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Macはもう不要!? - "UNIX使い"狙い撃ちの「Windows Subsystem for Linux」を検証する(後編)

2016年09月05日 10時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu)、編集●ハイサイ比嘉

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パッケージのインストールは「apt-get」(apt)コマンド

 日本語テキストを扱うために、Ubuntu On Windows側でパッケージをいくつか入手しておきたい。その筆頭格が多言語対応のページャ「lv」で、UTF-8はもちろんShift_JIS(シフトJIS)やEUC-JP(日本語EUC)など、日本語テキストファイルの文字符号化方式を自動判別したうえで表示してくれる。

 パッケージのインストールには「apt-get」(または「apt」)コマンドを利用する。念のためこのコマンドについて説明しておくと、パッケージ名を指定するだけで世界各地に設置されたUbuntuのファイル置き場(リポジトリ)からダウンロード&インストールしてくれるというもので、Ubuntuユーザーの必携ツールだ(「AptGet/Howto」などを参照)。これを「sudo apt-get install パッケージ名」などと、sudoコマンドと組み合わせ管理者権限で実行すれば、Ubuntu On Windowsの領域にインストールしてくれる。

 ただし、Ubuntu On Windowsの初期設定では、/etc/hostsにローカルホスト(操作中のWindowsマシン)の定義がないため、「○○○の名前解決ができません」と表示されてしまう。WindowsマシンのIPアドレスを確認したうえで、nanoなどのテキストエディタを使い/etc/hostsに「192.168.XXX.XXX ○○○」という書式で定義を追加すれば、この現象は発生しなくなるはずだ。

/etc/hostsにエントリを追加して上書き保存すれば、sudo実行時の名前解決エラーが出なくなる

無事に「lv」のインストールは完了、簡単に日本語テキストを確認できるようになった

 このように、初期設定に多少の違いはあるものの、実機にインストールされたシステムと同じ感覚でUbuntu On Windowsを利用できる。今回はテストしていないが、「Xming X Server for Windows」(Public Domain Releases)、「VcXsrv」などのXサーバと組み合わせることで、Linux実機と同等のGUI環境も構築できるはずで、その意味でも拡張性/汎用性は十分だ。Microsoft公式ツールという安心感もあり、今後はCygwinやMSYS2、用途によっては仮想Linuxマシンに変わりうる実装として普及するのではないだろうか。

最新版にあたるWebsite Releasesは、公式サイトで10ポンド(約1382円)寄付することで入手可能。ただし、Paypal経由の寄付のみとなっており、日本在住者からの寄付が行なえない(2016年8月現在)。

Windows用Xサーバ「VcXsrv」と、「Ubuntu On Windows」上のUnity(Compiz)とを接続してみたもの(左側)。現状では実用的とはいえないが、将来に期待したいところ(マイクロソフトは、GUI環境の提供は意図していない)


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