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キーマンが集結した「Japan VR Sumit」で語られたポイントを総括!

2016年05月14日 15時00分更新

文● 佐藤カフジ 編集●ジサトラ ハッチ

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突破口となるのはコアゲーマー

 そこをどう突破していくか。原田氏はゲームユーザーの反応に、その希望を見出している。「サマーレッスン」に至っては、プロモーションビデオを公開した段階でゲームユーザーからものすごい反応があったという原田氏。「ヘッドマウントをかぶる前から大騒ぎしている」と、その反応の良さを形容した。そして、そのゲーマーたちに、実際に期待に応えるものを届けることが重要であると考えている。

「サマーレッスン」を用い、体験会の実施にも注力してきた原田氏。ゲーマー層からの反応は完全に想像を超えていたようだ。

 別のセッションで登壇したReload GamesのJames Chung氏もやはり、同様の考えだ。Chung氏は、「Call of Duty」シリーズなど、AAAクラスのゲーム開発キャリアを積んだクリエイター兼経営者。2014年にスタジオを立ち上げ、VR専用のフリーローミングFPSという難しいことだらけのタイトルだと自身がいう、「World War Toon」を開発し、大型の資金調達にも成功している。そのChung氏がいうには、VR市場の黎明期にあたっては、まず実際に購入してくれる見込みの強いコアゲーマー層に、求められるものを届けることが大事という認識だ。

ゲーマー向けのコアコンテンツとしてReload Studiosが開発する「World War Toon」。

 その中で、コロプラの馬場氏が指摘する点も興味深い。馬場氏は、VRが全ての人に行き渡るほど普及すれば、コンテンツは従来型の、平らなスクリーンでプレイするものでもかまわないと考えている。VRが従来のスクリーンの上位互換となるためだ。その一方で、黎明期にあたっては、VR関心層にきちんとVRの魅力を伝えるため「今はVR感をきちんと出していくことが大事」と、今後数年は続くであろうVRコンテンツ制作のテーマを語っている。

 その点でいうと、水口氏が開発する「Rez Infinite」は、水口氏が「2001年にPS2用に“Rez”を作った当初から、自分の頭の中ではVRのイメージがあった」というとおり、VRという技術によってはじめて本来の形が作れるようになったコンテンツの好例である。VRに特化したステージ「Rez X」も用意しているといい、PSVRのローンチが楽しみである。

水口氏が開発する「Rez Infinite」のVR特化型ステージ。大量のパーティクルで独特の空間表現がなされている。

 一般論でいうと、コアゲーマー層はデバイスはもちろん、コンテンツ面への品質の要求も高い。その部分はもちろん、コンテンツ開発のコスト面に跳ね返ってくる。

 これについて、コロプラの馬場氏は、これまで手がけてきたスマホ用のゲームに比べると、間違いなくコストはアップした、との感想だ。「鉄拳」シリーズなどAAA級のゲームを多数手がけてきた原田氏にしても、「コンテンツの内容によるが、VRならはの細部の作り込みが必要になる」と、やはり従来のゲームとは違った部分でコストがかかってくるとの見解だ。「Rez Infinite」を開発中の水口氏は「想定の範囲内。しかし、トライアンドエラーの部分でコストがかかってくる傾向がある」とし、2人の感想に大筋で同意した。

「VRで生まれるヒットゲーム」セッションにて、予算の決裁権を持つ立場が羨ましい、と語る原田氏。

 このように、VRのゲーム開発には「集団プレゼン力の弱さ」、そして「コスト増」という2つのハードルがある。しかしカンファレンスに登壇した各人がいうように、コアゲーマーが楽しめるコンテンツが市場の成長を牽引する部分が大きいことも間違いない。

 鶏が先か、卵が先か。HTCやgumi、グリー、コロプラといった投資家陣は、投資に値するコンテンツを、目を皿のようにして探している。そこにどうアピールしていくか。VR黎明期の今、普及を加速させていくため、コンテンツクリエイターたちの熱意と工夫が強く求められていることは間違いない。

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