リンクの構築って、一見とてもカンタンに見えますよね?
ランクを上げるためにキーワードを選んで、素晴らしいコンテンツを作成して、他のブロガーにリンクを貼ってもらって…、完成! まるで魔法のように、自分のサイトが検索結果ページ(SERP)の上位に上がってくるではありませんか!
もちろん、リンクにも順位の要素だったり、考慮しなければいけない複雑な要素はあります。例えば、成功しているSEOの21%は外部リンクのアンカーテキストに依存していますし、22%はリンク自身の人気に依存しています。
では、ちゃんとステップ通りに手順を踏めば、問題はないはず、ですよね?
逆に、他の人たちがまったく同じ方法でSEOを構築しているときに、どのように出し抜けばいいのか、教えてくれますか?
もっと工夫をしますか?
もっとコンテンツを増やしますか?
もしくは…ブラックハットSEO(以降、ブラックハット)のようなライバルが避けたがる方法を、ホワイトハットSEO(以降、ホワイトハット)のように使いますか?
そのとおりです。今回はグーグルのガイドラインからはずれずに、検索結果ランキングを上げ、閲覧数とコンバージョン数を増やす方法について説明します。
軽くおさらいから…。
ブラックハットとは?
ブラックハットとは、検索エンジンのガイドラインの裏をかいた悪質なSEOのことです。
ブラックハットのわかりやすい特徴は、ユーザーを考慮しないこと、サーチエンジンとランキングの操作のみに集中していることです。
ブラックハットは、検索上位にランクキングされた記事の使い回し(Article Spinning)、 コンテンツの自動生成、キーワードスタッフィングなどの手法を使用し、ランキングの操作と質の低いコンテンツを検索の上位に表示させます。加えて、リンクホイールやクローキング、誘導ページ、階層リンク(Tiered Link)の構築などの方法も使われていました。
グーグルはブラックハット対策として、検索結果ランキングのアルゴリズムをパンダ・アップデートのアップデート版、ペンギン・アップデートで公開しました。ペンギン・アップデート以降、ブラックハットを使ったサイトはグーグルによりペナルティーが科せられることになりました。これらの手法をホワイトハットとして組み込んで、自然にアクセス数を劇的に上げる方法を紹介しましょう。
戦術1:リンクホイール
リンクホイールは、ほんの数年前に誕生した、画期的な被リンク獲得のテクニックです。一部の有名なホワイトハットもGoogle検索ランキングへの影響を称賛したほどです。
ブラックハットは、リンクホイールの手法を用いて生成した強力な被リンクによって、サイトの検索結果を上位表示させるという仕組みです。
リンクホイールの構造はシンプル:
メインサイトを含むサイト同士がリンクでつながっているネットワーク、リンクホーイルを作成します。ネットワーク内の各サイトはメインサイトと次のサイトにリンクを貼ります。ネットワークが閉じているため、次々に貼られたリンクがメインのサイトに集まり、メインのサイトがオーソリティサイトとして検索エンジンに認識されます。
リンクホイールの基本的な構造:
リンクホイールを作るためには、評判のよいTumblr、WordPress.com、Blogger.comなどの無料ブログプラットフォームや、ezinearticles.comのような記事ディレクトリが使われていました。
無料でサイトを作成し、質は低くてもなにかしらのコンテンツを置き(たいていの場合は記事1つ)、次のサイトへのリンクとメインサイトへのリンクを追加していきました。
そのうちGoogleは、こうしたリンクホイールを操作的戦術だとみなし始めました。
しかし、ここにウラが:
リンクホイールでの一番の問題は、ホイール自体ではなく、何を使って構築されたかなのです。
考えてみてください。低品質で、ユーザーに何の価値もないコンテンツが主のサイトが無料ブログプラットフォームに作られているのですから、Googleの監視に対して脆弱なのは当たり前です。
ブラックハットのフォーラム上にあるリンクホイールの例です:
リンクホイールのコンセプトは有効だということは念頭に置いてください。
リンクホイールは今日でもまだ使えます。ただし、リンクホイールを信頼があるサイトを含めて作らなければいけません。
