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パナ、ロボット用“三半規管”開発 - 6軸検出対応のモーションセンシングユニット

2016年07月26日 17時30分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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ロボット用モーションセンシングユニット

 パナソニックは、産業用ロボットやサービス用ロボットなどの姿勢検出や位置推定を行うロボット用モーションセンシングユニットを開発。ロボトメーカーなどに供給する。2016年末にサンプル出荷を開始する予定だ。

 開発したロボット用モーションセンシングユニットは、同社が持つ素子加工技術と、独自のアルゴリズムにより、高精度な姿勢情報を高速出力し、ロボットメーカーの要求にあわせた姿勢検出や位置推定が可能になるという。

 自社開発している回転運動を検出する3軸ジャイロセンサー、直進運動を検出する3軸加速度センサーに加えて、独自アルゴリズムを内蔵したマイクロプロセッサを搭載して一体化。6軸検出に対応した物体の傾きや動きを検出する。

回転運動を検出する3軸ジャイロセンサー、直進運動を検出する3軸加速度センサーに加えて、独自アルゴリズムを内蔵したマイクロプロセッサを搭載して一体化

 「センサーを自ら開発、製造、販売しているため、センサーの特性を理解し、顧客の要望にあわせてユニットを提供できる。低速から高速まで高精度な動き情報を出力するモーションセンシングユニットに加えて、異なるセンサーを組み合わせて最適化するアルゴリズム技術を持っており、精度重視や速度重視など、用途にあわせたパラメータ値を設定して供給することが可能になり、ロボットメーカーにおける開発負担を軽減できる」という。

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社インダストリアル事業開発センターセンシング事業開発部の大森正主幹

 ジャイロセンサーが持つ長時間計測時の測定誤差の課題や、加速度センサーが持つ振動の影響を受けやすいという課題を独自のアルゴリズムで解決。同ユニットを活用することで、パラメータ設定にかかる時間を約2ヵ月短縮できるという。

ジャイロセンサーが持つ長時間計測時の測定誤差の課題や、加速度センサーが持つ振動の影響を受けやすいという課題を独自のアルゴリズムで解決

 また、高いアスペクト比(素子の幅と厚みの比)と、低歪の加工技術を活用した、シリコンMEMS検出素子の高精度加工(ドライエッチング)技術を採用することで、センサーそのものの小型化を実現しているのも特徴だ。さらに、XYZ方向の直進・回転運動を検出し、多様な使用環境や設置方法に対応。取り付け方向の制限をなくせるという。

 今回開発したロボット用モーションセンシングユニットを利用することで、細かい誤差を検知し、ロボットの正確な動作を実現し、荷物落下や自律走行ロボットの経路逸脱事故を防止。搬送効率では約50%の改善に貢献。直進走行距離の向上にも貢献できるとしている。

搬送効率では約50%の改善に貢献。直進走行距離の向上にも貢献できるとしている

 ロボット市場が急成長を続けるなか、さまざまなロボットを短期間で効率的に開発する必要性が高まっており、モーションセンシングユニットは、ロボットの「三半規管」の働きを果たすものとして、ロボットにとって重要なデバイスに位置づけられている。

 「これまでパナソニックでは、AVおよびICT分野向けにセンサーを提供してきたが、今後は産業分野への展開を加速し、特にロボット分野への展開を強化していく。産業用ロボットに加えて、サービスロボットの普及が期待されており、2020年には産業用ロボットの市場規模が1兆1000億円に達し、サービスロボットの市場規模は1兆3000億円になる。ロボットの多様化に伴い、数多くのロボットメーカーの参入が見込まれており、そこにパナソニックの技術がお役立ちできる」とする。

 搬送ロボットの荷台姿勢制御や自己位置推定、飛行ロボットの飛行姿勢制御、作業ロボットのアーム姿勢制御、対話型ロボットの本体姿勢制御などに活用を想定しているほか、パーソナルモビリティ、重機、農機、アミューズメント、産業用自律機械システム向けにも提案していくという。

 サンプル価格は約18万円を予定している。2017年度に量産を開始する予定であり、量産価格は未定。2020年には、モーションセンシングユニットで数十億円の事業規模を目指す。

       
ロボット用モーションセンシングユニット未使用時の動き
       
ロボット用モーションセンシングユニット使用時の動き

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