四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第151回
Bluetoothの限界と将来にイヤフォンの未来はある?
尻にスマホはダメ、完全ケーブルレスイヤフォン「EARIN」開発者語る
2016年03月13日 12時00分更新
Bluetooth規格の標準化に期待
―― 少しプライベートなことをお聞きしてもよろしいですか。
ペア はい。いま41歳です。住まいはマルメというスウェーデン南端の街です。ガールフレンドと子供が2人います。もう仕事に追われて全然自由な時間がありません(笑)。私は携帯電話のプラットフォーム開発をしていました。コペンハーゲンのノキアでも働いていたし、ルンドのソニーエリクソンでも働いていました。
―― 電話を設計していたのに、EARINにはヘッドセット機能がないのはなぜですか?
ペア とにかくできるだけ小さいイヤフォンを作ろう、ケーブルをなくそうという目的で始まったプロジェクトなので、無駄なものは排除しました。私は音楽が聴きたかったんです。
―― 音楽がお好きなんですね?
ペア はい、いい音楽ならなんでも聴きます。若いころはヘヴィメタルを聴いていましたよ、スレイヤーみたいな。
―― おお、北欧と言えばメタルですもんね。
ペア でも、私は北欧メタルを聴いていません。もっと古いやつ。レッド・ツェッペリンとかエリック・クラプトンとか、そういうの。
―― では、BABYMETALはご存知ありませんか?
ペア それはなんですか?
―― 日本のメタルダンスユニットです。もうじきヨーロッパツアーもあるみたいですよ。
ペア いえ、知りませんでした。
―― では最後に。次期iPhoneからはイヤフォン出力端子がなくなって、ワイヤレス化するというウワサがあります。EARINのようなスタイルのイヤフォンはメインストリームになり得ると思いますか?
ペア 市場がBluetoothに動いていることは確かだと思います。そして現在のBluetoothの規格は、ひとつのデバイスに対してひとつのペアリングしかできません。でも、もし将来的に、2つのデバイスに同時接続できるようになれば、もっと音もよくなるだろうし、先ほどのレイテンシーの問題も解決できると思います。
―― Bluetooth規格として標準化されることに期待する、ということですね。ありがとうございました。
ペア あの、さっきのバンドはなんという名前でしたっけ?
―― ベビーメタル、BABYMETAL、です。
ペア 忘れないようにメモっておきます。
著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)
1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ
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