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「東急でんき」

PASMOで貯まる、ケーブルテレビでも得をする東急パワーサプライ

2016年05月27日 09時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●オオタ/ASCII.jp

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 電力自由化の新規参入会社紹介の12社目は、東急パワーサプライの電気プラン「東急でんき」。東急パワーサプライは、東急電鉄を中心とする東急グループの電力事業会社で、もちろん東急グループ各社との連携が強みだ。

 東急グループは渋谷と横浜を結ぶ東急線とその沿線の生活に密着したさまざまなサービスを行なっており、地域に根差した企業グループ。もちろん東急線沿線以外の地域でも「東急でんき」を契約することは可能だ。それでは東急パワーサプライの電力サービスを紹介しよう。

東急パワーサプライの電力自由化についてのWebサイト。料金シミュレーションはないが、単価表で明確な料金がわかる

すでに大型施設などに電力を供給している実績

 東急パワーサプライでは、一般家庭への電力自由化の前に自由化されていた商業施設やマンションへの電力供給を開始しており、2016年3月の時点で、東急線沿線を中心とした102物件へ電力を供給している実績を持っている。今回の電力自由化から参入した企業ではない安心感はある。

東急線沿線の大型施設などへの電気供給実績

 そもそも、東急電鉄のもととなった企業は戦前、地域開発のために電力を供給し、その電気を使って鉄道を走らせ、そしてさらに地域の発展を促進していった経緯もあり、電力自由化と鉄道会社は、実は親和性が高いとも言える。

契約アンペア・使用量の段階別に設定された割引料金

 「東急でんき」の提供エリアは東京電力の管轄地域である首都圏1都7県と富士川以東の静岡県。電気料金は東京電力の料金をベースに設定されている。通常の家庭であれば従量電灯Bという料金プランで、30A~60Aの契約となっているだろう。「東急でんき」では、契約によって、その割引率が変わる。

 たとえば60Aで契約している場合、基本料金が9.6%割引、従量部分は300kWhまでが0.1%、300kWhを超える分は5%の割引となっているが、40Aでは従量部分の割引率は同じだが、基本料金が4.8%の割引と、割引額が少なくなっている。

 「東急でんき」のサイトにはシミュレーターがないため、これまでの料金と比べていくら安くなるのかは計算してみないとわからないのが少々ネックだ。

「東急でんき」の料金表。単価は明確だが、実際の使用量でいくらになるのかは自分で計算しなければならない

東急グループ各社と連携したサービスが最大の売り

 「東急でんき」の最大の利点は、東急グループ各社と連携したサービス。その中でも、東急線の鉄道やバス利用で付加価値が設定されている点は、沿線住民にはうれしいところだろう。

東急グループ各社と連携したサービス。連携会社は今後さらに増えていく予定になっている

 現時点で連携しているのはTOKYU CARD、イッツコム、PASMO定期券やPASMOオートチャージの3つ。TOKYU CARDでは、電気料金の1%がポイントとして貯まる。ケーブルテレビ・プロバイダーなどのサービスを提供しているイッツコムでは、最大月額350円割り引かれる。東急線のPASMO利用者の場合、定期券購入やオートチャージで付与される「電車とバスで貯まるTOKYU POINT」が、通常の2倍となる。

 TOKYU CARDの利用や、PASMOの利用で得られたポイントは、買い物やPASMOへのチャージ、ほかの提携会社のマイレージと交換などの利用法がある。

TOKYU POINTの活用例。電気や鉄道を使っているうちに貯まるポイントが有効利用できる

 日常生活で使わなければならない電気や鉄道で、知らないうちにポイントなどが貯まって得をする「東急でんき」。提供エリアは東京電力管轄地域ではあるが、このサービスの最大のメリットを得られるのはやはり東急線沿線の方々だろう。ケーブルテレビのイッツコムを活用している家庭ではさらにお得になる。東急線沿線在住の方は、他社と比べていくら安くなるのかを計算した上で、その付加価値分を踏まえて検討してみるといいだろう。

 次回は、日本エコシステムの電気サービス「じぶん電力」について解説する。

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