東京都が6日発表した「2015年度消費生活相談概要」によると、都内の消費生活センターなどに寄せられた相談件数は前年度比1.1%減の12万7646件で、このうちインターネット取引が3万5924件となり、全相談に占める割合が28.1%と過去最高の数値となった。
世代別では、高齢者(60歳以上)の相談が3万8000件を超え、全体の3割を占めた。相談の内容は「アダルト情報サイト」が2500件と最も多く、「有料サイト利用料の架空請求」などの相談は2269件と同1.8倍に急増した。高齢者の平均契約金額は183万円だった。
若者(29歳以下)の相談は約1万5000件で、「アダルト情報サイト」「賃貸アパート」「エステサービス」などが多かった。また、光ファイバーなどの「インターネット接続回線」の相談は539件となり、同1.8倍に急増した。
ネット取引のうち、サービスに関する相談では「アダルト情報サイトのワンクリック請求」「有料サイト利用料の架空請求」の相談が多く、商品に関する相談では「健康食品」に関する相談が最も多く同2.4倍となった。特に10代では健康食品の相談件数が同3.9倍に急増した。
未成年者契約の相談事例では、「1回だけ試すつもりで、SNSに『モニターコース初回100円お試し』と書いてあったダイエットサプリを申し込んだが、実際は定期購入になっており、翌月に1万円の同じ商品が届いた。販売会社に電話で返金を申し出たが、『規定回数を購入しないと契約できない』と言われた」などのケースを挙げた。
身体にけがや病気などを受けた危害に関する相談は1743件で、「健康食品」「美容医療」「エステサービス」の危害相談は100件以上だった。