スーパーファミコンソフトの「RPGツクール2」ってご存じですか?1996年に発売された、オリジナルのRPGゲームが自分で作れてしまうソフトです。この「RPGツクール2」の中古ソフトを全国各地から買い集め、セーブデータに記録されたゲームをプレイする「ツクール会」なるものが愛知県某所で開催されると聞き、潜入してきました!
今回は全国各地から買い集められた「RPGツクール」「RPGツクール2」のほか、「サウンドノベルツクール」、シューティングゲーム作成ソフト「デザエモン」など、およそ250本のソフトが集結。こんなにひとつシリーズのソフトが大量に積まれているのって見たことないです。
経年劣化によりデータが飛んでしまっていたり、中古ゲームショップに売られる前にデータが初期化されていたり、作成途中のデータほとんどで、完成した作品に出会うのは難しいそうですが、今回の第5回ツクール会では多数の名作を発掘!その一部をご紹介しますね。
RPGゲーム作成ソフト「RPGツクール2」
ツクール会のメインとなるのは、1996年にスーパーファミコン対応ソフトとして発売された「RPGツクール2」。フィールドやダンジョン、イベントの作成など細部にわたって設定が可能な一方、限られた容量の中でいかに作り込むことができるか……というところも良作を作るための勝負どころ。
ツクール会ベテラン参加者の方によると、中古ツクールで作成された作品のチェックポイントはいくつかあるそうで、
- マップの設定がされている
- 城や町のオブジェクトに入ることができる/出ることができる
- 王城内のオブジェクトが初期配置ではない
ことがまずはチェックすべき作り込みポイントのひとつ。さらに上級者になると、
- 扉の開閉の設定がされている
- イベントの後、そのイベントの内容に沿ってNPCのセリフが変わっている
- 背景のみを動かして見せる(回想などのイベントシーンの演出)
などなど、「見せたい演出のために、限りある機能をどう効果的に使っているか」という、ツクールテクニックを駆使して作品づくりをしていることも。その中でも、特に作り込みの素晴らしかった作品を一部ご紹介します。
作品1:広島っぽい舞台感を漂わせる、組同士の抗争を描くハードボイルドRPG
作品2:砂漠化する世界とモンスターの凶暴化に晒される異世界に召喚された女の子・「ちえ」の物語
作品3:本の世界に入って冒険する、全8章にわたる正当派大作RPG
シューティングゲーム作成ソフト「デザエモン」
縦スクロールシューティングゲームを自作できる、1994年発売のスーパーファミコン対応ソフト。 タイトルロゴのデザインのほか、自機や敵機、パワーアップアイテムなどのドットデザインが可能。
当日発掘された作品をいくつかご紹介させていただきます。
作品1:おしゃれセーターを着た人が空を飛び回り敵を撃墜する作品
作品2:おでん屋台からおじさん(敵)が出てくる独創的シューティング
作品3:ゲームデータは登録がなかったものの、エディット画面から美少女のグラフィックを発掘した作品
作品4:ロゴめっちゃかっこいい作品
作品5:あかんやつ
ツクール会関係者によると、1995年発売のスーパーファミコンソフト「RPGツクール SUPER DANTE」はソフトに内蔵された電池の寿命が切れる時期にさしかかっており、セーブデータが残っている率が極端に低くなっているとのこと。 まだ見ぬ名作が、電池切れで完全に失われてしまう前に発掘されることを願ってやみません。
今回レポートした第5回の様子を含め、これまでのツクール会の様子は、ニコニコ動画の「ツクール会」コミュニティーより閲覧が可能です。もしかしたら、かつて自分が作ったゲームが発掘されているかも……。
さらに、第6回開催が8月21日(日)に決定!会場は東京・東銀座にあるドワンゴのセミナールームです。名作発掘の現場に居合わせることができるかもしれません。参加人数50名なので気になる方はお急ぎください!当日の様子はニコ生でも配信されるので、現場に居合わせられなくても要チェックです。