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2017年度は新体制で「顧客のデジタル変革をトータルに支援するCA」に

「フォーカス顧客を30%絞り込む」日本CA・反町新社長の戦略

2016年04月18日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 CA Technologies(日本CA)は4月7日、2017年度(会計年度)の日本市場における事業戦略発表会を開催した。4月から会長を務めるポール・フォルケンシュタイン氏、その後を継いで新たに代表取締役社長となった反町浩一郎氏が出席し、日本企業のデジタル・トランスフォーメーション(デジタル変革)を支援していく方針を強調した。

4月から日本CA会長を務めるポール・フォルケンシュタイン氏新たに代表取締役社長を務める反町浩一郎氏

40周年を迎えるCA、グローバルで進める変革を日本でも推進

 フォルケンシュタイン氏は、今年はCA Technologiesが40周年を迎え、日本でのビジネスも30年目を迎えると語り(日本法人は19周年)、同氏が日本法人社長に就任してからこれまで2年間の実績を振り返った。

 グローバルのCAは、2013年にCEOとなったマイク・グレゴア氏の下で事業の選択と集中、顧客に対するメッセージの明確化を図ってきた。2014年にはバックアップソフトのarcserve事業を売却し、顧客企業の「デジタル・トランスフォーメーション」と「アプリケーション・エコノミー」を支援するソフトウェア企業として、ソリューションラインアップを整理し直している。

 フォルケンシュタイン氏は2年前の社長就任にあたって、デジタルトランスフォーメーションを通じたカスタマーやパートナーのビジネス成長、顧客満足度の向上、革新的ソリューションの提供、社内人材の成長促進やグローバル対応、という4つの目標を掲げていた。結果、顧客満足度(NPS:Net Promoter Score)が27.3%向上したほか、企業のDevOpsニーズに対応する新しいソリューションの提供、APIやメインフレームに関する技術セミナーの開催、社内の人材トレーニングによって従業員満足度評価も18%向上したという。

 4月から新体制となったCAにおいては、自身は会長として「反町(社長)に対してコーチ役を果たしていく」と語った。「経営に対して口出しをしようというのではなく、CAならではの(ビジネスやチームに対する考え方などの)コーチングをしていく」(フォルケンシュタイン氏)。

4月からの日本CAの組織構成図(概略)。中列が顧客/パートナー担当営業、右列が各技術領域ごとの担当チーム

「デジタル・トランスフォーメーション時代のベスト・サポーター」として

 新社長である反町氏は48歳。1999年に日産自動車に入社した後、1999年に日本マイクロソフトに入社、業務執行役員を務めた後、2013年からSAP Japanでバイスプレジデントを務めていた。これまでの経験で、大企業から中堅中小企業まで幅広い顧客を対象に営業活動を行ってきた。

 「日本企業、米国企業、欧州の企業と、3つの企業文化を経験してきた。これを1つの強みとして、CAを、ITを通じて日本企業に貢献できるような企業にしていきたい」(反町氏)

 1月の日本CA入社後、反町氏が3カ月間で強く感じたことは「CAのビジネス業態は大きくシフトしている」ことだったという。「昔の製品のイメージ、たとえば運用管理製品などのイメージが強いかもしれない。しかし入社してみると、実際には現在のCAは『企画、運用、開発をトータルで見ていきましょう』と提案し、トータルソリューションを提供する会社だった」(反町氏)。

入社後、これまで持っていたCAのイメージと実態とは大きく違っていたと反町氏は説明

 だが入社後、100社以上の顧客と対面してみると、その“新しいCAの姿”が必ずしも伝わっていない、CAに何を期待すればよいかわからないと顧客に感じられていることも痛感したという。

 「まず最初にやりたいことは、CAがどういう方向を目指していて、どんな強みを持っているか、CAが顧客企業、パートナーをどのようにお手伝いできるのかをクリアにすること」(反町氏)

