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飯田橋クラウドクラブ(略称:イイクラ) 第24回

2つのユーザー会があわさるとなにかが生まれる

次は連携?SoftLayerとBluemixユーザー会の存在意義を語るの巻

2016年03月18日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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サポートも基本は英語。画面は日本語でもやっぱり英語

日立横井:サポートって実際にはどんな感じなんでしょう?Bluemixの管理画面や問い合わせ先のページが日本語なので、先日、日本語で料金のことをメールで問い合わせたら、英語で書いてくれと返事がきましたが(笑)。

ブイキューブ原田:SoftLayerも最近コンパネが日本語になりましたけど、日本語でチャットやったんですけど、ビミョーでした。

NI+C常田:SoftLayerのサポートは基本英語です。Bluemixは有償プランだとチケット買う形。こちらも英語です。

大平:時間帯によっては日本語で返ってくると本に書いてありました(笑)。

ASCII大谷:ドキュメントやマニュアルはあるんですよね。

NI+C常田:うーん。僕はSoftLayerはコミュニティ活動で、Bluemixの方が仕事。だからバックアップは何世代管理できますかとか、エクスポートできますかとか、ユーザー管理のACLはどこまで制御できますかとか、マニュアルに書いてない細かいことばかり(笑)。

大平:Developer Worksの日本語もとっつきにくいです。翻訳手伝いたいくらい。英語読んだ方が早いし、意訳してブログで書いたことありますが、物量的に大変です。

NI+C常田:流し読みでめげる文章はあまりないです(笑)。

日立横井:でも、がんばっていると思いますよ。英語の表現を日本語的にしている跡が伺えます。

CTC原田:横井さん、やさしいなあ。問い合わせがある場合は、ユーザー会に投げていただけるのがいいですよね。あとは最近はAlchemyAPIで記事の構造解析とかさせて、気になるキーワードでデータベースとか作ってますね。

大平:それすごい役立ちますね!

ASCII大谷:総じて、互助システムとしてのユーザー会はできるべくしてできたという感じですね。

「Bluemixが流行る」ということは「攻めのITが根付く」ということ

ASCII大谷:去年はGEやYahoo! JAPANなどが採用を発表し、今年はPaaS元年とか言われていますが、どうなるんでしょうかね。

CTC原田:今までPaaSって挫折ポイントがやたら多かった。IaaSと違って、ログや細かい設定など触れない領域があるのがまず不安。ステージングまで進んでも、いざ本番適用のときに、障害対応できるか不安になる。せっかくチャレンジしても、挫折して、PaaS嫌いになってしまう。

NI+C常田:正直、今まで売れたPaaSってないんじゃないかな。先日はFacebookもParse.comの終了を発表したし。エンタープライズの企業だと、デプロイはオペレーターとか決まっていて、開発者はデプロイできないという組織もあります。そういうところにBluemixを売ろうとすると、どうなるかわからないという声が返ってきます。

大平:私はプログラマーだけど、ログ見られないのは不安。今のエラーなに?ってなってしまう。その点、BluemixはDevOpsサービスのWeb IDEでログを見られるから信頼できます。

NI+C常田:ログもけっこう見やすくなっているので、アピールすればいいのになあと思います。今までのPaaSって、データベースのデータがどこにあるとか、データベースをシャットダウンしたら、データ消えちゃうのかといった不安があった。その点、Bluemixはデータストアとしても、外出しできるサービスがいっぱい用意されている。

CTC原田:Bluemixのサービス群にOpenStack VMやコンテナがあるので、ダメならサーバーやコンテナを作っちゃえばいいんです。

NI+C常田:Bluemixは初めてビジネス的に成功するPaaSになるんじゃないかなと思います。IaaSはけっこう現場主導のボトムアップが多かったんですが、PaaSはビジネスを革新するアプリケーションを作れますと経営者に訴えています。だから、現場でうまくアプリケーションを作れれば、IBM系のユーザーからまず拡がるんじゃないかと思います。

ASCII大谷:実際、開発効率考えたら、PaaSしか選択肢がないという声はありますよね。

NI+C常田:実案件では機能のよしあしじゃなく、ビジネスにどれだけ貢献するのかが求められています。IaaSって今までのやり方を変えないで移行できるけど、PaaSはお客様での運用体制まで変えていかないと、有効活用できないところがあるので。

CTC原田:Bluemixが流行るということは「攻めのIT」が日本でも根付くということだと思っています。ただ、IaaSってエンジニアも逃げる場所があるけど、PaaSってけっこう荒療治で、APIや開発文化に向き合わないといけない。そうなるとおのずとトップダウンになります。

ASCII大谷:CTCさんのような大手SIerにとって、PaaSというのは新しいビジネスを起こす基盤にもなるんでしょうか?

CTC原田:「クラウドでコスト削減」といったときに、削減されるのはSIerの食い扶持なんです。その点、Bluemixは攻めのITに向いているサービス。新しいサービスに向いているし、アジャイル開発にも適しています。だから、新しい開発文化を企業に根付かせて、スピード重視のビジネス部門に応えていける。クラウドであれば、サービスが拡大したら、スケールさせることが可能です。だから、うちのようなSIerでもPaaSに関しては前向きです。

SIerとしてPaaSへの取り組みを語るCTC原田

日立横井:各社とも自社の製品やサービスだけを売っているだけでは、もはや勝てないことがわかっています。だから、他のベンダーとも協力して、いいコンポーネントを取り込んで、トータルでお客様に提案できるというのが今後大事になってくると思います。

大平:いいですね。やっぱりお客様の役に立ちたいですからね。

 SoftLayer/Bluemix編、完!

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