無料ブログプラットフォームや記事ディレクトリを使って仮のサイトを作る代わりに、すでにGoogleと信頼関係が築かれている実在するサイトとリンクホーイルをつなげます。
例えば、自転車部品を販売しているオンラインショップのリンクホイールを作るとします。オーソリティと見なされているサイクリングサイトに、自転車のメンテナンスについて異なる側面から書いた記事をいくつかゲストとして寄稿します。これらの記事とリンクホイールをつなぐのです。
この方法で作成したリンクホイールは:
- 質の高いサイトで構築されている
- ユーザーにとって高い価値がある
- メインサイトへの高いPR効果がある
ヒント:リンクホイールがグーグルの監査に引っかからないように、各リンクから自分のメインサイトへのリンクは貼らないようにします。その代わり、別に関連性の高いサイト(resource)を作成し、各記事から参照することが大切です。
リンクホイールの相関図はこのようになるはずです:
戦術2:混合被リンク
もう1つのブラックハット手法、「混合被リンク(Blended Link Building)」。
前提は、必ずしも、リンクの数が多ければサイトのランキングが上がる、わけではないことです。
高いオーソリティとなるサイト(例えばWikipediaやNew York Timesなど)に、自分のサイトが被リンクされれば、オーソリティサイトと自分のサイトが同等に扱われるようにGoogleを欺けます。
この手法を使うために、ブラックハットは被リンクに協力してくれる誰かと、オーソリティに関連したサイトまたは独自でサイトを作る必要があります。
そのためには、ブログサイトや記事ディレクトリサイトなどとオーソリティとなるサイトとで混合被リンクができるように、コンテンツの融通が効くサイトを使います。
しかし、この方法は再び検索エンジンのペナルティーに引っかかる可能性がある、弱い戦術でもあります。
反対に、混合被リンクのテクニックは、戦略的に使うことで、まだ使えるテクニックです。
推奨する混合被リンクの使い方は以下のとおり:
多くの人がリンクしたくなるような役に立つコンテンツを作るところから始めましょう。
役に立つコンテンツとは、統計データや手法・ツールなどのリスト、調査レポートなどです。ライターやコンテンツ作成者たちが、自分たちの記事にリンクするほどの高品質な情報が鍵です。
なぜこれで被リンクを得られるのでしょうか。ライターやコンテンツ作成者たちは、ブログや記事の質を上げようと、常に情報源を探しています。関連性のある統計データ、調査レポート、グラフ、統計全般、数字などを含めたり参照したりすることで、コンテンツのオーソリティとして認識されると知っているからです。
これからは、以下の2つの戦略を使えるようになります:
オプション1:
類似した内容にリンクしているページを探し、自分のページも含めてもらえるように提案する方法。Webマスター、ブロガー、ライターたちに、自分のコンテンツを被リンクするメリットを伝えましょう。
オプション2:
業界のトップサイトにゲストとして寄稿する方法。自身のサイトへのリンクとともに、オーソリティサイトの関連リンクをコンテンツに含める方法です。
メモ:多くのオーソリティサイトは、自身のコンテンツから外部サイトへの被リンクしません。もし関連性が高く魅力的なサイトがあれば、オーソリティサイトの編集者が記事のライターへ被リンクを勧める場合があります。
ボーナス:
混合被リンクをさらに(消極的に)作成したい場合、ライターやコンテンツ作成者が、使用したい情報源を検索する際に使う可能性のあるキーワードを最適化しましょう。たとえば、次のように最適化します。
- [題名]+リサーチ
- [題名]+統計全般(訳注:stats)
- [題名]+統計データ(訳注:statistics)
こうした最適化によって、他のオーソリティサイトとともに自分自身のコンテンツが見つかりやすくなります。
戦術3:階層リンク(Tiered Link)の構築
よく知られているように、この方法は繰り返しを使った方法です:自分のページに被リンクしているオーソリティサイトの数が多ければ多いほど、被リンクは強力になります。
しかし、オーソリティサイトの高い階層のページからのリンクを構築するのは大変難しいことです。
