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山谷剛史の「アジアIT小話」 第123回

布団でくるんでも部屋中に響く着信音! 中国で見つけた変わり種ケータイ

2016年04月28日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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中国ガジェット漁りの最後の楽園は山寨機売り場といえよう

中国ガジェット漁りの最後の楽園は山寨機売り場といえよう

 2015年末中国で、1リットル紙パックサイズの超巨大ケータイ(山寨機)のレビュー記事を掲載し、物欲を満たした。

 しかし、しばらくすると再び変わり種の山寨機が欲しくなる。オンラインショッピングサイト「淘宝網(Taobao)」で見てもいいが、リアルショップでモノを見たいと、山寨機がたくさん売られている中国のマーケットへ出かけた。

売り場には巨大ケータイの専用コーナーも

売り場には巨大ケータイの専用コーナーも

 おそらく初見の人は、各店の胡散臭い商品のラインアップに感動すること請け合いだろうが、どうにも山寨機の沼地に両足どころか体をとられた筆者としては、山寨機の中から(筆者の中で)特に価値ある山寨機を探し出すのは難しい。

 あれこれ探し回って、市場のライトが消えた閉店間際、グッとくる山寨機を見つけたのだ。無数に並ぶショップで、グッとくる製品が見つかるのだから、その製品は例によってデカくて目立つのである。

巨大スピーカーを搭載した高齢者向けケータイ!?

今回購入した「H7-710」

今回購入した「H7-710」。正面から見ると、普通のスマホに見える

 その製品は、深センに拠点を持つ「核動力(HODOO)」というメーカーの「H7-710」という機種だ。一目ぼれした筆者は230元で購入した(約4000円。淘宝網だと、200元以下で購入できるが、一目惚れしてしまったものはしょうがない)。

前に紹介した巨大ケータイに比べればはるかに小さい

前に紹介した巨大ケータイに比べればはるかに小さい

 まず、正面から見て驚くのは、4.3インチタッチモニターの下のボタンに、物理的な字が非常にはっきり書かれていること。

 中央に「菜単(メニュー)」、左に「抜号(電話をかける)」、右に「返回(戻る)」。これはハイテクが苦手な一部の老人の方にも大丈夫であろう。

厚みがあり、握り甲斐のある本体

 そして横から見るとその分厚さに驚く。正面からだとiPhone程度のサイズなのだが、その厚さはiPhone3台分程度はある。つまり大の大人の筆者にとって、握り甲斐のある製品なのだ。

背面のフタを開いてみた。巨大スピーカーも目立つ

背面のフタを開いてみた。巨大スピーカーも目立つ

 なぜこんなに厚いのかとカメラユニットのある裏面のフタを開ければ、そこに大きなスピーカーと、待ち受けだけなら20日以上は持つという、3500mAhのバッテリーが鎮座していた。

 中国の騒音の中、耳の遠い高齢者でも着信音が聞こえる大音量、そして充電を少しくらい忘れていても電池切れにならない大容量が分厚さの秘密なのだ。

このあたりのボタンにオリジナリティーを感じる

このあたりのボタンにオリジナリティーを感じる

なんとなく上下さかさまのほうが読みやすい

なんとなく上下さかさまのほうが読みやすい

 またその厚さから、横には厚さにあった押しやすい大きさの「上一曲(前の曲)」「下一曲(次の曲)」「収音机(ラジオ)」「一鍵看戯(ワンボタンで戯曲を見る)」「音量+」「音量-」というボタンがある。

 バッテリーを外すと、デュアルSIMカードスロットとmicroSDカードスロットがある。デュアルSIMカードスロットはあるが、残念ながらGSMだけの対応で、3Gすら対応していない。

 そしてmicroSDカードスロットには、購入時に店員が動画や音楽が入ったメディアを入れてくれた。なんでも老人向けの音楽などが入っているとか(実際老人は広場舞というダンス用音楽などをよく聞いている)。つまりデータ通信でコンテンツを見るのではなく、あらかじめ好きそうなコンテンツがメディアには入っているのである。

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