電力自由化の新規参入会社紹介の18社目は、大阪ガスの電気プラン「大阪ガスの電気」。以前、東京ガスの電気自由化サービスを紹介したが、大阪ガスも同様に、ガスとのセットで電気料金がお得になる。ライフラインの提供元をまとめることで支払いも一元管理できるのは何かと便利だろう。
それでは、大阪ガスの電力サービスを紹介しよう。
環境負荷が小さな電気を供給する電源構成
大阪ガスから供給される電力は、天然ガスを使用した火力発電やFIT電気を組み合わせた電源構成となっている。割合としては天然ガス火力発電が93%を占めている。実は大阪ガスはすでに法人向けに電力販売を行なっており、年間20億kWh以上の電気を販売している。
大阪ガスグループでは発電事業も行なっており、所有する発電所は火力・風力・太陽光を合わせて184万kWにのぼる。これは、原子力発電が1基100万kWとすると、原子力発電所2基に近い発電量といえる。また、天然ガスを利用した火力発電では、ガスの燃焼だけでなく、排ガスでも蒸気を発生させてタービンを動かす発電方式を採用しており、高い発電効率で省エネとCO2抑制を行なっている。
大阪ガスの電気の提供エリアは関西地方となるが、福井県や岐阜県の一部でもそのサービスを受けることができる。これは、関西電力の管轄地域と同じエリアだ。
料金は細かい従量制設定
大阪ガスの電気の料金体系は、関西電力の料金表に比べて全体が安いわけではない。関西電力の従量電灯Aと大阪ガスの電気のベースプランAを比べてみよう。関西電力では15kWhまでの最低料金が373.73円、大阪ガスは基本料金が499.95円。従量部分では関西電力が15kWh~120kWhが22.83円、120kWh~300kWhが29.26円、300kWh以上が33.32円なのに対し、大阪ガスは120kWhまでが22.78円、120kWh~200kWhが25.46円、200kWh~300kWhが26.08円、300kWh以上が32.60円と、従量部分は若干安くなっている。
従量部分の段階の分け方が違うので、どのくらい安くなるかは実際の使用量でシミュレーションしてみないとわからないが、基本料金が少し高くても、従量部分の単価が安くなっているので、全体としては安くなるだろう。
また、大阪ガスからのガス料金と合わせた「ガスセット」は1%割引、さらに2年間の長期契約を結ぶとさらに2%割引となる。
会員サイトでポイントを貯めてプレゼントがもらえる
大阪ガスの会員サイト「マイ大阪ガス」に登録すると、ガス・電気の料金や使用量をWebで確認できる。会員登録はもちろん無料だ。そして、大阪ガスの電気の利用者にはポイントを貯めるシステムがある。
このポイントは「さすガっス!ポイント」という名前で、ゲームをしたり、エネルギーについての情報を読むことで貯まっていく。「さすガっス!ポイント」が貯まると、食事券はギフトカタログなどの抽選企画に応募できたり、関西の社会課題に取り組むプロジェクトに支援金を贈る応援ができる。
また、現在大阪ガスの電気と契約すると、エアコンやロボット掃除機などが当たるキャンペーンを開催中だ。
大阪ガスの電気は、すでに14万件以上も乗り換えているとのことで、その実績も十分。ガスとのセット料金で割引になるのは電気料金のみだが、光熱費をまとめられること、料金が割安になることを考えると、関西地方の方は一度検討してみる価値はありそうだ。
次回は、関西電力の電気サービス「はぴeプラス」について解説する。