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山谷剛史の「アジアIT小話」 第122回

スマホ活用で現地の人と友達に! 海外旅行の今昔

2016年04月14日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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スマホサービスで現地ガイドや相互言語学習が簡単にできる!

 さて、いろいろ書いてきたが、こうした話は、言い方は悪いが「老害、ロートル(老頭児。中国語だ)の、昔はよかった話」だ。

 今はスマートフォンとネットサービスの普及により、現地人と話す機会が減ったが、それはマイナス以上にプラス効果がある。

 ホテル探しもレストラン探しも、自分にあったところを見つけて地図アプリで行けるようになった。ホテルが増える新興国の観光地で、本の旅行ガイドブックではとても対応できないし、全部のホテルを紹介できるほどページ数もない。

 世界中でスマートフォンを持てる人々が、インターネットを利用しはじめたからこそ、新たに現地人と出会える手段も増えたのだ。

「Meetrip」。東京・大阪・京都・沖縄では外国人旅行者のガイドになれる

「Meetrip」。東京・大阪・京都・沖縄では外国人旅行者のガイドになれる

 たとえば、日本を含むアジア9ヵ国でサービスが提供されている「meetrip」は、現地人がガイドとなって値段とコースを提示し、まるで友達感覚で案内してくれる。

 外国人相手に案内をしたい人々がサービスを利用するから、中学生程度の英語が話せれば問題なく、知り合い作りもできよう。

相互語学学習者募集サイト「MyLanguage.com」

相互語学学習者募集サイト「MyLanguage.com」

 また、「Language Exchange」で検索すれば、日本人は英語と日本語を使って日本語を教え、外国人は英語を使って外国語を教え、言葉を交換で教え合いたいという人を探すサービスが世界中で見つかる。

 海外の現地で日本語学習者を探すのは非常に苦労するが、Language Exchange絡みのサイトで探せば、簡単に日本語学習者が見つかる。

 日本で語学を勉強したいと思うほど日本に関心がある人は多くない。レアな⽇本(語)に興味がある人々と知り合うことにより、外国のことを現地目線で知ることができるだろう。

 Facebookが中国を除き世界的に人気なので、こうしたサイトで互いに連絡がとれるようになった上で、その後Facebookで繋がることは多い。Facebookで繋がれば、その人をハブにして、そのまた友人と繋がることもできて、その後の渡航が楽しくなる。

 ただし、インターネットが閉じかけていて、かつ英語が苦手な人が多い中国においては、直接「百度」でこの手のサービスを探したほうが利用者も多く効率的だ。

中国語日本語交換掲示板

中国語日本語交換掲示板

 例えば「Language Exchange」に相当する「互相学習 日語」で百度で検索すると、日本語を勉強したい中国人を簡単に見つけることができる。

 パソコンやスマホを手にした結果、日本のアニメを見て日本に興味を持つ人がいる。日本に興味がある外国人と知り合いとなれば、ネットでの見聞では体験できない貴重な知見を得ることができる。

 海外への渡航が決まったら、ネットサービスを利用して知り合いを作ってから行ったほうが、旅はずっと楽しく深くなる。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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