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楽天・ヤフー・Amzon、ECモールが囲い込みバトル(1)

2016年02月12日 07時59分更新

記事提供:通販通信

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 通販業界では「楽天」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」の3大総合ECモールによるユーザーの囲い込み戦略が進んでいる。2015年からセールイベントやCMなどのプロモーションで、各社の争いが目立つようになった。2016年はよりその傾向が強まり、ユーザー囲い込みに向けた熾烈なバトルが繰り広げられるだろう。

 ユーザーの囲い込み戦略のバトルを言い換えると、「楽天スーパーポイント」VSヤフーの「Tポイント」VS「Amazonプライム会員」になる。1つのECモールを使い続ければ、ポイントが貯蓄され、貯まったポイントで新たな商品を購入したり、さまざまなサービスで利用できる。楽天とヤフーがポイントサービスでユーザーを囲い込んでいるのに対し、Amazonは「プライム会員」のサービスを充実させる戦略を取っている。

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「楽天カード」の普及が急拡大、新電力サービスにも期待

 楽天の「楽天スーパーポイント」は、楽天市場だけでなく「楽天トラベル」「楽天ブックス」「楽天オークション」「楽天デリバリー」「楽天銀行」「楽天モバイル」など、「楽天経済圏」と呼ばれる楽天グループのサービスでポイントの貯蓄・使用ができることが魅力だ。還元率は1%で、100円で1ポイント(1円)付与される。また、ポイントが数倍になるキャンペーンを随時行っている。

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 グループのうち、注目を集めるサービスの1つが格安スマホを展開する「楽天モバイル」。業界最安値水準の525円(税別)からスマートフォンが持てる格安スマホで、1月28日には月額850円(税別)で5分以内の通話を無料にする新プランを発表し、話題を集めた。

 まだ具体的なサービス内容は明らかになっていないが、4月から始まる電力自由化に向け、「楽天エナジー」が開始する予定の新たな電力サービスにも注目が集まる。楽天は昨年、電力事業への参入を正式に表明し、現在も電力事業開始に向けて準備を進めている。

 楽天スーパーポイントは、グループ外の提携先も幅広い。コンビニ(サンクス・サークルK・ポプラほか)、ガソリンスタンド(出光・SOLA太陽石油ほか)、ショッピング(大丸・松坂屋・ジョーシン・マザーピアほか)、飲食(ミスタードーナツ・PRONTOほか)など、合計6353店舗(15年2月末時点)で利用できる。同社は提携先の拡大に注力しており、16年に入り新たにキグナス石油、ツルハホールディングス、西部ガス、コメ兵、アストモスエネルギーと提携した。

 共通ポイントの核となるのは、会員数が急拡大している「楽天カード」だ。楽天カードの会員数は1200万人(15年11月時点)を突破し、カード取扱高は15年12月の単月で4000億円を達成した。「楽天カード」のメリットは、年会費無料、高いポイント還元率、ポイントが他業種で利用できること。ポイントの還元率は1%で、楽天市場での利用はポイント2倍となる。「楽天カード」は現在、電子マネーの「楽天Edy」、店舗での現金支払い時に利用できる「楽天ポイントカード」を一体化させ、カード1枚で楽天グループのすべて決済サービスを利用できるように利便性を向上させている。貯めたポイントは「楽天スーパーポイント口座」に集約でき、ポイント獲得状況を一覧で確認できる。

 楽天はこうした楽天市場以外のグループサービスや提携店舗と連携し、楽天スーパーポイントによるユーザー囲い込み戦略を取っている。

(山本剛資)

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