「mijin」でアクセス過多でも“ダウンしない”データ基盤実現、今秋から提供開始へ
ブロックチェーンをゲーム基盤に適用、GMOとテックビューロ
2016年02月02日 06時00分更新
GMOインターネットとテックビューロは2月1日、ゲーム用バックエンドエンジンの共同開発における業務提携を発表した。テックビューロのプライベートブロックチェーン基盤である「mijin」をベースに開発し、今秋をめどにGMOのゲームアプリ向けクラウドサービス(PaaS)で提供を開始する予定。
ブロックチェーンは、P2Pネットワークを構成する複数のノードが同一の(トランザクションの整合性を保った)データを分散保持可能にする技術。通常のデータベースではキャパシティを超えてしまうようなトランザクションが発生した場合でも、システムが停止しない“ゼロダウンタイム環境”を実現できる。そのほか、「データを改竄できない」「データが消えない」特性もあるため、株式取引や銀行取引、ポイントサービス、決済、契約、情報管理など、フィンテック領域を中心に幅広い用途での活用が期待されている。
今回両社では、テックビューロのプライベートブロックチェーン基盤ソフトウェア「mijin」をベースに、GMOインターネットがGMOインターネットが管理機能やアプリ用のSDKを開発することで、ゲームアプリ専用PaaS「GMOアプリクラウド」の新サービスとなるバックエンドエンジンの商品化を進める。提供開始は今年秋頃の予定。
ゲームサービスの運営においては、トラフィックが急増した場合のシステムダウン防止が重要課題のひとつとなっている。しかし、「ゲーム内通貨の決済」「アイテムの所有権移行」「ゲーム進行フラグの管理/紹介」といった重要な処理を行うゲームのバックエンドエンジンに、従来の分散データベース技術で同様のゼロダウンタイム環境を実現すると、ピークトラフィックを見越したキャパシティに基づき構築する必要があるため、無駄なコストがかかってしまう。
両社では、ここにプライベートブロックチェーン技術を採用することにより「従来の半分未満のコストでゼロダウンタイムを実現」できると述べている。
また、ブロックチェーン内に格納されるデータは改竄や消去ができない仕組みになっているため、ゲーム内通貨や所有アイテムのデータ保護、データへのアクセス権限管理なども実現し、ユーザーや業者による不正なデータ操作やチート行為も排除できるとしている。