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「アプリケーション・エコノミー」に取り組む企業を支援するCAの2015年戦略

「“アプリ格差”が企業のビジネス成否を分ける」CAが調査

2015年01月22日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 CA Technologiesが1月15日に発表した調査レポートでは、「アプリケーション・エコノミー」への対応に積極的な投資をしている企業群は、そうでない企業群と比較して「収益を伸ばした企業が2倍以上に上る」など、高いビジネス成果を上げていることが明らかにされている。

 同日開催されたCAの2015年技術戦略説明会では、この調査レポートの報告とともに、昨年に引き続き「DevOps」「セキュリティ」「マネジメントクラウド」の3領域で国内企業のアプリケーション・エコノミー対応を支援していく方針が説明された。

説明会に出席したCA Technologies ソリューション・アーキテクト・グループ シニア・ディレクターの古場達朗氏

アプリケーション・エコノミーとは何なのか

 2013年1月から米CAのCEOを務めるマイク・グレゴア(Mike Gregoire)氏は、昨年、新たなコーポレートスローガンとして「Business, rewritten by software(ソフトウェアでビジネスを書き換えよう)」という言葉を掲げた。これは、企業のビジネスモデル変革と成長の鍵を握るのはIT、特に企業と顧客とつなぐソフトウェア=アプリケーションである――というメッセージだ。

 CAの古場氏は「ソフトウェア、アプリケーションでビジネスが大きく変わる」と説明し、その例となる企業を挙げた。たとえば、ウェアラブル端末とアプリの提供でデータ活用型スポーツブランドへと進化したナイキ、オンライン書店からクラウドサービスプロバイダーに事業を拡大したアマゾン・ドットコムなどだ。

あらゆる業種の企業が「ソフトウェア企業になる」というメッセージ

 特に、誰もがスマートフォンを持ち歩くようになった現在、モバイルアプリを活用するビジネスの進展の速さには「目を見張るものがある」と古場氏は語る。

 「モバイルアプリは、サービス提供企業とカスタマーの間に入って、“営業”から“苦情の受け付け”まで何でもやるようになっている。アプリがより多様になり、さまざまなシーンで使われるようになることで、ビジネスの可能性もさらに拡大していく」(古場氏)

モバイルアプリ市場も急拡大が予想される。CAの示すデータによれば、2017年には世界で2680億個のモバイルアプリがダウンロードされ、アプリストアの総売上は9兆2400億円、アプリから派生する商取引まで含めると19兆1200億円の市場規模になるという

 このように、アプリの提供を通じてビジネスを成長させ、新たな領域へとビジネスを拡大させる経済活動こそがアプリケーション・エコノミーである。CAでは、アプリケーション・エコノミーに取り組む企業が効率的かつ迅速にアプリを開発/展開できるよう、支援していく方針をとっている。

企業間の「アプリケーション格差」が業績にも影響

 今回、CAが第三者調査機関を使い実施した調査「アプリケーション・エコノミー時代に生き残り、成功を収めるには」では、企業がアプリケーション・エコノミーからどのような影響を受けており、何を課題としているのかが明らかになっている。

CAが発表した調査レポート「How to Survive and Thrive in the Application Economy」。世界13カ国の要職者1425名(うち日本は100名)を対象に、アプリケーション・エコノミーの影響や課題を調べた

 まず、アプリケーション・エコノミーが変化をもたらしているかという設問において、「業界に」極度の/大きな変化をもたらしていると答えた企業が50%、さらに「自社に直接」極度の/大きな変化をもたらしたとする企業も44%に上った。

 また、アプリケーション・エコノミーに対する今後5年間の投資額については、平均で25%の増額が予想されている。アプリ開発を迅速化するため、ソフトウェア開発企業を買収して内製化を進める動きも強まっている、と古場氏は説明した。

調査結果によれば、自社、あるいは業界へのアプリケーション・エコノミーの影響を実感している企業が多い

 同調査では、アプリケーション・エコノミーに積極的に取り組む「先進企業」(全体の24%)と、そうではない「後進企業」(16%)、それ以外の企業(60%)に分類し、先進企業群と後進企業群の比較も行っている。

同調査における「先進企業」「後進企業」の定義

 両群を比較すると「大きな『アプリケーション格差』が出てきている」(古場氏)。たとえば前述のとおり、先進企業群の35%は「収益を伸ばしている」と答えており、これは後進企業(17%)の2倍に当たる。同様に、利益率の向上、新製品/新サービスの成長においても、先進企業が後進企業を引き離している。

 「アプリケーション・エコノミーは、すでに企業の業績にも大きな影響を及ぼしている。また新しい製品やサービスを生み出していくうえでも、アプリケーション・エコノミーへの対応は重要である」(古場氏)

古場氏は、企業間の「アプリケーション格差」が生まれ、すでに業績にも影響を与えていると指摘する

 なお、世界平均と日本のみの調査結果を比較した場合も「傾向はかなり似通っていた」(古場氏)という。ただし、海外企業では「ソフトウェア企業を買収してアプリの開発スキルを獲得し、内製化を進める」方針が強まっているが、日本企業では開発パートナー、SIベンダーとの協業を強化する方向性になっているのが唯一の違いだったと、古場氏は述べた。

引き続き「DevOps/セキュリティ/マネジメント・クラウド」の3領域に重点

 グレゴア新CEOの就任後、CAでは顧客企業のアプリケーション・エコノミーを支援する方針を固め、「DevOps」「セキュリティ」「マネジメント・クラウド」の3つを重点領域として製品ポートフォリオの再構築を実施してきた。今回の調査において、先進企業がこの3領域への取り組みに注力していることも明らかになったことから、2015年も引き続き、各領域における製品/サービス展開を強化していく。

調査では、先進企業がDevOps、セキュリティ、モビリティへの積極的な取り組みを実施していることもわかった
今年も引き続き、「DevOps」「セキュリティ」「マネジメント・クラウド」の3つを重点領域とする

 DevOps領域では今年、「CA Service Virtualization」「CA Release Automation」でそれぞれ新バージョンをリリースするほか、モバイルアプリの性能監視製品「CA Mobile App Analytics」を投入予定だ。

 「App Analyticsでは、アプリ内にプローブを組み込むことで、モバイルデバイス上でのクラッシュや障害についても情報を吸い上げ、開発にフィードバックできる」(古場氏)

DevOps領域では、開発、テスト、展開、モニタリングの自動化や強化を進める

 セキュリティ領域では、特にAPI管理の啓蒙と製品提供に注力し、「CA API Gateway」「CA API Developer Portal」でそれぞれ新バージョンをリリースする。認証管理とID管理の製品でも新版を発表予定だ。

 またモビリティ・クラウド(SaaS)領域では、企業向けのモビリティ管理SaaS「CA Management Cloud for Mobility」を国内リリースする。また、プロジェクト&ポートフォリオ管理(PPM)では、新たに投資管理分野での活用が進むよう、アライアンスを組んで取り組んで行くという。

「CA Management Cloud for Mobility」は、モバイルデバイスだけでなく、デバイス上のアプリ、コンテンツ、電子メールをマネジメントするSaaS。「国内では2月発表予定」(古場氏)

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