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山谷剛史の「アジアIT小話」 第117回

親日のタイで日本発のネットサービスが浸透していた!

2016年02月04日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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自国コンテンツを弱いタイ
海外サービス企業がもっとも参入しやすい国!?

安く乗れるバスでもスマホユーザーばかり

安く乗れるバスでもスマホユーザーばかり

特にバンコクではフィーチャーフォンユーザーが減りスマホユーザーばかりに

特にバンコクではフィーチャーフォンユーザーが減りスマホユーザーばかりに

 ここまで、言わば“日本すごい”的なタイの事情をざっくり紹介した。

 逆にいえば、タイは外国を受け入れる代償か、国産のコンテンツがめっぽう弱い。

タイのインターネット利用データ

タイのインターネット利用データ

 ネットの普及率は4割程度だが、首都バンコクではそれ以上に高く、昔からそれなりにネットは浸透していて、その中で「sanook」「kapook」といったタイの定番ポータルサイトはあるのだが、日本における「Yahoo! Japan」のような、その国で圧倒的存在感があるサイトというのがどうにもないのだ。

ニュースを集めたキュレーションサイト

ニュースを集めたキュレーションサイト

ちなみにタイの人気サイトランキングはTruehitsというサイトで測る

ちなみにタイの人気サイトランキングはTruehitsというサイトで測る

 もっとも、コンテンツに限らずハードウェアも強くはなく、これといった尖った独自ハードウェアが、昔から出ないわけだが。

 前述のsanookやKapookが圧倒的立場ではない中で、後発の掲示板サイト「pantip.com」が一気に逆転して、タイのサイトとしてはナンバー1となった。

 また、個人によるまとめサイトも人気だ。そのあたりは日本の状況に似ている。かつては、「ohozaa」というまとめサイトがあり、個人運営であったものの、なりふり構わぬ手法でsanookなど著名ポータルサイトを抜きトップとなったことがある。

 極論ではあるが、個人のサイトですら、ニュース系ジャンルでナンバー1になることができるのである。どうもその理由としては、タイ人はベンチャーに行きたがらず、より安定した大企業志向があるため、ベンチャーが育ちにくいのではないかという意見を聞く。

 今はタイでECも伸び、また日本旅行の関心もさらに高くなっている中で、タイ人の商品検索の定番のパターンとしては、Googleで「Pantip」と、気になる商品名で検索し、Pantipの該当スレッドでの口コミをチェックし、FacebookやLINEなどで情報交換をする。

sistacafeによるグリコの新発売のアイス紹介動画。いいねの数が多い。

sistacafeによるグリコの新発売のアイス紹介動画。いいねの数が多い

 タイ人はFacebookで、好きなサイトのFacebookアカウントをフォローし、彼らが出す広告についてどんどん「いいね︕」を押していく。結果、タイで著名なアカウントによるFacebookの広告は一気に広まっていく。Facebookはタイでは無料ながら大変有用なツールとなる。

 自国製品を伸ばそう、利用しようという意識が低いタイは、ガジェットや新サービスへの期待はあまりできないが、逆に言えば日本企業や自治体のネットによる売り込みの難易度が最も低い国ともいえる。

 日本に高い関心を持つタイに売り込んでいきたいときは、まずは女性ターゲットなら女性に強い上記の在タイ日本企業に相談し、効率的に広告を打っていくとよさそうだ。

 また、地場サービスが弱い中で、アプリでタイ市場に参入するのも可能性がある。日本の2次元コンテンツが人気であるうちに、日本のゲームのタイ向けローカライズを、経験ある企業にオーダーするのもよさそうだ。


山谷剛史(やまやたけし)

著者近影

著者近影

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場」「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 」(星海社新書)。

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