 そしてCAの方向性、CAの新たな姿として反町氏が強く打ち出していくのが「デジタル・トランスフォーメーション時代のベスト・サポーター」というものだ。顧客のデジタル変革を、企画から開発、運用までをサポートするソフトウェア製品/ソリューションを通じてサポートしていく。

 このメッセージは、CAがこれまで数年間、グローバルで提唱してきた「すべての企業はソフトウェアカンパニーになる」というアプリケーション・エコノミーのビジョンを、顧客視線でよりわかりやすく説いたものと言えるだろう。

 「アプリケーションというのは、それぞれの顧客企業が持つ“英知”(を結集したもの)だと考えている。そのアプリケーションをいかに速く、セキュアに、フレキシブルに世の中に出し、業態を変えていけるか。CAはそのためのサポーターという立ち位置だ」(反町氏)

 さらに、CAは独立系ソフトウェアベンダーであるため、マルチベンダーで常に最善の選択を顧客に提案できるという強みもあると、反町氏は説明した。

反町氏は新たなCAの姿を「デジタル・トランスフォーメーション時代のベスト・サポーター」だと表現した

注力業種を絞り込み、顧客により深いソリューションを提供していく

 「デジタル・トランスフォーメーション時代のベスト・サポーター」という方針を受けた2017年度の事業方針として、反町氏は「カスタマーとパートナー」「ソリューション」「人材とカルチャー」という3領域において、それぞれ3つのテーマを掲げた。「ポール(フォルケンシュタイン氏)の2年間で良くなった取り組みを、さらに継続していきたい」(同氏)。

2017年度の事業戦略を3領域×3テーマで挙げた

 まずカスタマーについては、フォーカスする顧客の数をこれまでよりも絞り込み、「より少ない顧客に、より深いサービスを提供していく」戦略だと明言した。具体的には、グローバルでのノウハウもある金融、テレコム、自動車、サービスの4業種に絞り込む。

 「(顧客数で)およそ30%絞り込み、絞り込んだぶん、30%以上のサービスを顧客に提供していく」「現在の顧客には、CAの単体製品が導入されているケースが多い。これを、企画から開発、運用と、顧客ソリューションをサポートするワンストップの“トータルソリューション”へと拡大していきたい」(反町氏)

 フォーカスする業種の顧客については、規模の大小を問わずアカウント営業を付けて直接アプローチを図る。一方で、それ以外の業種については100%、パートナーとの協業による間接販売でのアプローチになるという。パートナー側のメリットを高めるため、従来よりも上流での協業やインセンティブモデルの見直し、パートナー独自でトータルソリューションが提案可能になるようなトレーニングの拡充などに取り組んでいくとした。

CAが直接アプローチする顧客業種を絞り込み“より深く”サービスを提供していく戦略。その他の業種ではパートナーとの協業を強化していく

 具体的なソリューション戦略については、デジタル・トランスフォーメーションを求める顧客が必要とする「DevOps」「セキュリティ」「アジャイル管理」という3本柱を軸とするとした。

 「顧客におけるソリューションの計画から開発/テスト、デプロイ、運用、効果測定……と、このサイクルをCAのソリューションはすべて包含している。なぜ“トータルソリューション”を強調するかと言うと、すべての工程をCAは一気通貫で持っているから。バリューチェーンすべてを包含できる」(反町氏)

顧客のデジタル・トランスフォーメーション全体を、3領域のソリューションでトータルにサポートしていくと強調

 また人材とカルチャーについては、フォルケンシュタイン氏の下で進んだ国際化、ダイバーシティ(多様化)をさらに強化し、世界のCAが持つコアバリューを日本CAに取り込むとともに、日本CAから世界への発信も進めていきたいと語った。

 「日本市場でも、まだまだCAが顧客に貢献できることは多くあると感じている。まずは『デジタル・トランスフォーメーション時代のベスト・サポーター』というメッセージを覚えていただければ」(反町氏)

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