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高けりゃいいってもんじゃない!? 運用型広告で「スコア」が重視される3つの理由

2016年08月15日 23時00分更新

文●D2Cスマイル

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元々純広告からスタートしたメディアレップのD2Cですが、今やその売り上げは、ほぼ運用型広告に切り替わっている現状です。

その中でも存在感がある媒体は「リスティング広告」、そして成長著しい媒体は「SNS」となります。

これらの媒体売上が伸びている要因として、スコアが大きく起因していると考えています。

代理店の運用担当者として広告主側の立場と、広告のプラットフォームである媒体側の立場から「広告主」×「媒体社」×「ユーザー」の三者すべてにメリットをもたらすスコアの重要性をまとめました。

低予算でも広告露出は可能? 掲載順位の決め手となるスコア

スコアという項目は、「広告主」×「媒体社」×「ユーザー」の三者にメリットをもたらす指標なのです。

広告主から見たスコア

リスティング広告の場合、スコアとは掲載順位(広告ランク)を決めるための1つの要素です。

GoogleAdwordsを例に挙げると次のようになります。

広告ランク=上限入札単価×品質スコア

参照元:https://support.google.com/adwords/answer/1722122

つまりスコアというのは広告に対する成績や評価みたいなもので、スコアが高ければ高い程、露出機会が多く設けられます

入札単価の競争に負けたとしても品質スコアが高ければ、リスティング広告では上位に、ディスプレイ広告では優先的に配信されるようになるのです。

数字を例にすると下記のように、極端に入札単価が低くても、スコア(品質スコア)が高ければ広告ランクは高くなり、より露出の機会が増えるといった仕組みです。

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シンプルに考えると上のようなイメージとなります。このケースでは入札単価が最も低いが、スコアが最も高いC社が広告ランクが高くなり、上位掲載がされる見込みとなります。

このスコアの内訳は基本的にはブラックボックスですが、下記のような項目が指標となっていると言われています。

  • 広告の推定クリック率:この値は、広告の過去のクリック数とインプレッション数の影響を受けます(広告の掲載順位や広告表示オプション、以前にユーザーがクリックした広告の認知度に影響する可能性のあるその他のフォーマットなどの要素を除く)
  • 表示 URL の過去のクリック率:表示 URL が獲得した過去のクリック数とインプレッション数
  • ランディング ページの品質:ページの関連性、情報の透明性、操作性
  • 広告と検索の関連性:広告テキストとユーザーの検索との関連性
  • 地域別の掲載結果:ターゲット地域でのアカウントの実績
  • ーゲットに設定しているデバイス:デスクトップ PC やノートパソコン、携帯端末、タブレットなど、各種デバイスでの広告の実績

参照元:https://support.google.com/adwords/answer/2454010?hl=ja

この中でも「CTRが大きな指標を占めている」と言われるケースが多く、実際に広告運用の担当者からも、同様の意見が多く聞かれます。

なぜCTRが大きな指標を占めているかは、あとで「媒体社から見たスコア」の中で説明します。

広告主(広告運用者側)側の視点をまとめると、次のようになります。

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とにかくしっかりとユーザーに対して興味を持ってもらえる広告であれば、低予算でも広告露出は可能ということです。

このスコアを意識した広告運用をすれば、Web広告をより効率的に利用できるでしょう。

広告主・媒体社・ユーザー全てにメリットをもたらすスコアの仕組み

媒体社から見たスコア

一方、媒体社はなぜスコアをいう指標を設けるのか? 意外と考えたことがない人も多いのではないでしょうか(もちろん当初は自分自身も意識していないまま、広告運用をやっていた頃もありました)。

短絡的に考えると、仮にスコアが無かった場合でも、

入札が上がっていって広告一件当たりが高く売れるのではないか?
そうすれば媒体側の収益最大化に繋がるのではないか?

と考える事もできると思います。

ただこれではユーザーにとって興味がない広告接触が増えてしまう恐れがあります。その結果、媒体側の収益を減らす結果になってしまいます。

例えば、

「港区 賃貸」で検索しているのに、入札単価が高いキャッシングばかりが表示される

場合です。この場合、広告はクリックされずに終わる可能性が高いです。つまりCPC課金のため、クリックされなければ媒体側は収益を得られない結果となります。

スコアがあれば、クリックされなければCTRが下がる⇒スコアが下がるため、ユーザーにクリックされなければ露出がされなくなっていきます。

ユーザーにメリットの低い広告は露出がどんどん絞られるのです。

一方、

「港区 賃貸」で検索して、港区の不動産屋の広告が表示される

場合です。この場合、クリックされる確率は前者と比べるとはるかに高い事が想定されます。その結果、広告主、媒体社、ユーザーの三者にそれぞれメリットが発生します。

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結果としてメディアの収益を最大化させながら、ユーザーや広告主にもメリットがあるので、スコアは重要な役割を担っているのです。

なぜメディアはスコアという指標を設けるか

少々古いデータとなりますが、『“加藤公一レオ”の「広告業界的ぶっちゃけ話」:某ポータル ディスプレイ広告のクリック率の推移(リンク先はディスプレイ広告の例)』によると広告のCTRは毎年下がり続けていると言われています。

某ポータルサイトのCTRは当社実績でもこの10年間で、平均して1.05%⇒0.19%まで下落しています。実際、運用担当者の肌感覚として(業種にもよりますが)、現在のADNWのCTRは0.1%前後が平均値だと思われます。

当初は100人に1人がクリックしてくれていたディスプレイ広告が、1000人に1人にまで数が落ち込んでしまっていることになります。『ディスプレイ広告の効果に関する衝撃的な「10の事実」』や『20 Display Advertising Stats That Demonstrate Digital Advertising’s Evolution』では、もはやそれの大半がボットという声もあります。

また追い打ちをかけるように『ディスプレイ広告で稼ぐ時代が終わる? スマホのユーザー体験が突きつける現実 なぜ広告ブロックが急増するのか(P1)』や『2016 Mobile Adblocking Report』によると、広告ブロックをするユーザーやニーズが徐々に高まっている傾向もあります。

Web広告全般で、広告が嫌がられる流れがある一方で、『Facebook、モバイル広告が好調で過去最高の増収増益|ITmediaニュース』からも分かるように、今現在大きな売り上げを占め成長しているメディアはスコアを設けることで最大限ユーザーに好まれる広告配信の仕組みを作り広告売上によって収益を伸ばしています。

Facebookのタイムラインには各個人の趣味や関心、直近の行動に基づいた広告がたくさん表示されているはずです。もし興味がない広告が表示されていても、クリックされなければその広告のスコアは低くなり、より興味を持ってもらえる広告が表示されるようになっています。

広告は基本的に嫌われるものという人もいますが、テクノロジーやクリエイティブを駆使して解決することが、D2C Rのような広告代理店の役割だと考えています。

スコアを高めることで、広告主だけでなくユーザーにも媒体社にもメリットのある広告を、より多く世の中に発信できればと思っています。

(記事提供:D2Cスマイル

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