マランツは6月15日、高さを抑えたスリムな筐体が特徴のAVアンプ「NR1607」を発表した。価格は9万1800円。発売は7月中旬。
2009年の「NR1501」から始まって8世代目の製品。プレミアムリビングオーディオを標榜。テレビラックなどへの設置を意図して、薄型筐体を採用した。その後、2010年の「NR1601」以降は、ARC、USB、Bluetooth接続など、さまざまな機器との接続を意図し、コントロールセンターとしての役割を強化した。
新モデルでは、これに入門者でも簡便に使えるUIの強化と、プレミアム感の強化を目指した。マランツ製品では「M-CR611」が発売以降好調で、一体型コンポだがプレミアム、という新しい領域を作れているという。その自負もあり、カテゴリーの中でもより所有感を得られる製品にしていきたいとのことだ。
特徴としては高さ105㎜の薄型筐体に加えて、最新フォーマットのDolby Atmos(DTS:Xにも対応予定)、4K BDの4K Videoフォーマットへのフル対応(HDCP2.2、4K60P 4:4:4/24bit、HDR、BT.2020など)をうたっている。また、Bluetoothや5GHz帯対応のWi-Fi(11n)機能を持つほか、USBおよびネットワーク経由でのDSD5.6MHz再生にも対応する。
薄型だが7chのフルディスクリートアンプを搭載。サラウンドバック用をバネ式にするなどしている機種も散見される中、バナナプラグ対応の同じスピーカーターミナルにしている点もこだわりだという。ケーブルラベルもつけられる。フロントスピーカーだけを別のパワーアンプで駆動したいというニーズに応える形で、サブウーファー出力に加え、2.2chプリアウトも持つ。
音質面では高周波ノイズを制御するために、直流電源を各デバイスに合った電圧に変更するDC/DCコンバーターを変更したほか、ノイズカット用のセラミックコンデンサーを配置している。また電源部では一部、SMPSと呼ばれるスイッチング電源を使用しているがその動作周波数を2倍にして、ノイズ成分を可聴域外に逃がす工夫もしている。そのほか、フット部分の改善やフィルタ定数を見直し、低域の力感、量感を改善するといった対策を施したという。
操作感の改善という点では、驚くほど親切な、入門者向けマニュアルを機器の標準機能といて備えている。例えばスピーカー端子の場所だけでなく、ケーブルの剥き方や差し方、さらには音場設定に使うマイクを立てるための三脚の作り方(マランツのAVアンプでは同梱の段ボールを組み立ててマイク設置用の脚にできる)まで紹介する親切さだ。
また小音量でも、Dolby Atmosの効果が実感できる点なども訴求していく考えだ。