ブラックハットが編み出したシンプルな解決方法は、検索結果ランキングを高めるために、すでにオーソリティサイトとのリンクが貼られているページを構築する方法です。
この方法は、階層リンク(Tiered Link)と呼ばれています。
各リンクが前の階層にリンクするように、段階的な層になったリンクを構築することにより、被リンクが強力になる仕組みです。
ブログや他のWebサイトを使って階層を構築しますが、この手法が脆くなる要因にもなります。
しかし、階層リンクを構築して被リンクを強力にする方法は、悪い考えではありません。
現に、今日でもランキングを上げるのにこの手法が使えるのは確実です。どうすると思いますか? それは、自分のサイトにすでにリンクしている他のサイトがリンクしているゲストとして寄稿した記事を使うのです。
そのため、毎回、ゲストとして寄稿する際、内容に参照可能な自分のサイトに被リンクできる関連コンテンツがないか、考えてみるのが良いでしょう。
寄稿した記事にリンクを貼ることで、確実にキーワード検索のトップ100位内になります。またハイレベルな情報源としてサイトを位置づけられることにもなります。
戦術4:スクレイピング(Contact Scraping)
スクレイピングは、ブラックハットで最もよく使われる方法です。
Scrapeboxなどのアプリを使い、Webマスターのコンタクト情報の詳細からキーワード、コンテンツなど、対象となるWebサイトをくまなく調べ上げます。調べた情報を使って、自動化されたリンクのリクエストや適当なコメントが入ったスパムサイトを発信し、そのバリエーションも作成していました。
当然の結果としてWeb上でのスパム記事の増加になってしまいました。
しかし、スクレイピング自体はそこまで悪い考え方ではないのです。
スクレイピングは、大規模な量の情報を見つける能力があります。
Bartosz Góralewiczが、Scrapeboxを使ったSEOの技術的な問題の解決法で述べているように、スクレイピングのツールは技術的な面で、サイトのSEO分析に役立ちます。
また、自分のサイトに関連する外部サイトのWebマスターの連絡先も得られます。意味のない文章を書き連ねたスパムメールを送る代わりに、Webマスターに問い合わせをして、将来的にはリンクがつながる関係を築くことも可能なのです。
例えば、壊れたリンクのキャンペーンをするとしましょう。リンクが壊れているページを見つけたら、自分のページへのリンクを代わりに提供すると申し込むのです。
しかし、その前にWebマスターへの連絡先を見つけなければなりません。1つには、単純に1つ1つのサイトを訪れて、手作業で情報を集める方法があります。もちろん、サイトの数が多ければ多いほど、その分時間もかかります。
ドメインリストをスクレイピングすれば、必要な情報が短時間で得られます。その情報を使ってSalesloft Sales DialerもしくはGrowbotsなどの自動コンタクトソフトを使って連絡をとるだけです。
スクレイピングを使ってスパムメールを送信するよりは、単純に作業効率を上げることがポイントです。
事実、スクレイピングは一般的な方法として今日でも使われています。たとえば、営業のチームはスクレイピングを活用してコンタクト情報を得る手間を省いています。SalesLoft Prospector、LeadFuze、import.io、Grabbyなどのアプリを利用してLinkedinのプロフィールページやWebサイトから連絡先情報を得て、会社のCRMに情報を追加してつなげているのです。
最後に
リンクの構築は、最初は簡単に思えるかもしれません。しかしそこには、たくさんの複雑なプロセスや、リンクのプロファイルを広げるために踏まなくてはならない特別なステップがあります。
では、他の人が同じ方法で進めている間、どうやって一歩先んじますか?
答えはこれです:ライバルが避けたがる手法や戦術、すなわちブラックハットを使うことです。しかし、必ずホワイトハット的に。
紹介した手法を正しく使えば、サイトの検索結果を上位に上げ、閲覧数を伸ばし、コンバージョン数を上げることができるでしょう。
(原文:How to Rank Using Black Hat SEO Tactics in a White Hat Way)
[翻訳:Eri Noda]
[編集:Livit]