facebookの公開ツールを使うと、サードパーティー製のソフトウェアを使用しなくても投稿を予約できます。また投稿の下書きも保存できて、コンテンツ作成の担当者がキャンペーンの担当者と異なる場合は大変便利です。
インサイトの「投稿」の項で競合のリサーチについて軽く触れましたが、Facebookで競合の動向を追うよりもっと良い方法が1つあります。インサイトの概要ページには「競合ページの人気投稿」があります。競合相手、パートナー、ベンダー、または動向を探ってパフォーマンスを比較したいユーザーのページを追加します。自分のページと比べて明らかにエンゲージメントが高いか、投稿数はもっと多いあるいは少ないか、「いいね!」の増減はどうか、といったところに注目します。
もし自分のページより優っていれば、「投稿」エリアに進んで競合相手の成功の秘訣を探ります。こそこそと探ることを気にすることはありません。誰かがページを見ていることは相手にも分かりますが、それが誰かまでは分かりませんから。
最後に
私生活ではFacebookをあまり利用しなくても、ビジネスでは必要になってきます。しかし、特にオンラインビジネスであればただページがあれば良いというわけではありません。幸いにもFacebookインサイトを利用すればFacebookコンテンツのテスト、追跡、最適化をして、オーディエンスのエンゲージメントを最大にする最適な時間と投稿タイプを把握できます。これは売り上げを伸ばす上で非常に重要です。
※本記事はWooRankのSEOシリーズの1つです。SitePointでの記事公開に協力してくれたパートナーへのサポートに感謝します。
(原文:An Introduction to Facebook Insights)
[翻訳:和田麻紀子/編集:Livit]
Image:JaysonPhotography / Shutterstock.com